日本イオン交換学会誌
Online ISSN : 1884-3360
Print ISSN : 0915-860X
ISSN-L : 0915-860X
1 巻, 2 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
  • 鈴木 敏重
    1990 年 1 巻 2 号 p. 2-15
    発行日: 1990/09/25
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    金属イオンを選択的に分離する機能を持ったイオン交換樹脂として, 多座配位子を含むキレート樹脂, 金属抽出試薬を含浸した試薬含浸樹脂, ならびに金属酸化物と高分子樹脂との無機・有機複合吸着体を開発し, それらの金属イオン吸着能を検討した。開発した樹脂ビーズは, それぞれ高分子内部に化学修飾した試薬の特性を反映して, 特定金属イオンを選択的に吸着する。本報では, このような選択吸着樹脂を, 工業的に重要なガリウム, インジウム, モリブデン, ・貴金属, レアアース等のレアメタルの分離・濃縮に適用することを提案し, これを試みた。レアメタルは希薄資源であり, 難分離の金属が多いが, これら樹脂ビーズは, 目的レアメタルを大量の共存元素の中から選択性よく, しかも高い濃縮率で補集し得る。また, 選択樹脂をカラムクロマトの固定相とすると, 移動相に希薄な酸を用いるだけでレアアースの相互分離が達成されることを明らかにした。
  • 宇山 晴夫, 神崎 〓, 松本 修
    1990 年 1 巻 2 号 p. 16-26
    発行日: 1990/09/25
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    イオン交換反応に関する研究はこれまでほとんどが水溶液系で行なわれてきている。この反応においてはイオン交換反応の速度, 交換容量, 選択性などは, 水溶液中でのイオンの水和状態が大きな影響を持つと考えられている, 両者の具体的な因果関係についてはほとんど研究がなされていない。本研究は有機溶媒中でイオン交換反応を行なわせることにより, 交換体のボアサイズ, 溶媒の大きさ, 溶媒和の状態など, 交換体と溶媒とを種々組み合わせることにより, イオン交換反応がどの様な影響を受けるかを検討したものである。交換体としては構造が明確で, ボアサイズが明かなゼオライト, 交換イオンとしてアルカリ金属イオン, 有機溶媒としては液体アンモニアとジメチルフォルムアミドを用い, 水溶液中におけるイオン交換特性と比較検討を行なった。その結果, 有機溶媒中でのイオン交換反応では, 理論交換容量をはるかに越えて陽イオン交換が起こることが判明した。この時同時に陰イオンも吸着し, 過剰に交換した陽イオンは交換体内で包接型の化合物 (Inclusion Complex) を形成していると考えられた。このInclusion Complexについていくつかの性質を調べた。
feedback
Top