やがて, 半世紀になろうとする研究開発の経過のなかで, 電気透析技術は広い産業分野で実用化され, 現在もなお, 製塩工程での海水濃縮, 塩水淡水化, 排水の回収再利用, および非電解質の脱塩その他の用途に用いられている。一方では, 特殊な性能のイオン交換膜が, 拡散透析法で強酸, あるいは強塩基の分離に利用されている。
これらの応用の実現には, イオン交換膜そのものの改質のみでなく, 電気透析装置の改良およびプロセス設計技術の開発が大きな役割を担ってきた。
本稿では, 応用面からみた, これらの開発の経過, とくに著者がその一員としてかかわった開発グループのおもな成果を中心として, それらの概略を述べてみたい。
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