日本イオン交換学会誌
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33 巻, 2 号
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一般論文
  • 森 浩一, 篠原 隆明, 三村 均, 千田 太詩, 新堀 雄一
    2022 年 33 巻 2 号 p. 17-26
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/02
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    粒状二チタン酸カリウムにSrを吸着させた模擬使用済み吸着材を調製して,その溶出挙動を評価した。粒状二チタン酸カリウムはイオン交換によりSrを吸着しているため,酸性溶液あるいはカチオン濃度の高い溶液と接触するとSrが溶出した。溶出用溶液のカチオン種の影響としては,Caの方がNaよりもSr溶出への影響度が大きかった。これは二チタン酸カリウムのイオン選択性が,アルカリ金属のNaやKよりもアルカリ土類金属のCaやSrの方が高いためと考えられる。熱処理は模擬使用済み吸着材からのSr溶出低減に効果的であった。熱処理温度500°CではSr溶出の低減効果は低かったが,熱処理温度900°C以上ではSr溶出率の大幅な低減効果が確認された。これはSrがSr2Ti6O13結晶となって安定化されるとともに,模擬使用済み吸着材の比表面積が小さくなるためと考えられる。熱処理温度1100°Cでは,900°Cの場合と生成する結晶相に大きな違いはないが,模擬使用済み吸着材の比表面積がより減少するため,Sr溶出の低減効果がさらに大きくなった。

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