【目的】当院では1999年9月から, 中等量の1回線量を用いて肺腫瘍に対する3D-CRTを施行している. 今回, 初期治療成績を検討したので報告する.
【対象と方法】1999年9月から2001年5月までの間に, 3D-CR7を施行した肺腫瘍患者18症例, 20腫瘍を対象とした. ただし, これらの症例は, すべて以下の条件を満たすものである. 最大腫瘍径: 5cm以下, V20: 20%未満, 中等量の1回線量: 3-4Gy/回, Perfomance Status (PS): 0-3 (ただし, 患者の年齢, 呼吸機能は問わない). 対象症例の平均年齢は75. 4歳 (54-86). 肺腫瘍の原発部位別では, 14症例, 14腫瘍が原発性肺癌であり, 4症例, 5腫瘍が転移性肺腫瘍で (結腸, 食道, 胸腺, 肺 (原発に対しても3D-CRT施行)), 1症例, 1腫瘍は肺癌再発例であった. 3D-CRTの治療方法については, 6-10門のnon-coplanarの周定多門を用い, 1回線量3-4Gyで, 平均総線量62, 0Gy (51-64) 施行した. 全治療期間は平均28窪であつた (24-36).
【結果】全症例での1年局所劇御率, 粗生存率はそれぞれ, 87.7%, 94.1%であった, 原発性肺癌症例のみで疲, 1年局所制御率, 糧生存率はそれぞれ909%, 92.3%であった. 肺に対する有害事象についでは, 臨床症状を虜するようなGrade 2以上の有害事象が生じた症例はなかった.
【結語】当院で施行している中等量の1回線量を用いた肺腫瘍に対する3D-CRTは, 良好な局所制御が得られた上, 重篶な有害事象が生じなかったことからは, 今後有用な治療法となる可能性が示唆された.
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