日本菌学会会報
Online ISSN : 2424-1296
Print ISSN : 0029-0289
ISSN-L : 0029-0289
37 巻, 3 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
論文
  • 角田 光利, 日高 忠利, 谷口 實
    1996 年 37 巻 3 号 論文ID: jjom.H07-81
    発行日: 1996年
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー

     ニマイガワキン(Graphostroma platystoma)は,初年度の夏にシイタケ(Lentinus edodes)ほだ木の外樹皮と内樹皮との間に子座を形成し,外樹皮剥離を引き起こした.ニマイガワキンとシイタケの接触部には帯線が形成されるが,秋以降,ニマイガワキンの占有部分は順次シイタケに移り変わった.本菌の被害を測定するために,ほだ木の表面積に占める子座の面積の割合を子座率とした.各ほだ木を横断し,断面において黒い帯線で囲まれたニマイガワキンの占有部分の面積を求め,断面に占める割合を断面占有率とした.子座率と断面占有率とには有意な正の相関関係が認められた.子座率を4~5段階に分け,各段階に入るニマイガワキン被害ほだ木を選び試験区とし,各試験区から生じたシイタケ子実体発生量(乾燥重量)を比較した.子座率11%以上でシイタケ子実体発生量は子座率に反比例し,子座形成部からのシイタケ子実体発生量は樹皮部からの発生量の1/2以下であった.本菌の被害度を測定するためには子座率を求める方法が適すると考えられた.

研究レポート
総説シリーズ
feedback
Top