日本産,タイ国産,および両国菌株間F1雑種ヒラタケについて,菌糸体培養は22℃で,子実体形成は22℃と15℃の2つの温度下でおこない,培地内CO2濃度変化と子実体形成パターン,及び子実体の形態的特徴を比較した.培地内CO2濃度は日本産,タイ国産とも菌糸体培養期間中は同じパターンで変化した.しかし,タイ国産菌株は22℃でも15℃でも日本産菌株より早く子実体を形成し,培地内のCO2濃度も早く上昇した.22℃栽培区で,タイ国産菌株は子実体を正常に収穫できたが,日本産菌株は正常に発生しなかった.F1菌株群において,培地内CO2濃度変化と子実体形成パターンには親菌株のパターンが分離して現れた.そして,その多くはタイ国産型の栽培特性を示した.
コーンスターチ製造時に多量に排出される廃棄物のコーンファイバー(トウモロコシ種実の皮,以下CNFと略)をオガ粉培養基に添加し,数種食用きのこの栽培試験を実施した.その結果,CNFはオガ粉の代用に十分利用可能で,ブナシメジ,ナメコおよびヒラタケ等の子実体収量を5~31%増加させた.効果は培養が長期にわたるきのこ類(ナメコ,ブナシメジ)で特に顕著であったが,30%添加では生育日数の遅れが認められる場合があった.
A hyphomycete, Alysidium resinae var. microsporum, newly found on a plastic doll in Japan, is described.
2-octeno-δ-lactone産生菌である,Lasiodiplodia theobromae GK-7の培養条件と2-octeno-δ-lactoneの産生について検討した.PDA培地,麦芽寒天培地,サブロー寒天培地,CZA培地のうちでは,2-octeno-δ-lactoneの産生が良好なのは,PDA培地のみであった.2-octeno-δ-lactone産生に対する光の影響は,寒天培地と液体培地では大きく異なり寒天培地では影響は無いようであった.しかし液体培地では光を照射しないと2-octeno-δ-lactoneはほとんど産生されなかった.空気の流通については,液体培地でも寒天培地と同様に制限される方が良く,アルミホイルを輪ゴムで巻いて密栓したほうが良いようであった.14日間の培養後,2-octeno-δ-lactoneは菌体内だけでなく培地全体に存在していた.
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