ホンシメジ,シャカシメジを合成液体培地で培養し,栄養生長にともなう菌糸体中の低分子炭水化物,高分子炭水化物および有機酸の経時的変動を追跡した.両菌種の栄養菌糸体より,トレハロース,グルコース,フルクトース,マンニトール,アラビトールおよびグリセロールが検出され,主成分はトレハロースであった.グリコーゲンとトレハロースは菌糸体の生長にともない急増したが,最大生長後は急減し,貯蔵炭水化物であることが推察された.細胞壁多糖である熱ギ酸可溶多糖,アルカリ可溶・酸可溶多糖,熱アルカリ可溶多糖,アルカリ可溶・酸不溶多糖およびキチンは,菌糸体の自己消化中もほとんど含量変動はみられなかった.両菌種より11種類の有機酸が検出された.各有機酸類は菌糸体の生長にともない増加し,最大生長後は減少したが,シャカシメジの乳酸は最大生長後も増加し,本菌は乳酸分解能の低い菌種であることが推察された.
Two species of yeast were isolated from wood vinegar and identified. One species, isolated from wood vinegar extracted from Japanese oaks, was Dipodascus capitatus. The other species, isolated from wood vinegar extracted from North American maples, was Rhodotorula minuta.