ツガ属植物のさび病菌C. tsugaeとC. tsugae-yunnanensis について,形態観察ならびに冬胞子の発芽実験を行った.Chrysomyxa tsugae は形態的に他の Chrysomyxa 属菌とよく類似していたが,C. tsugae-yunnanensis は冬胞子の形状において異なった.また,C. tsugae-yunnanensis では成熟に伴って冬胞子が胞子堆から解離して分散したのに対して,C. tsugae では冬胞子が分散することはなかった.冬胞子発芽実験および核学的観察から,両菌の冬胞子は発芽に伴っていずれも4細胞性の担子器を生じて1核性の担子胞子を4個形成し,長世代型や類生世代型生活環を有するさび菌類の多くの種において知られている冬胞子発芽および担子胞子形成における核の行動と同様の結果を示した.
埼玉県北足立郡伊奈町で,アンモニア菌の自然条件下における発生例を調査した結果,これまで未報告であったニワトリの死体の分解跡から4種,タヌキの死体の分解跡から1種,イヌの放尿の跡から2種のアンモニア菌の発生が観察された.また,ヒトの放尿の跡から3種,タヌキの糞場からは3種のアンモニア菌の発生が観察された.これらの中で,ヒトの放尿の跡からのアカヒダワカフサタケの発生およびタヌキの糞場からのウラムラサキの発生は新知見である.タヌキの糞場では外生菌根性のアンモニア菌とアンモニア菌以外の外生菌根菌が発生したが,後者は,糞場での樹木細根の新たな形成に伴う菌根形成の活発化により発生したと考えられた.
Japan has a long history, dating back to the Nara Period, in which nobility and common people have used mushrooms as medicine and food. Here I report a survey of articles about mushrooms appearing in herbal and history books, novels, diaries of the court nobles, and temples records. I record the names and uses of edible mushrooms and poisonous mushrooms. Some antidotal methods found in herbal and medical books of the Edo Period are described and discussed.