日本菌学会会報
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39 巻, 1 号
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追悼文
論文
  • 本村 知樹, 田中 欽二
    1998 年 39 巻 1 号 論文ID: jjom.H09-3
    発行日: 1998年
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー

     ヒシから分離された白絹病菌(Sclerotium rolfsii)15菌株およびヒシ以外の各種植物からの白絹病菌27菌株を供試して,菌核の水面浮上性に対する照明の影響について検討した.V-8寒天培地上に形成された菌核は,ヒシからの分離菌およびヒシ以外の植物からの分離菌ともに,照明培養を行った場合は水面に浮上しやすく,無照明培養では水中に沈下しやすい傾向を示した.1日当たりの照明時間を変えて培養すると,数菌株を除いて,形成された菌核は1時間の照明でも約50%またはそれ以上浮上し,12時間照明するとほぼ100%浮上した.菌核の内部構造を比較すると,浮上性の高い菌株は低い菌株に比べて菌核細胞間の空隙が多く,この空隙は水面浮上性に関与していることが示唆された.

  • 太田 明
    1998 年 39 巻 1 号 論文ID: jjom.H09-13
    発行日: 1998年
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー

     菌根性きのこのホンシメジを市販のきのこ栽培用機器を用いて栽培し,実用栽培のための栽培条件について検討して,以下の結果を得た.(1)培地基材としての大麦:おがくずの体積比は2:3が適していた.(2)無機塩類,特にPとFeを添加すると子実体発生量が増加した.(3)広口の栽培ビンにビン容量の1/4~1/2の培地を詰めた場合に,培地体積あたりの発生量が多かった.(4)接種後30~35日にピートまたは鹿沼土を培地上に加えると安定した発生がみられた.(5)野生株の子実体発生量や子実体の形態に大きな変異が認められたことから,実用栽培には系統選抜が重要と考えられた.上述の条件下で650 mlの培地を用いて栽培を行った場合,野生株60系統から選抜された発生量の多い4系統の平均発生量は123 g/ビン,収穫までの平均日数は81日であった.

  • 渡辺 京子, 小林 享夫, 土居 養二
    1998 年 39 巻 1 号 論文ID: jjom.H09-21
    発行日: 1998年
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー

     Truncatella sp.の分生子果を葉片法で処理したアジサイ葉とポテトデキストロース寒天培地(PDA)上で形成させた.その結果,アジサイ葉上では分生子層が形成されたが,PDA上では菌糸より直接形成した分生子形成細胞から分生子が形成された.つまり,本菌は異なる培養基によって,分生子果不完全菌または糸状不完全菌に属する形態を持つことが示された.

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