日本菌学会会報
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63 巻, 2 号
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追悼文
論文
  • 坪井 葉月, 和田 侑子, 小嶋 礼乃, 長井 隆, 田﨑 裕二
    2022 年 63 巻 2 号 p. 27-38
    発行日: 2022/11/01
    公開日: 2022/12/28
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    電子付録

    清酒製造用の黄麹菌(Aspergillus oryzae)のバリエーションを増やすため,自然界由来の黄麹菌を分離し,それらの清酒の種麹としての評価を行った.長岡高専敷地内の屋外より米-木灰-リン酸カリウム培地を用いて,Aspergillus属と推定された糸状菌13株を分離した.それらの形態観察,AF産生性の判別,ITS1-5.8S rDNA-ITS2領域およびAF生合成遺伝子ホモログの解析,amyコピー数の推定の結果より,全ての分離株はA. oryzaeと同定された.分離株および2つの清酒用種麹を含む3つの対照株を用いて米麹を製造し,それらの清酒醸造に重要な酵素活性を測定した.13の分離株は,実用株と同程度またはそれ以上のα-アミラーゼとグルコアミラーゼの活性を示したため,清酒用種麹としての利用が可能と考えられた.また,良質麹の指標であるG/A比では,NKK9株以外の12株は清酒用種麹より高い値を示した.これらのことから,NKK9株以外の12の分離株は,吟醸酒用の種麹としての利用が期待できる.

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