都市における就業人口の各地区間の流動を分析し, これにもとついて将来の各地区間通勤交通量を予測することは都市交通計画のもっとも大きな前提でなければならない。
本研究では各地区間交通量, きらには各交通機関の区間別通勤交通量を予測することを目的としてつぎの考察を行なった。
まず都市の通勤交通の一方向性その他の特性に着目すれば, 分布交通量を予測すべき地区の限定が可能となるとともに, 各地区の需要・供給就業人口の増分が将来の分布交通量を変化きせると考えられるので, この場合の収束計算法について考察した。
つぎに将来における就業人口の都心各地区の需要量, 近郊各地区の供給量が与えられた場合, 通勤経路としての交通網の相互依存関係をあらわす連関表を作成することににり, 交通機関, とくに高速鉄道網各区間ごとの輸送需要を推定しうることを述べる。
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