土と壁体間に生ずるスキンフリクションの軽減法として電気浸透と電解の原理とが格用できるということについて述べ, それに関する実験をいろいろな条件につてい行い, 摩擦軽減の機構や可能な軽減量および土に対する適性などの問題について考察した。本文で述べる軽減法の特長は, ガス・バルブ, ウォーター・ジェッティングおよびウォーター・アキユムレーションの効果を直流電気の適用のみで同時に発揮させうることと, 加電圧の調節だけで任意の軽減をはかりうることである。一方欠点としては, 土と水との界面性質によつて軽減効果が変わるということと危険性があるということである。
軽減の様相としていえることは, 直流電気を適用するとただちに軽減の効果が表われ, 大抵の場合, 10分以内で軽減可能な全効果が生ずる。またそれに達するまでの軽減速度は電圧の大きさで変わる。本法は付着力の大きい粘土地盤における摩擦軽減法として有効である。
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