ある不規則な変動, たとえば風速や煙の濃度などを観測するとき, これらの瞬間最大値が観測時間の長短や記録計器の感度の良否によって異なることはよく知られている。
一方, 不規則変動のいろいろな性質はRiceの雑音理論にまとめられている。観測時間の長短や記録計器の感度は, もともとの不規則変動に周波数フィルターをかけてスペクトルを変形させることに相当する。これらの理論から瞬間最大値と観測時間・評価時間の関係を導きうる。
不規則変動でそのスペクトルの性質がわりに知られており, 実際上重要なものに風の乱れ (息) がある。半理論的に突風スペクトルを導き, これをDavenportの経験式と対比しながら2, 3の実測値と比較した。
また, Davenport式および新しく導かれた式を使って突風率と評価時間との関係を計算し, 実測とくらべた。さらに, 突風率が種々の因子でどのように変化するかを計算し図示した。
最後に, 理論と実測とを対比して突風率の実用計算式および図表を与えた。この関係式は, 観測時間・評価時間の他に高さ・基準風速・地表粗度等の因子もふくんだ簡単な式型となっている。
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