比較眼科研究
Online ISSN : 2185-8446
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22 巻, 3-4 号
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総説
  • 杉山 哲也
    原稿種別: 総説
    2003 年 22 巻 3-4 号 p. 3-4_5-3-4_12
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2015/03/28
    ジャーナル フリー
    緑内障に対する治療として確立されているのは眼圧下降療法のみであるが、眼圧下降が十分達成されていても進行する症例は少なからず存在する。今後の緑内障治療薬は眼圧下降作用に加え、それ以外の作用(神経保護作用、眼循環改善作用など)についての評価も必要になってくると考えられる。眼圧下降作用の評価のために高眼圧モデルを用いるが、高眼圧モデルとしては飲水負荷、α-キモトリプシン誘発、光凝固、ステロイド投与などがある。神経保護作用の評価法としてヒトの場合は視野測定が最も重要視されるが、基礎実験では網膜神経節細胞などの培養細胞に対する保護作用、動物実験では視神経乳頭の画像解析、病理組織学的検索、視覚誘発電位などの電気生理学的検査などが用いられる。網膜・視神経障害モデルとしては視神経切断、虚血再灌流、光障害、NMDA投与などが用いられる。眼循環測定法として古典的には水素ガスクリアランス法、マイクロスフェア法などがあり、最近ではレーザードップラ法、超音波カラードップラ法、レーザースペックル法などが基礎的、臨床的に用いられている。眼循環障害モデルとしてはエンドセリン投与、一酸化窒素合成酵素阻害薬投与、視神経電気刺激などが用いられる。
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