眼科製品の非臨床試験では、日本白色(JW)種、ニュージーランド白色(NZW)種及びダッチ(DB)種の3品種のウサギがよく用いられる。眼の解剖学的特徴について品種間差や加齢変化を横断的に比較した報告は現在のところ限られている。本研究では、異なる週齢[(幼若期(6週齢)、青年期(13-22週齢)及び成熟期(80-96週齢)]におけるこれら3品種のウサギ眼の解剖学的特徴(眼球、水晶体及び硝子体の大きさ)を比較した。
その結果、眼球の解剖学的パラメータは週齢の増加に伴って3品種とも増加した。品種間で各パラメータを比較すると、JW種及びNZW種が同程度の値を示し、DB種は他の2品種に比べて概して低値を示した。眼球パラメータに品種間差が生じた原因は体重の差異のみではなかった。加齢変化に関しては、眼球の成長率に品種間差はなく、眼球は幼若期から青年期にかけての方が青年期から成熟期より著しく成長した。水晶体重量及び容積の成長率は他のパラメータより高値であった。
本研究は、ウサギの品種及び週齢に関連する眼球の解剖学的特徴の基本的な情報を提供するものであり、ウサギを用いた眼科研究において眼球サイズを考慮して試験を計画し、試験結果を正確に評価するために有用であると考えられる。
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