比較眼科研究
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20 巻, 1-2-3-4 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
原著
  • 信清 麻子, 古川 敏紀
    2001 年 20 巻 1-2-3-4 号 p. 1-6
    発行日: 2001年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    Scheimpflug撮影装置と固定式フォトスリット装置を用いて、白内障モデルラットであるUPLの細隙灯観察・撮影を行い比較検討した。画像やスリット照射について改良の余地があるものの、Scheimpflugの原理により一度の撮影で被写体面上のすべての点で焦点を合わせられること、装置の操作性が高いことなどから、Scheimpflug撮影装置は熟練者でなくても観察・記録できる装置として実験動物の分野でも有用であることがわかった。

  • 藤枝 光博, 鈴木 智, 林 修次, 古川 敏紀
    2001 年 20 巻 1-2-3-4 号 p. 7-10
    発行日: 2001年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    市販モルモット(Crj: Hartley (SPF))の眼科学的検査において、7~13週齢の雄135匹中の7匹、18~27週齢の雌20匹中の4匹で空胞性白内障が認められた。この空胞性白内障は、全例とも両側性に水晶体赤道部で認められた。なお雌1匹では、13週後の検査において空胞性白内障の消失が確認された。これらの症例では、病理組織学的所見において水晶体皮質の空胞形成が認められたが、空胞性白内障が消失した雌1匹では、水晶体皮質の空胞形成は認められなかった。

  • 渋谷 一元, 佐藤 一雄, 天野 欽博
    2001 年 20 巻 1-2-3-4 号 p. 11-14
    発行日: 2001年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    背景資料の集積を目的に、老齢、110週齢、のF344/DuCrj (F344)ラット(雄357匹、雌330匹)の自然発生眼病変を検眼鏡で検査した。眼病変の発生率は雄において19.9%および雌において20.6%であった。老齢ラットで最もよくみられた眼病変は網膜萎縮であった(雄の8.4%および雌の9.7%)。他のよくみられた眼病変は、白内障(雄の3.6%および雌の4.8%)および網膜血管異常(雄の3.4%および雌の4.6%)であった。虹彩腫瘍が1匹の雄ラットに観察された。観察された他の眼病変には、全眼球炎、角膜混濁、球状角膜、網膜出血、網膜黄疸、水腫性視神経乳頭および脈絡膜萎縮が含まれた。老齢F344ラットにおける眼病変の発生率は、若齢-成熟F344ラットのそれらに比較して明らかに高かった。これらの結果は、老齢F344ラットの自然発生検眼鏡検査病変の特徴を明らかにすることに寄与すると考えられる。

  • 渋谷 一元, 杉本 加代子, 佐藤 一雄
    2001 年 20 巻 1-2-3-4 号 p. 15-19
    発行日: 2001年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    57および109週齢のCrj: CD (SD) IGS (IGS)ラット(57週齢雌雄各20匹、109週齢雄17匹雌29匹)の自然発生眼病変を病理組織学的に検査した。57週齢において、角膜上皮基底膜における好塩基性物質の局所性沈着を特徴とする角膜変性が雌雄ラットに観察された。前網膜細動脈ループ、網膜異形成ならびに辺縁性および瀰漫性網膜変性が57週齢雌ラットに認められた。109週齢では、角膜変性、白内障、辺縁性および瀰漫性網膜変性が雌雄ラットに観察された。109週齢ラットにおける角膜変性の発生率(雄11.8%、雌41.4%)は57週齢ラット(雄50.0%、雌75.0%)に比較して有意に低かった。これに対して、109週齢ラットにおける網膜変性の発生率(雄52.9%、雌75.9%)は57週齢ラット(雄0%、雌30.0%)に比較して有意に高かった。これらの結果は、老齢IGSラットの自然発生眼病変の特徴を明らかにすることに寄与すると思われる。

  • 稲垣 覚, 久野 博司
    2001 年 20 巻 1-2-3-4 号 p. 21-25
    発行日: 2001年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    自然発生眼病変の発生時期および頻度について、雌雄各150匹のCrj: CD (SD) IGS系ラットを用いて1年間に亘り調査した。0.5%トロピカミドを点眼し散瞳させた後、倒像検眼鏡およびスリットランプを用いて眼科学的に観察した。その結果、観察された自然発生眼病変は、従来から報告されているSprague-Dawley系ラットの眼病変とほぼ同様であり、角膜混濁および水晶体混濁の観察頻度は経時的に増加していた。また、Crj: CD (SD) IGS系ラットに観察された水晶体前部の被膜下の混濁は、新たな自然発生眼病変であると考えられた。

  • 斎藤 陽彦, 小谷 忠生
    2001 年 20 巻 1-2-3-4 号 p. 27-30
    発行日: 2001年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    イヌにおけるフェノールレッド綿糸法の測定結果について検討した.涙液量の正常なイヌの綿糸法測定値は、分布の正規性とシルマーテストと同等の変動係数(シルマーテスト14%、フェノールレッド綿糸法12%)を示した。一方、涙液量に変動の大きいイヌでは、フェノールレッド綿糸法値とシルマーテスト値との間に、かなり相関がみられた。また、綿糸法では測定時間が15秒間と短いため、シルマーテストに比べ測定は容易であった。以上の結果から、イヌにおいてもフェノールレッド綿糸法は涙液の量的評価法として有用と考えられた。

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