本研究では文章課題を含む音読課題及び視機能評価の実施を通して,読みに困難のない日本人児童と外国にルーツを持つ児童の読みの違いを明らかにすることを目的とした。 第1学年~第6学年の読みに困難のない日本人児童30名と,外国にルーツを持つ児童(漢字を母語に持たない)11名に対して,眼球運動及び読み能力を測定した。 その結果,外国にルーツのある児童は,読みに困難のない日本人児童と比べて,眼球運動は,停留時間が長くなり,読み能力は,正確に読むことができず,音読時間・音読潜時が長くなることが明らかになった。一方で,文字通り音読することについては,読みに困難のない日本人児童と漢字を母語に持たない外国にルーツのある児童との間で,大きな違いはないと考えられた。
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