廃棄物学会論文誌
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12 巻, 2 号
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論文
  • 田崎 智宏, 小口 正弘, 亀屋 隆志, 浦野 紘平
    2001 年12 巻2 号 p. 49-58
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    循環型社会形成推進基本法の成立, 家電リサイクル法の施行等によって, 使用済み耐久消費財のリサイクル・適正処分等が求められてきている。これらの対策を計画するうえで, 使用済み製品の発生台数の信頼度の高い将来予測が必要になる。本研究では, 出荷台数, 保有台数, 使用年数分布から将来の使用済み耐久消費財の発生台数を予測する方法を提案した。予測に必要となる保有台数の経年変化はロジスティック関数, 使用年数分布はワイブル分布関数を用いてそれぞれ解析を行うとともに, それらの結果を用いて, 乗用車と全自動車, およびテレビ, エアコン, 冷蔵庫, 洗濯機, 掃除機, 電子レンジ, VTRの7種類の家電製品の2020年度までの使用済み製品の発生台数を予測した。また, エアコンを例に平均使用年数が変化した場合の予測を行い, 提案した方法の有用性を示した。
  • 小出 良幸, 山下 浩之
    2001 年12 巻2 号 p. 59-67
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2010/12/08
    ジャーナル フリー
    焼却灰処理の有力な方法として溶融・固化があげられる。焼却灰は, カレットとの混合溶融から固化によって, 岩石類似の組織を形成することが判明した。本稿では, 焼却灰とカレットの混合溶融による固形物 (焼却灰溶融物) の生成プロセスを記述し, 焼却灰溶融物について岩石学的鉱物学的記載と化学組成分析をおこなった。さらに, このような基礎データをもとにして, 焼却灰溶融物と天然石との比較やSiO2-CaO-Al2O3状態図における検討をおこない, 焼却灰とカレットの混合比や微量成分の含有量, 素材としての用途について岩石学的評価をおこなった。
  • 天野 耕二, 村田 裕樹
    2001 年12 巻2 号 p. 68-74
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    散乱ごみの分布特性や蓄積要因について定量的に検討された事例は少なく, モラルの向上といった意識問題以外には有効な散乱防止施策に結びつくような検討もあまりなされていない。本研究では, 散乱飲料容器ごみの分布特性を空間的かつ時系列的に分析することにより, 散乱ごみの発生と集積に影響する様々な要因について定量的に検討した。調査対象地域に滋賀県草津市の駅前通りの歩道 (総延長約1.52km) を選定し, デジタルカメラを使用した精細な計数方法により3カ月間に毎週2回で計25回の散乱飲料容器増減数調査を行った。調査地域を16区画に分類して分析した結果から, 空き地・駐車場前における散乱ごみ現存数が一般住宅や店舗の前と比較して3倍程度になること, 週末の散乱ごみ新規発生数が平日の値の2倍近いこと, 現場に残留している飲料容器ごみの数量が散乱飲料容器ごみの新規発生と集積に有意に寄与していることがわかった。
  • 遠藤 琢磨, 八幡 大介, 藤原 俊隆
    2001 年12 巻2 号 p. 75-81
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    固体状の有害有機化合物を衝撃圧縮によって瞬時に化学的に分解する新しい処理技術に関して, その処理技術の原理および実証実験の結果を記述した。この処理技術は, 分解すべき標的物質を衝撃波反射容器に封入し, これに高速の飛行体を衝突させ, 標的物質を超高圧状態に衝撃圧縮して瞬時に化学的に分解するものである。この技術の実現可能性を実証するため, 1, 3, 5-トリクロロベンゼンを標的物質として分解実験を実施し, これに成功した。また実験では, 衝撃波反射容器の壁厚に対する分解率の依存性も調べた。実験の結果, 標的物質の分解率は衝撃波反射容器の壁厚に対して強い依存性を示し, その依存性は, 流体力学的な考察により, 本分解技術の動作原理と矛盾なく, 定性的に, 理解できた。
研究ノート
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