硫黄酸化細菌 (SOB) と粒状活性炭 (GAC) とを併用した処理方法が写真廃液の陸上処理プロセスとして提案されている。本研究ではSOB/GACを用いた写真廃液の連続処理におけるGACの破過挙動について検討し, GACは生物活性炭として廃液中の阻害物質を吸着することにより, SOBの酸化活性を促準するという仮説を実証した。400日間にわたる写真廃液の連続処理実験において, 負荷量を0.8~3.7kg-S
2O
32-/1/d, 滞留時間 (HRT) を7.7~1.9日で検討した場合, 約3ヶ月~4ヶ月のサイクルでpHが上昇し, 流出水中のDOC, S
2O
32-が徐々に高くなり, 生成するSO
42--Sが除去されたS
2O
32--S量の半分になり, 処理効率が悪化した。このような現象が400日間の連続処理において3回観察され, いずれも槽中のGACを更新することにより, 処理効率は直ちに回復することが確認された。これは廃液中のGACは連続処理の進行に伴い吸着と生物再生を並行しながら飽和状態に達し, GACが生物による再生が不可能な破過状態となったためと考えられた。そこで, 連続槽中から取り出したGACの吸着能力および新しいGACとの比較実験を行った。その結果, 連続槽から取り出したGACは新たな吸着能力がなく, 破過状態であることが明らかにされた。
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