現在, 多数の生ごみ処理装置が市販されているが, 分解基材 (菌床) には, 多くの場合, 木質チップが利用されている。しかし, 木質チップは, 分解が遅く, 生ごみ分解処理後, 堆肥として利用するには, 長期の追熟期間を要することになる。
このため, 園芸資材を中心に生ごみ処理装置における各種資材の菌床としての適性の検討および生ごみ処理装置に用いる菌床の作成を検討した。
23種類の資材について菌床としての特性について検討をおこなった結果, アンモニア揮散抑制効果等の面から資材特性を把握, 分類することができた。
続いて, 生ごみ処理に適した菌床の作成を目的として, その中からバーク堆肥, ベラボン, バーミキュライト, これに水分吸収剤を加えた特性の異なる4資材を用い, L-16直交表に基づいて, 資材を組み合わせて混合した試験区を設定し, 試験をおこなった。
試験期間の前期, 中期, 後期よりそれぞれデータを抽出し, それぞれ要因解析をおこなった結果, 全期を通して, バーク堆肥はアンモニア揮散抑制への寄与, ベラボンは資材の攪拌性能向上への寄与が高いことが示された。これに対し, バーミキュライトは, 攪拌性能の低下, アンモニア揮散の増加が生じる傾向にあった。水分吸収剤については, 中期に良い傾向がみられたが, その効果は, 短期間で消失する傾向にあった。
以上の結果からバーク堆肥とベラボンを主体とした混合によって生ごみ処理に適した菌床の作成が可能と考えられた。
また, 前試験の結果からバーク堆肥とベラボンの混合比を検討した結果, 菌床としては, アンモニア揮散抑制の面からバーク堆肥1/4以上, 攪拌性能の面からベラボン1/4以上の混合が適当と考えられた。
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