可視化情報学会誌
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35 巻, 138 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
特集記事
  • 小池 俊輔, 高橋 俊
    2015 年 35 巻 138 号 p. 1
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/07/01
    ジャーナル フリー
  • 長谷 卓
    2015 年 35 巻 138 号 p. 2-7
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/07/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
     航空機の開発では,空力,構造,装備等の多岐に渡る検討が必要になるが,特に空力では,性能,安定・操縦性,空力荷重等に関連する空力設計や空力特性改善のための空力デバイス検討が主に実施されている.それらの空力設計,空力デバイス検討には数値流体解析(CFD; Computational Fluid Dynamics)と併せて風洞試験(WTT; Wind Tunnel Test)が広く利用されており,両者から取得されるデータを組み合わせて航空機の空力設計が実施されている.特に風洞試験では縮尺模型を風洞にセットして試験を行い,模型に内蔵した各種計測機器を利用して機体に作用する6分力(3軸まわりの力及びモーメント)や空力舵面に作用するヒンジモーメント,機体表面圧力といった空力データを取得し空力設計に供しているが,機体周りの流れの様相を正しく理解することは空力設計には不可欠なものであり,境界層の特性,剥離の規模,衝撃波の位置といった流れの現象を明らかにした上で,各種計測機器にて取得した空力データを正しく使用することが重要である.航空機開発の風洞試験では,機体周りの流れを把握するため,古くから気流可視化試験が実施されてきており,航空機空力設計において重要な要素技術の一つとなっている.本稿では,航空機開発風洞試験で実施される気流の可視化試験について,従来実施されてきた可視化技術や近年実用化されてきている可視化技術の代表例を紹介し,今後航空機開発としての可視化技術に期待される事項をまとめる.
  • 山﨑 渉
    2015 年 35 巻 138 号 p. 8-13
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/07/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
    空気抵抗分解法とは数値流体解析結果から空気抵抗を物理要因ごと(造波・粘性・誘導抵抗)に評価できる手法であり、航空機の形状設計における空気抵抗低減効果の検討において有用な手法である。空気抵抗分解法では、空気抵抗が流れ場における積分の形式で評価されるため、抵抗要因成分を流れ場に可視化する事も可能である。これらの特長により、空気抵抗低減効果の定量的な考察及び可視化による抵抗低減効果の直感的な理解が可能であり、これらは航空機形状の最適設計過程において詳細な考察を行う上での有用なツールとなりうる。本稿では二次元翼型形状及び航空機翼端デバイス形状の最適設計における活用事例を紹介する。また、空気抵抗分解法及び応答曲面法による近似モデル技術を活用した設計空間の可視化及び設計知見の抽出についても紹介する。
  • 中北 和之, 栗田 充
    2015 年 35 巻 138 号 p. 14-19
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/07/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
     実飛行環境で航空機の主翼上の圧力分布及び主翼の曲げ・ねじり変形量を光学計測によって定量的に取得する技術であるフライトPSP計測技術と主翼変形量計測技術の2つの計測技術について紹介する。
     フライトPSP計測は風洞試験でのPSP計測技術を飛行試験に拡張し、主翼にPSPシートを設置し、キャビン窓からPSPシートを計測する。迷光対策としての背景減算や、温度補償機能を持つ2-color PSPの導入によって、PSP計測としては圧力変化の小さい2~3kPa程度の圧力分布が飛行環境下で定量計測できている。
     主翼変形量計測は主翼上にターゲットを設置し、ステレオ構成カメラによってターゲット位置の3次元計測を行った上で、地上と飛行条件の間の位置変化を変形量として計測するものである。1G水平飛行での翼端変形量約50mm、ねじり角変形量0.5°程度との定量計測ができており、1.4G及び2G旋回飛行でも荷重倍数に比例した変形量が捉えられている。
  • 立花 繁
    2015 年 35 巻 138 号 p. 20-25
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/07/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
    航空用・地上用ガスタービンエンジンの低エミッション燃焼器開発において,燃焼振動の抑制が主要な技術課題となっている 1).燃焼振動の発生は大振幅の圧力振動を伴いエンジン構造部品の疲労破壊へと繋がる可能性がある.そのため,圧力振動レベルを許容値以下に収めることが,燃焼器開発に必須の要求性能となっている.現象の性質から,熱音響不安定とも呼ばれ,燃焼器内の火炎発熱変動と燃焼器を含む系の音響的な変動(圧力・速度変動)との相互干渉によって不安定が引き起こされる. JAXAでは,燃焼安定性診断技術や燃焼安定化技術等,燃焼振動問題解決のための研究開発を進めている.本稿では,このうち診断技術にテーマを絞って最近の研究例を紹介する.圧力変動時系列計測と内部流光学計測との同期計測によって,燃焼器内のどこに燃焼振動の原因があるのかの特定を行う.大気圧ガスタービンモデル燃焼器の可視化診断の例を述べた上で,実際の航空エンジン用燃焼器試験での可視化診断例を紹介する.
  • 平野 義鎭
    2015 年 35 巻 138 号 p. 26-31
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/07/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
     本研究では,異なるひずみ速度におけるCFRPの破壊挙動および破壊に至るまでの材料表面の大域的な変形挙動の把握を目的として,高速度撮影によるその場観察と、DIC (Digital Image Correlation)法によるひずみ分布変化の取得を試みることにより,その適用可能性を検討した.0°, ±45°, 90°で構成される試験片に対し,ひずみ速度依存性が生じる1.0×102s-1 から 5.0×102 s-1までの範囲における異なるひずみ速度で引張試験を行い,その破壊挙動を高速度撮影により観察可能であることを示した.その結果,引張強度と破断ひずみはひずみ速度依存性を示すが,観察された破壊挙動にひずみ速度の違いによる有意な差は計測されなかった.また,材料破壊直線までの高速度撮影結果にDICによるひずみ解析を適用する事により,材料の不均一性に起因した局所的なひずみの増大を測定可能であり,これによって破壊直前の供試体のひずみ分布と,最終的な破壊挙動を関連づけて評価可能となる事を示した.
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