水資源・環境研究

環境リスク―機能論と意味論

末石冨太郎

1996 年 1996 巻 9 号 p. 1-4
発行日: 1996/12/25
公開日: 2009/04/22

DOIhttps://doi.org/10.6012/jwei.1996.1

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

この論説は、水資源計画や環境計画を成熟させるために、リスク管理の諸問題をできるだけ広範にとらえ、最近の新しい論考をも参考にしながら、環境リスクの総説を試みたものである。副題の「機能論」は、わが国で「リスク=危険」と短絡され、危険回避のための安全対策や組織編成が常に決定論的に取り扱われるのを批判することを表し、これに対して「意味論」は、環境システムないしは人間生態系を人文社会的な連関をも含めた複雑系として認識する立場でこそ、リスク=Σ[損失×発生確率]を軽減する多様な接近が可能なことを表している。全体を通じての最も重要な切り口は、リスクの受容/管理に関する主体の問題と小説家の役割をも含んだリスク情報システムの新しい展開である。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (258K)
水環境社会資本の危機対応

(水道施設について)

小林三樹

1996 年 1996 巻 9 号 p. 5-11
発行日: 1996/12/25
公開日: 2009/04/22

DOIhttps://doi.org/10.6012/jwei.1996.5

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (536K)
化学物質の環境リスク分析における不確実性の処理

決定支援ソフトウエアDemosを用いた分析例

東海明宏

1996 年 1996 巻 9 号 p. 12-18
発行日: 1996/12/25
公開日: 2009/04/22

DOIhttps://doi.org/10.6012/jwei.1996.12

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

化学物質の環境リスク分析において用いられた各種の仮定やモデルパラメータ等の不確実性の処理は、計算結果の信頼性を評価する上で重要である。また、データ収集・整理、モデル構築、シミュレーション実施、結果の評価という順に判断プロセスの占める割合が多くなるにつれて、モデルの構造を関連する人々に明瞭に伝えることで結果に説得性をもたせてゆくことが重要である。本論文では、そのために開発された支援ソフトウエア「Demos」を用いて化学物質の環境リスク分析を行った例を示しながら、上記の論点について考察する。例として、底泥に残留し水生生物を食品として摂取することで曝露をうけるクロルデンの健康リスクをとりあげる。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (642K)
環境問題のリスク/ベネフィット分析

岡敏弘

1996 年 1996 巻 9 号 p. 19-25
発行日: 1996/12/25
公開日: 2009/04/22

DOIhttps://doi.org/10.6012/jwei.1996.19

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (510K)
企業における環境リスクとリスク・マネジメント

後藤敏彦

1996 年 1996 巻 9 号 p. 26-33
発行日: 1996/12/25
公開日: 2009/04/22

DOIhttps://doi.org/10.6012/jwei.1996.26

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

1996年秋には、環境マネジメント・システムの国際規格が発行される予定である。これと環境リスクおよびリスク・マネジメントの関係を考えてみた。最初にリスク・マネジメントについて概説し、次いで、環境リスクとは何か、とくに地球環境リスクについて例をあげ、リスク・マネジメントのどの類型に該当するかを考えた。
ISOの環境マネジメント・システム規格の経緯を概観し、これが地球環境リスクのリスク・マネジメントに有効に機能するものかどうか、機能させうるとすればその条件は何かを考察する。
なお、文中*マークに数字を付したものは参照文献を示している。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (443K)
環境管理システム・監査の国際規格(ISO-14000)の動向とその対応

田村徹

1996 年 1996 巻 9 号 p. 34-44
発行日: 1996/12/25
公開日: 2009/04/22

DOIhttps://doi.org/10.6012/jwei.1996.34

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (763K)
水害からの復興

コミュニティの内発力をめぐって

山崎憲治

1996 年 1996 巻 9 号 p. 45-56
発行日: 1996/12/25
公開日: 2009/04/22

DOIhttps://doi.org/10.6012/jwei.1996.45

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

水害は異常な自然現象をもととする社会現象である。水害では、それぞれの時代・社会・地域が抱えている課題や矛盾が顕在化する。これは社会的弱者に被害が集中することに、端的に示されている。戦後の日本の水害には、4つの被害金額のピークが現れている。ピーク時期それぞれは、水害に関して異なる社会的背景を持つものである。水害対応を、河川の大型構造物建設にのみ依存することはできない。これは建設費を次世代にかぶせるばかりか、コミュニティと河川を切り離す結果を生んでいる。水害は他の災害と同様、警戒・衝撃・復興という全体像でとらえなくてはならない。どの段階でも、コミュニティ側の内発的駆動力と、外部からの支援・援助の力が、プラスの方向で一致して働いたとき、有効な対応が生まれている。防災から町づくりまで、あらゆる場面でvulnerabilityの克服を実現するには、内発的駆動力がどのように展開するかが課題である。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (895K)
地域における伝統的資源の保全に関する研究

中国三江地方の屋根つき橋のケース

出田肇

1996 年 1996 巻 9 号 p. 57-62
発行日: 1996/12/25
公開日: 2009/04/22

DOIhttps://doi.org/10.6012/jwei.1996.57

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (2608K)

J-STAGEへの登録はこちら（無料）