水資源・環境研究
Online ISSN : 1883-9398
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38 巻, 1 号
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研究ノート
  • 原田 禎夫
    2025 年38 巻1 号 p. 1-5
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/06/27
    ジャーナル オープンアクセス
    水質汚染や乱獲、プラスチック汚染など海をめぐる環境問題は深刻化する一方である。こうした問題の解決に大きな示唆を与えるのがコモンズ論である。誰のものでもないコモンズは、合理的な個人の自由な利用の結果、「コモンズの悲劇」に陥るとされてきたが、実際には人びとの自主的な管理により良好な環境が守られてきた事例も数多く存在する。  本稿では海の環境保全について、オストロム(1990)によるコモンズのガバナンスの議論をもとに、どのような社会的な仕組みづくりが必要なのか考える。古くは入浜権、あるいは最近では里海の概念で示されるような地域レベルでの海の管理から、水産資源やプラスチック汚染のような国際的な海の管理に至るまで、従来の政府による規制や市場機構を基盤としたアプローチに加えて、コミュニティ・ベースのアプローチの重要性を概観し、「コモンズとしての海」をどのようにして守ることができるのか、その課題と可能性を考える。
  • NPO法人「びわこ豊穣の郷」の会員アンケート調査の結果から
    山添 史郎, 野田 浩資
    2025 年38 巻1 号 p. 14-22
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/08/05
    ジャーナル オープンアクセス
     水環境をめぐる自然体験の豊富な世代が年齢を重ねていく中にあって、水環境を保全する活動をどのように継承していくかは、重要な課題となっている。本稿では、滋賀県守山市のNPO法人「びわこ豊穣の郷」を事例として、会員アンケート調査の結果をもとに、会員を水環境をめぐる自然体験が豊富な層と希薄な層に区分し、それぞれにどのような特性を有し、どのような人たちが活動に参加しているかを明らかにすることを課題とする。  会員アンケート調査について分析を行った結果、「びわこ豊穣の郷」においては、水環境をめぐる自然体験が豊富な層では、高齢層の割合が高くなっており、希薄な層では、より若い世代の割合が高くなっていた。水環境をめぐる自然体験が希薄な層のうち活動参加層では、入会理由において「ホタルなど水辺の生き物への関心」が高くなっており、社会的ネットワークが比較的豊富になっていた。水環境をめぐる自然体験が希薄な層に対しては、身近な水路や河川等で生き物と触れ合える活動を積極的に展開し、情報発信を行っていくことや、子育て世代のネットワークを通じて、活動の輪を広げていくことが有効であろう。
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