水資源・環境研究
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研究ノート
  • 原田 貞夫
    2025 年38 巻1 号 p. 1-5
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/06/27
    ジャーナル オープンアクセス
    水質汚染や乱獲、プラスチック汚染など海をめぐる環境問題は深刻化する一方である。こうした問題の解決に大きな示唆を与えるのがコモンズ論である。誰のものでもないコモンズは、合理的な個人の自由な利用の結果、「コモンズの悲劇」に陥るとされてきたが、実際には人びとの自主的な管理により良好な環境が守られてきた事例も数多く存在する。  本稿では海の環境保全について、オストロム(1990)によるコモンズのガバナンスの議論をもとに、どのような社会的な仕組みづくりが必要なのか考える。古くは入浜権、あるいは最近では里海の概念で示されるような地域レベルでの海の管理から、水産資源やプラスチック汚染のような国際的な海の管理に至るまで、従来の政府による規制や市場機構を基盤としたアプローチに加えて、コミュニティ・ベースのアプローチの重要性を概観し、「コモンズとしての海」をどのようにして守ることができるのか、その課題と可能性を考える。
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