水資源・環境研究
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2000 巻, 13 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 河内 俊英
    2000 年 2000 巻 13 号 p. 1-8
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    これまでの環境汚染では、汚染濃度として考慮に入らない低い10億分の1(ナノグラム:ng)や1兆分の1(ピコグラム:pg)の濃度で動物の生殖機能や行動に影響の出る可能性が心配されている内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)がある。この環境ホルモンの疑いのある物質のうち水環境で魚類への影響が疑われている、アルキルフェノール類について調査した。また建設省の調査結果との比較も行った。調査の結果、自治体(久留米市)の一般廃棄物最終処分場からあふれた、ゴミに触れた雨水から、久留米市内(瀬の下地点)の筑後川での検出濃度に比べて6,000倍レベルの高濃度のビスフェノールAが検出された。
    また、筑後川のコイとフナで、雄のメス化を示す指標であるビテロゲニンが検出されている。
  • 劉 庭秀
    2000 年 2000 巻 13 号 p. 9-16
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    廃棄物政策の基本方針は、排出量の抑制、再利用、再資源化であるが、これらの政策をより有効にするためには、正確な廃棄物データの把握、政策評価が重要である。
    本研究では、組成データと発熱量や大気汚染との関係を把握し、それらの項目が廃棄物処理政策にどのような影響を与えるかを分析することが目的である。元素別組成データから発熱量や二酸化炭素の排出量を推定した結果、一般廃棄物の分別政策・組成の違いは、発熱量や二酸化炭素排出量に密接な関係があり、これらのデータ分析は、重要であることがわかった。特に元素別組成データの分析は、焼却、資源化の政策評価に有効であり、今後廃棄物情報に関するデータベース構築とともに、関連する情報システムとの連携を進めるべきである。
  • 客野 尚志
    2000 年 2000 巻 13 号 p. 17-26
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    水のある空間は、様々な機能を有しており、それらの多くは人間の身体感覚(認識)を拡張し、同時に人間の行動の可能性をも拡張すると考える。このように拡張された感覚と行動は、環境への働きかけの媒介としての人間の身体性、あるいは環境の受容器としての人間の身体性の意味を拡張するといえる。そして、この身体性の拡張は、身体を通して解釈される環境の像にも影響を与えると考えられる。
    そこで、本研究においては、水のある空間が作り出す機能のうち人間の身体に関連するものを整理あるいは総括した上で、それぞれの機能を必要な空間的要因や社会的要因などと関連づけることによって、都市における身体性拡張装置としての水のある空間の意義を指摘したい。なお、議論においては、近江八幡市の八幡堀や兵庫県三田市の都市近郊のため池群などを対象とした現地調査やアンケート、ヒアリング調査などを事例に進めてゆく。
  • 大上 博基
    2000 年 2000 巻 13 号 p. 27-34
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    植生や水辺からの蒸発散は、私たちが住む地域にとって、消費水量としての側面と熱環境を緩和する役割を併せもつ。本稿では、農地による熱環境緩和効果の定量的な評価を目的として、以下のことを明らかにした。(1)蒸発散によって地表面近くの熱環境を緩和する真夏の正午頃における水田の能力は、家庭用のエアコンが2~3m四方の地面に一台の割合で設置された状態に相当する。(2)水田は、湛水条件とイネの気孔開度の影響で表面の水分が比較的高く、植生の空気力学的特性によって熱や水蒸気の輸送能力が高いという二つの効果がはたらくため、水面、裸地、畑地よりも表面温度を低く抑制する。また、蒸発散による消費水量あたりの熱環境緩和効果は、水面や裸地よりも植生面のほうが高い。(3)潅漑農地は、風上の裸地や舗装地から輸送された熱の吸源になり、その風卞に大気の冷却効果をもたらす。その効果がローカルスケールで定量化できた。
  • 中島 峰広
    2000 年 2000 巻 13 号 p. 35-41
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
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