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田中 慶吾, 茂田 正哉, 田中 学
p.
2-3
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
ティグ溶接中における電極消耗メカニズムの解明を目的とし,溶接直後の電極断面に対する元素分析を実施した.溶融池表面から発生する金属蒸気がタングステン電極表面まで輸送されるとき,堆積した金属蒸気のタングステン電極に対する拡散によって電極の融点が動作温度以下にまで低下しうるため,電極消耗が促進されることが明らかになった.
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江田 賢司, 荻野 陽輔, 浅井 知, 佐野 智一
p.
4-5
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
ガスメタルアーク(GMA)溶接は,産業界における幅広い需要のため,プロセス向上への要求も高い.溶接結果は熱源であるアークプラズマ特性に大きく左右されるため,その支配因子の解明を試みる研究が数多くなされている.数値シミュレーションは非常に有効な手法だが,全てのGMA溶接モデルにおいてアークプラズマの熱・化学平衡を仮定している.そこで本研究では,GMA溶接におけるアークプラズマの非平衡モデリングに取り組んだ.
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佐藤 祐理子, 江田 賢司, 荻野 陽輔, 浅井 知
p.
6-7
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
ガスメタルアーク溶接における短絡移行モードの動的特性をVolume of Fluid法に基づいた数値解析モデルによって分析し,橋絡液柱の破断可否は軸方向流れと毛管圧力のバランスによって決定されることを明らかにした.電流波形ならびにワイヤ送給速度の同時制御効果は複雑な表面形状全体を見ることなくピンチ半径の時間変化のみを追跡することで簡易的に説明することができる.加えて,本研究では最適な制御タイミングについて検討した.
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古免 久弥, 馬塲 勇人, 門田 圭二, 恵良 哲生, 田中 学, 寺崎 秀紀
p.
8-9
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
アーク圧力分布や溶滴の輸送位置が高電流GMA溶接中の埋もれ空間形成に及ぼす影響を明らかにするため,非圧縮性SPH法による数値計算を行った.その結果,電圧振幅制御を模擬した計算条件では,制御をしないドロップ移行のみの計算条件で見られた埋もれ空間の崩壊は生じなかった.これはローテティング移行時に高い圧力が埋もれ空間側面に作用することで,崩壊が生じる前に埋もれ空間が押し広げられるためであることが明らかとなった.
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芹澤 久, 宮坂 史和
p.
10-11
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
これまで開発してきた点熱源分布を含んだ三次元非定常熱伝導モデルについて、材料表面からの入熱、および溶融池表面へのアークの圧力を示す熱源モデルを、従来の円筒形から円錐形に改良した解析モデルを開発した。そして、開発した解析モデルを用いて、水平隅肉MAG溶接継手における溶け込み形状を予測した結果、これまでは溶け込み形状の再現に解析において必要であったアークの狙い位置の調整が、不必要となる結果を得た。
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HAMED ZARGARI Habib, Kazuhiro ITO, SHARMA, Abhay
p.
12-13
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
A three-dimensional model of the tandem-pulsed GMAW process is simulated to investigate the heat transfer and material flow in the presence of vibration and the surface tension active elements.
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山下 悠登, 茂田 正哉, 田中 学, 上月 渉平, 岡部 能知, 伊木 聡
p.
14-15
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
直流正極性での炭酸ガスアーク溶接において,表層部または中心部に希土類金属を偏在させたワイヤを用いた場合のアークプラズマに対して分光分析を行い,温度分布および鉄蒸気濃度分布を計測した.表層部に希土類金属を偏在させた場合,ワイヤ直下に鉄蒸気が集中し,アーク外縁部に比べて低温となった.アークの硬直性が強くなっていたことから,より速いプラズマ気流が誘起されることで鉄蒸気の拡散が抑制されたと考えられる.
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-超高速ワイヤ送給GMA 溶接システムの開発(第四報)-
馬塲 勇人, 五十嵐 友也, 門田 圭二, 恵良 哲生, 田中 学
p.
16-17
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
厚板溶接では,ビード外観やアーク安定性に優れた種々のフラックス入りワイヤが用いられている.フラックス入りワイヤは幅広い電流範囲で使用されるが,500A以上の高電流溶接に適用した知見は少ない.本稿では,高電流溶接システムを用いて,500A以上の高電流溶接へのメタル系フラックス入りワイヤの適用による厚板高能率溶接法を開発したので報告する
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-外部磁場がアークの形状およびビード形状に及ぼす影響-
松田 昇一, 棚原 靖, 田中 学
p.
18-19
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
ガスメタルアーク(GMA)溶接は,一般に溶着速度が速く,溶込みが深い高能率な溶接法である.しかしながら電極が溶融することから,熱源が時間的・空間的に変動し,アークが不安定になる.そのためスパッタが発生しやすくなり,溶接欠陥が生じやすい.そこで我々は,外部磁場(直流または交流)を用いてGMA溶接のアークの安定化を試みた.本研究では外部磁場がアーク形状およびビード形状に与える影響を報告する.
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Seong Min HONG, 田代 真一, 田中 学, Hee-Seon BANG
p.
20-21
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
Experimental and numerical investigation for joining of AA5052 and GA steel in lap joint by DC pulsed MIG using AA4043 filler wire. The thermal analysis is validated with the corresponding experimental results.
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兵間 賢吾, 田辺 祥大, 猪瀬 幸太郎
p.
22-23
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
従来,シールドガスに100%Arを使用したMIG溶接は,アークのふらつきにより施工が困難とされてきた。本研究では,交流パルスMIG溶接を採用し,100%Ar下でのアークの安定性の向上を検討した。また,本手法をNi基溶接材料の肉盛溶接に適用し,施工の成立性および希釈率の評価を行った。
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佐々木 智章, 和田 勝則
p.
24-25
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
新開発のキーホール溶接向けTIG溶接トーチは、特殊な冷却方法とガスシールド方法を採用することで、従来のTIG溶接電源でキーホール溶接が可能となる。本トーチは、溶接中のタングステン電極の先端部を効率良く冷却する機能を有しており、大きな熱的ピンチ効果が得られる。この冷却作用により、電極の消耗が減少することで、肉盛溶接等の長時間溶接にも適している。
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岩田 匠平, 木谷 靖, 伊木 聡
p.
26-27
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
レーザ・アークハイブリッド溶接の課題である多量のスパッタ発生を低減することを目的として、アーク特性の差異による溶滴移行形態およびスパッタ発生量の変化を評価した。REM添加ワイヤ使用の正極性アーク溶接を適用したレーザ・アークハイブリッド溶接は、一般的なMAG溶接を適用した場合と比べ、スパッタ量を1/5まで低減でき、溶滴移行形態がプロジェクト移行となることにより大径のスパッタの大幅な低減が確認された。
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-Crを挿入した異材溶接継手の継手強度を確保できる溶接条件範囲の検討-
瀬渡 直樹, 立花 晃一, 長谷 泰治, 上瀧 洋明
p.
28-29
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
純Crをインサート材としたチタンと鉄の異材接合では、レーザの狙い位置を制御すれば溶接金属部に金属間化合物を生成せず、良好な溶接ができることを前報で報告した。しかし、異種材の突合せレーザ溶接は、材料の融点や熱伝導等の違いにより、非対称に溶融することが多く、それも考慮しないと良好な溶接は困難である。そこで本報では、Ti-Cr異材レーザ溶接で良好な継手を得るために着目すべき項目をプロセス面から検討した。
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久保 貴寛, 桑嶋 孝幸, 園田 哲也
p.
30-31
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
前報では、ニオブをレーザ溶接すると、活性金属のため、溶接中にO、N等のガス成分を吸収し、溶接金属硬さ等の機械的特性に影響を与えることを報告した。本研究では、レーザ溶接でニオブとチタンを異材溶接し、溶接条件が溶接部組織や機械的特性等に与える影響について報告する。
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- 高出力半導体レーザとホットワイヤ法を用いた鋳鋼狭開先多層溶接技術の開発(第1報)-
丸本 啓太, 山本 元道, 藤永 晃, 中嶋 徹, 高橋 毅, 山本 光
p.
32-33
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
本研究では,ワイヤを通電加熱した状態で送給するホットワイヤ法と高出力半導体レーザを用いたホットワイヤレーザ溶接法を用い,鋳鋼狭開先溶接技術の開発を行っている.本報では,高張力鋼を用い,レーザ溶接としては幅広な開先幅9mmの継ぎ手に対しての適正条件の導出を行った.溶接速度0.25m/minにおいて従来溶接法と同等の溶着量を得ることができ,健全な多層溶接継手を作製することができた.
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島岡 淳, 芹澤 久, 佐藤 雄二, 塚本 雅裕, 野澤 貴史
p.
34-35
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
最大出力100Wの青色半導体レーザ二本と、最大出力50Wの赤外線半導体レーザ四本とを複合させたマルチレーザ集光システムを用いて、タングステン基材への純銅粉末の肉盛り接合体作製試験を行った。その結果、タングステン基材が大きい場合には、タングステンの熱容量が大きいために、連続的な銅肉盛り接合体を作製することはできなかったが、基材の幅を小さくすることで、連続的な銅肉盛り接合体を作製することができた。
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平田 亮介, 川上 博士, 尾崎 仁志
p.
36-37
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
レーザ焼入れは鋼を硬くする方法の一つであり,低炭素鋼において過去の研究で試験片表面に炭素粉末を塗布しレーザ焼入れを行うことで,鋼板内部に炭素が混入し硬さを増加させられることが確認されている.同一実験条件において,中炭素鋼への効果は確認されていない.本研究は本手法による各炭素鋼への影響を溶融部内の照射速度を変化させた実験によって明らかにすることを目的とする.
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高原 渉, 本條 直, 廣瀬 明夫
p.
38-39
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
鉄およびアルミニウムのナノ液滴粒子を対象に、分子動力学シミュレーションを行い、ナノ粒子内の圧力を評価した。半径数ナノメートルの金属液滴粒子内の圧力は非常に高く、マクロな概念であるラプラス圧の評価は、金属ナノ粒子液滴内に関しては、ミクロなスケールでも矛盾しないことが確認された
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石川 翔太, 川上 博士, 尾崎 仁志
p.
40-41
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
大気中でのAlの接合において,表面に形成される酸化膜が接合阻害因子となる.そこで,Cuインサートメタルを用いたAl大気中自発的溶融凝固接合に,酸化膜破壊を促進する目的で変位・荷重制御による接合界面衝突運動を付与した.本研究では,衝突運動の周期を複合化し,Al大気中自発的溶融凝固接合におよぼす影響を調査した.この本接合法を利用した場合において高強度な接合が可能となる最適な衝突運動の条件を検討した.
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奥倉 快人, 川上 博士, 尾崎 仁志
p.
42-43
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
Cuは熱伝導率が高く、局所加熱が難しいため溶融溶接が困難である。そこでCuの接合に溶融溶接が困難な材料に対して有用な回転ツール点接合による接合を行った。本研究では回転ツール点接合において,接合ツールのプローブ先端が接合界面を貫通しない接合条件において接合実験を行った。得られた継手に引張せん断試験を行い,ツール回転数と保持時間が継手強度におよぼす影響を調査した。
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不動野 航平, 川上 博士, 尾崎 仁志
p.
44-45
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
酸化チタンは光触媒であり強い酸化還元作用と超親水性作用を示す。酸化チタンを金属表面に固定する方法としてバインダーを用いる方法、焼結を用いる方法がある。バインダーは酸化チタンによって分解される可能性があり、焼結を用いると熱処理が必要となる。本研究では、金属シートに塗布された酸化チタン粒子を加圧し金属表面に固定する方法として、円筒形圧子による押込みを検討した。
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高橋 誠
p.
46-47
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
ガラス同士の陽極接合において、仲立ちとなる導体層に難酸化性の貴金属を合金化すると、接合中に導体層の基質元素はガラスから供給される酸素イオンによって酸化されるが、貴金属元素は未酸化のまま残り酸化物層中に分散する。本研究では、金、パラジウムを合金化したチタン層を仲立ちとしてソーダライムガラス同士を陽極接合し、接合界面に残った貴金属粒子の性状とそれが継手の性質に与える影響を観察して報告する。
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宮﨑 泰輔, 前田 将克
p.
48-49
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
摩擦圧接では回転する円形の被接合材が接触した際、周速度の関係で材料の淵から変形が始まる。このため被接合材中心付近は淵部より変形が遅れ、継手の欠陥となる可能性がある。これを確認するため本研究では、通常の摩擦圧接によって得られた継手に穴あけを施したものと、管材の摩擦圧接継手の引張強度を比較し、材料中心部が継手に与える影響を考察するものである。
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山田 晴悟, 松田 朋己, 小椋 智, 佐野 智一, 廣瀬 明夫
p.
50-51
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
パワーデバイス接合方法として、酸化銀粒子のその場還元によって生成される銀ナノ粒子を用いた接合法が開発されているが,、高温信頼性に課題がある。そこで本研究では信頼性改善のため、酸化銀粒子を用いた接合法に銅フレーク粒子を添加したプロセスを検討した。本プロセスをCu基板、およびAu/Ni/Cu基板の接合に適用し、高温放置試験を行った。結果として、高温放置試験過程における接合層変化挙動が基板に応じて異なることが確認された。
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能川 玄也, 高野 俊, 沖代 賢次, 岩崎 冨生, 青柳 拓也
p.
52-53
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
窒化物セラミックスと金属の接合には従来よりAg-Cu-Tiを主成分とした活性銀ろうが用いられている。Si
3N
4との接合界面においてはTiNやTi5Si3によって接合していることが報告されているが、それらの結晶面と成長について議論された報告はない。本報告では、高分解で結晶方位解析が可能なTEM-PEDを用いて界面の接合状態を解析し、シミュレーションと合わせてその成長メカニズムについて検討した。
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小濱 和之
p.
54-55
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
Si-Mg混合粉末フィラー(Mg組成0~59 at.%)により窒化ケイ素を真空中・1100℃・10分保持で接合し,緻密なSi層及びMgSiN2等の反応層を介した接合体を得た。1100℃保持中に,Si-Mg共融液相中の一部のMgが窒化ケイ素と反応し,多くのMgは真空中に蒸発したと考えている。初期Mg組成の増大とともに接合強度は増大し,大気中・1200℃での3点曲げ強度は最大約200 MPaだった。
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伊藤 冬将, 山﨑 敬久
p.
56-57
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
cBNは鉄系材料の切削に利用されるがCoを助剤に用いると高温で硬度が低下し,用いないと成型が困難になる.そこでhBN,Zr-Ti合金に注目し,これらを用いてcBNの接合実験を行った.Zr-Ti合金を用いた結果,平均3MPaの強度を持つ接合体を形成し,cBNとろう材とは良い接合が得られた.hBNとは接合が不十分だったため,Ag-Cu-Ti合金を併用した結果,継手は形成したがわずかな力で破断した.
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瀬知 啓久, 佐藤 雄二, 塚本 雅裕
p.
58-59
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
局所的かつ短時間での加熱が可能なレーザ加熱を用いた場合の不活性ガス雰囲気におけるステンレス基板上でのAg–Cu共晶ろう材の溶融挙動と酸化皮膜の分布状況について,サーモグラフィーによる温度測定・形状観察に加え,断面元素分析を用いて評価した。Ag–Cu共晶ろう材がステンレス基板上をぬれ拡がるレーザ加熱条件において,ぬれ先端の三重点付近で酸素が濃化した領域が観察された。
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古賀 将大, 山本 啓, 伊藤 和博, 柿崎 智紀, 山崎 圭, 笹倉 秀司, 渡邉 博久
p.
60-61
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
低炭素鋼の大入熱溶接金属では,靭性確保のためアシキュラーフェライト(AF)生成による微細化が重要となる.その生成量は,核となる介在物の数密度やその表面に偏析する金属元素に加えて,溶接プロセスの冷却速度やそれに関連するオーステナイト粒径に影響される.本研究では,ESWとEGW溶接金属を用いて,再現を含め複数熱サイクルを与え、冷却速度やオーステナイト粒径がAF生成量に与える影響を調べた.
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伊藤 孝矩, 秋山 亮, 永見 正行, 名古 秀徳
p.
62-63
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
海洋構造物の極地進出などに伴い、低温環境で使用可能な高張力鋼用高強度FCWが求められている。しかしながら、既存の海洋構造物用溶接材料では、要求されるじん性を満たせていない。本報では、高強度FCWを用いて、組織及びじん性に及ぼすLi添加の影響を調査した。Li添加は、介在物中のMnS量を増加させる効果があることが分かった。その結果、微細なアシキュラ―フェライト組織が形成され、低温じん性が改善することを見出した。
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松尾 孟, 加茂 孝浩, 大丸 成一
p.
64-65
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
溶接金属では、粒内変態の活用によりブロックを微細化することで、靭性を確保している。Zener-Hillertの式を用いて、ブロックサイズを計算したものの、計算値は実測値より約20倍も大きかった。これは、変態に伴うセメンタイトの析出が考慮されていないからだと推定される。そこで、Zener-Hillertの式におけるC拡散係数を見直した。その結果、ブロックサイズの予測精度が向上した。
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谷口 大河, 古迫 誠司, 児玉 真二
p.
66-67
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
スポット溶接における後通電効果を検討するため、電流比(本通電電流/後通電電流)をパラメータとして焼戻しと偏析緩和の影響を比較した。電流比によってCTSが変化し、その変化にはビッカース硬さや偏析状態が影響していた。このことから、電流比は焼戻しと偏析緩和の効果を比較するうえで有効なパラメータであることがわかった。
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青木 祥宏, 潮田 浩作, 藤井 英俊
p.
68-69
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
HAZ軟化の抑制が困難な高強度鋼板をおいて低温LFWを行った。印加圧力を増加させることで、低温での接合を行うことが可能となり、HAZ軟化を抑制したLFW継手を得ることに成功した。
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劉恢弘 , 宮垣 徹也, 釜井 正善, 馬運五 , 麻寧緒 , 藤井 英俊
p.
70-71
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
我々が開発した圧力制御通電圧接法を用い、均一な界面温度が得られる高炭素鋼の低温圧接を実現したが、母材強度に達する継手がまだ得られていない。本研究では、良好な高炭素鋼継手を得るために、継手の界面微細組織を詳細的に調査するとともに、界面温度、界面応力と歪み分布を解析することで、界面微細組織形成に及ぼす接合条件の影響を解明することにより、本接合法の接合機構を明らかにした。
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浄徳 佳奈, 中村 潤, 平田 弘征, 大村 朋彦, 小薄 孝裕
p.
72-73
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
燃料電池車向水素燃料供給基地として高圧水素ステーションの建設が進んでおり、その中で高圧水素ガスの高効率充填を可能とする高窒素含有22Cr-13Ni-5Mn-2Mo-Nb,Vステンレス鋼の使用比率が増加している。前報までにおいて、高強度と耐水素脆性を両立する高窒素含有ステンレス鋼溶接金属の成分設計指針を提示した。本報では、本指針を市販溶材YS309LMoに適用し、溶材中の化学成分が及ぼす溶接金属性能への影響を報告する。
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小暮 真莉, 門井 浩太, 井上 裕滋
p.
74-75
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
オーステナイト系ステンレス鋼溶接金属においてレーシーδフェライトを形成させるにはδ/γ間にK-S関係を維持させることが必要であり,その条件の1つに基板γの‹100›方向が熱流方向に一致することが挙げられる.本研究ではレーザ溶接条件がレーシーδフェライトの成長に及ばす影響を調査し,より高入熱かつ高速度で,γは試験片表面に対して垂直に成長する傾向があり,再溶融したγも試験片表面に対して平行な集合組織を形成する.
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村山 信二, 西川 聡, 久保 貴寛, 桑嶋 孝幸
p.
76-77
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
Ni基600合金溶接金属について,核生成粒子の可能性があるCr炭化物(Cr₃C₂)粉を用いて溶融池の急熱・急冷が実現できるレーザー溶接を適用し,結晶粒微細化を試みた.その結果,Cr₃C₂濃度が増加するのに伴い結晶粒は微細化し,さらに結晶方位分布をランダムにすることができた.そして,光学顕微鏡観察から等軸晶主体の組織になっており,Cr₃C₂濃度の増加で等軸晶の形成が促進されることが示唆された.
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大村 隼, 古谷 拓希, 佐藤 裕
p.
78-79
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
種々の元素を含むAl合金と純チタンの異種金属接合をTIGアークブレージングにより行い、引張せん断試験により測定するとともに、異種金属界面近傍のミクロ組織を調べた。引張せん断試験によりいずれの条件においてもAl側溶融部で破断が生じたことから、継手強度の向上はAl溶融部の強度に依存することが確認された。熱処理によってIMC層を成長させ、ミクロ組織解析を行いMgおよびCrがIMC層の形成に与える影響を詳細に調査した。
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目黒 奨, 児子 精祐, 木村 隆, 中村 照美
p.
80-81
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
著者らはこれまでに銅とコンスタンタンの溶接継手を用いた熱電発電素子の開発を進めており、高温域での熱電発電が可能であることを見出した。しかしながら、材料の溶接手法や溶接条件による熱電発電特性のばらつきが顕著であった。そこで、本研究では銅とコンスタンタンの各種溶接継手の900˚Cにおける熱電発電特性を検討し、熱電発電最大出力が溶接継手界面における接合率に比例して増大することを明らかにした。
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山下 正太郎, 才田 一幸
p.
82-83
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
著者らは,バレストレイン試験に対してその場観察法を適用することで,バレストレイン試験における凝固割れの割れ発生ひずみを調査してきた.本研究では,母材結晶粒径のことなる3種のオーステナイト系ステンレス鋼に対してトランスバレストレイン試験を実施し,凝固割れ発生ひずみを調査した結果について報告する.
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上野 誓也, 門井 浩太, 井上 裕滋
p.
84-85
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
前報において,Fモード凝固するステンレス鋼の凝固割れに及ぼすフェライト量,およびCやSiの影響を報告した.本報では,合金元素としてNbを添加したフェライト量の異なる試験片(基準組成はFe-18Cr)の凝固割れ感受性をトランスバレストレイン試験により評価した.Fモード凝固ではフェライト量によって凝固割れ感受性は大きく変化しなかった.一方でそれぞれの添加元素により,凝固割れ感受性が増大した.
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−Ni基合金狭開先ホットワイヤ・レーザ溶接時の凝固割れ発生特性(第1報)−
草本 悠貴, 山本 元道, 篠崎 賢二, 猪瀬 幸太郎
p.
86-87
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
本研究では,高出力半導体レーザとホットワイヤとを組み合わせたホットワイヤ・レーザ溶接法をNi基合金狭開先継手に適用した際の,凝固割れ発生特性の検討を行っている.本報では,溶接条件を変化させて種々の溶接ビード形状を作製し,凝固割れ発生に及ぼす影響を調査した結果について報告する.
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井上 有人, 西川 聡, 八代 仁, 伊藤 菜々子, 尾花 望, 野村 暢彦, 川村 将也, 宮野 泰征
p.
88-89
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
SUS304鋼の再現HAZ材および熱処理材を用いて,FT01による微生物腐食感受性に及ぼす粒界クロム欠乏層の影響を調査した.再現HAZ材は受入れのままと比較して粒界クロム欠乏層の形成がわずかであるにも関わらず,微生物腐食感受性は耐粒界腐食性が大きく低下した熱処理材と同等であった.したがって,SUS304鋼HAZのようなわずかなクロム欠乏層の形成でも,微生物腐食感受性を上昇させることが示唆された.
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Tianbo Zhao, Yutaka S. Sato, Izumi Muto, Ting Huang, Rongshi Xiao ...
p.
90-91
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
2198Al合金レーザ圧延接合部のを航空用構造物に利用する場合、その局部耐食性を正確に理解する必要があるが、レーザ圧延接合部における耐食性分布とミクロ組織の関係を系統的に研究した報告は少ない。本研究では、2198Al合金レーザ圧延接合部の耐食性に及ぼすミクロ組織、特に偏析状態の影響について明らかにすることを目的とした。
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山本 啓, 青山 雄亮, 伊藤 和博, 山田 哲生, 田中 学, 星河 浩介, 永田 章, 熊谷 俊昭
p.
92-93
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
99.999 wt.%以上の超高純度アルミニウムは,極低温で高い導電率を有するため,超電導電磁石周辺での熱伝導部材として,その高性能化に貢献している.本研究では,超高純度アルミニウム薄板に対し,高回転速度でのFSWを試み,その継手の機械的性質及び極低温と室温での抵抗率の評価ならびにTIG溶接継手との比較から,極低温での高導電性を低下させずに母材以上の継手強度を有する最適な接合条件を探索した.
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柳楽 知也, 劉 小超 , 潮田 浩作, 藤井 英俊
p.
94-95
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
低い積層欠陥エネルギーを有するfcc金属の純銅、黄銅、純銀、銀合金を対象として、摩擦攪拌接合(FSW)中の微細組織形成に関する統一的な理解を明らかにするために、接合温度が微細組織形成に及ぼす影響について調査した。接合温度が上昇すると、不連続動的再結晶が抑制され、焼鈍双晶が支配的に起こった。最終的な組織は、再結晶組織ではなく、粒成長と焼鈍双晶の形成との動的なバランスによって決定されることが分かった。
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李志浩 , 生島 一樹, 宮坂 史和, 柴原 正和
p.
96-97
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
摩擦攪拌接合は、ツールの回転により接合対象部に摩擦および塑性流動を生じさせることによって接合する。本研究では,数値シミュレーション手法の一つである粒子法を用いてFSWの接合過程をモデル化し,解析結果を有限要素法に適用する手法の構築を行う.また,損傷評価指標を導入することによる欠陥発生箇所の予測や,FSWツール形状パラメーターの最適化や被接合材の欠陥評価を可能とするFSW解析手法の提案を目指す。
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森貞 好昭, 周夢然 , 藤井 英俊, 王建義
p.
98-99
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
Alの添加によって高強度化が図られたMg-Li合金にFSWを施し、継手の機械的性質に及ぼす微細組織の影響について調査した。一般的に知られている現象とは異なり、接合温度の増加に伴って攪拌部の強度が向上すると共に、熱影響部における硬度低下が抑制された。FSW中の熱履歴による金属間化合物の変化が原因であると考えられる。
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伍沢西 , 潮田 浩作, 藤井 英俊
p.
100-101
発行日: 2020年
公開日: 2021/01/29
会議録・要旨集
認証あり
Si-Mn炭素鋼のFSW継手の母材と撹拌部は、優れた強度·延性バランスを有するが、マルテンサイトの焼戻しによるHAZ軟化が生じる。一方、VやMoを添加すると、焼戻し二次硬化が起こることが知られている。そこで本研究では、VおよびMoをSi-Mn炭素鋼にそれぞれ添加しFSW継手を作製し、HAZ軟化抑制に与える影響を調査した。これら元素の添加によるHAZ軟化抑制を確認し、極めて微細な析出物の形成に起因すると考えた。
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