平成 17 年の九州の総生産額は79兆3,220億円,うち生産のために必要な中間投入は36兆6,759億円,生産活動によって付け加えられた粗付加価値は42兆6,138億円で,平成12年と比較すると中間投入の構成比は2.7ポイント上昇し,粗付加価値の構成比は▲2.8ポイントの低下となった.一方,貿易構造についてみると,製造業の生産額に占める輸出割合は26.5%と平成12年に比べ上昇し,全国の中で最も高い.九州地域の自動車産業は,1975年に日産の九州進出を契機として自動車メーカーの立地が相次ぎ,生産能力は年間154万台で中部・関東・中国地域に次ぐ国内4番目の生産拠点となった.また,最新鋭の生産効率を有した生産拠点機能に加えて,車両開発機能の付加など,更なる高付加価値機能拠点としての発展段階にさ しかかっている.この九州地域で年間154万台が生産され,併せて70%の域内調達率を達成すれば,約5兆3千円の経済効果が生じる.
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