産業連関
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15 巻, 3 号
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【特集産業連関表の公表と利用】
  • 山野 紀彦
    2007 年15 巻3 号 p. 3-11
    発行日: 2007/10/30
    公開日: 2015/03/24
    ジャーナル フリー
    本稿では,経済協力開発機構科学技術産業局(OECD STI)が中心となって整備を進めているOECD産業連関表2006年版の開発状況を紹介する.世界経済全体を産業連関分析の枠組みで捉えるためには,部門分類,価格評価が統一された共通規格データベースの開発が不可欠である.OECD産業連関表2006年版では,1995年と2000年を基準年次とし推計している.推計対象国は,世界人口の67%,世界GDP の92 %に相当する39カ国となっている(2000年時点).OECD産業連関表では,輸入品と国産品の投入構造を分離推計しているため,産業別輸入浸透度や国内生産波及効果を求めることが可能であり,様々な経済分析への応用が期待される.
  • 中野 諭
    2007 年15 巻3 号 p. 12-21
    発行日: 2007/10/30
    公開日: 2015/03/24
    ジャーナル フリー
    OECD産業連関表は,OECD諸国に加えて,OECD非加盟国のうち主たる発展途上国を含む標準化産業連関表である.これらは,共通の概念および形式で作成されており,グローバル化した世界において,さまざまな経済指標の国際比較分析を行うのに適している. 本稿では,このようなOECD産業連関表の特徴および形式の概要を整理したうえで,実際にOECD産業連関表をもちいた二つの分析例,スカイライン分析による産業構造の国際比較および国際貿易に体化された二酸化炭素排出量の計測を紹介する.
  • 芦谷 恒憲
    2007 年15 巻3 号 p. 22-32
    発行日: 2007/10/30
    公開日: 2015/03/24
    ジャーナル フリー
    全国の都道府県では,産業連関表の活用を図るため,産業連関表データ及び産業連関分析ワークシートのホームページによる提供や産業連関分析手法や事例の情報を提供し利用の拡大に取り組んでいる. 平成12年兵庫県産業連関表を事例として,前提条件をおいた産業連関分析結果から地域産業連関表の活用方法と利活用を進めるための問題点等について地域産業連関表のさらなる利用を進めるための方法及び課題について考察した.
【投稿論文】
  • 浅川 典敬, 長野 章, 古屋 温美, 上川 浩幸, 中泉 昌光
    2007 年15 巻3 号 p. 33-43
    発行日: 2007/10/30
    公開日: 2015/03/24
    ジャーナル フリー
    漁村の産業連関表を用いて,中間投入部門及び最終需要部門が排出するCO2に,各産業部門の廃棄物が排出するCO2も含めたLCA(life cycle assessment)分析のための,小地域環境分析用産業連関表を(WIO(waste inputoutput table))を作成した. この小地域環境分析用産業連関表は財生産に関わる動脈部門と廃棄物処理に関わる静脈部門の相互連関ならびに廃棄物純排出量を表したものである.この環境分析用産業連関表を用いて,漁村での生産活動におけるCO2削減対策を考え,CO2削減のLCA を行った.CO2削減対策として,漁村での各産業の生産構造の変化(重油の消費量削減),自然エネルギーの導入及び廃棄物のリサイクル化の三つのシナリオに基づく投入・産業廃棄物処理量の変化を反映させ,漁村全体のCO2排出削減量への波及効果を計算した.
  • 中野 諭, 西村 一彦
    2007 年15 巻3 号 p. 44-53
    発行日: 2007/10/30
    公開日: 2015/03/24
    ジャーナル フリー
    大地域の産業連関表とその部分を成す,ある地域の地域産業連関表が与えられている場合に,その地域内をさらに分割した小地域群とその他の地域に亘る多地域間産業連関表をNonsurveyで推定する手法を開発し,これを愛知県表の分割に応用した.本稿では,基準とする地域産業連関表における二地域間交易構造を利用して小地域間の移出額をグラビティ比で按分することで,交差輸送(Cross Hauling)を排除しない多地域間交易を推定した.また,グラビティのパラメータは全国9地域の地域間産業連関表を用いて推定したものを用いた.この手法で推計した愛知県に関わる多地域間産業連関表を用いて,名古屋市における外生的要因による生産誘発効果を計測した.
  • 辻村 和佑, 辻村 雅子
    2007 年15 巻3 号 p. 54-66
    発行日: 2007/10/30
    公開日: 2015/03/24
    ジャーナル フリー
    前編においては,現行の国民経済計算体系である93SNA が,その表象形式においてコープランドのマネーフロー表に大きく依拠していることを確認した.しかしながら,モノの統計としての性格が重視される93SNA が,細部においてこれと異なることも,また当然であろう.そこで本稿においては,マネーフロー表の構想を特徴づける重要な論点,すなわち制度部門別勘定,バランスステートメントと複々式記帳,現金主義と取得価額主義に焦点をしぼり,この3つの観点から93SNAの表象形式を再検討する.
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