「アジア国際産業連関表」プロジェクトは日本貿易振興会アジア経済研究所により発案・企画され,アジアの関連諸国の研究機関とともに共同研究として進められている.すでに,1975年,1985年,1990年,1995年表が公表されている.最近には,2000年表も公表されたばかりである.しかし,これらを用いた国際連結CGE モデルは開発されていない.本稿は「アジア国際産業連関表1995年」を用いて,「北東アジア国際連結CGE モデル」を構築し,北東アジア地域の自由貿易協定(FTA)の経済効果を予測するのを目的としている.本稿では静態的効果としての「貿易創出効果」
1)と「貿易転換効果」が検討される.また,FTA の実証分析によく使われているGTAP
2)(Global Trade Analysis Project)モデルとのシミュレーション結果の比較も行われる.
抄録全体を表示