産業連関
Online ISSN : 2187-3208
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24 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
投稿論文(査読論文)
  • 中野 諭, 本藤 祐樹, 森泉 由恵
    2016 年 24 巻 1 号 p. 1-13
    発行日: 2016/09/06
    公開日: 2016/09/13
    ジャーナル フリー

    本研究は,小水力発電のなかでも相対的に規模の大きな出力200∼1,000kW未満の技術を対象にライフサイクルCO2排出量を計測し,CO2排出削減ポテンシャルを推計したものである.ヒアリングや公表データから小水力発電の施設建設及び運用アクティビティを作成して総務省「産業連関表」を拡張し,産業連関分析のオープンモデルによって小水力発電のライフサイクルCO2排出量を計測している.その結果,小水力発電(200∼1,000kW未満)のライフサイクルCO2排出量は28.1g-CO2/kWhであり,先行研究と比較すると,相対的に規模の小さな小水力発電のライフサイクルCO2排出量よりも小さいが,一般水力発電よりは大きくなることが明らかにされた.また,河川部における小水力発電のCO2排出削減ポテンシャルは,概して首都圏を除く東日本で大きいことが示された.

依頼論文
  • 久保庭 眞彰, 志田 仁完
    2016 年 24 巻 1 号 p. 14-34
    発行日: 2016/12/25
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    国際的なサプライチェーン・アウトソーシング・垂直貿易の進展による世界的規模の中間財貿易興隆を背景にして,WTO・OECD等の国際機関はこの数年間に共同してグローバル・バリューチェーン論すなわち付加価値貿易論の急成長を先導してきた.粗産出・粗輸出から付加価値への視点転換は,新たな器のもとに,産業連関分析の世界的なルネッサンスをもたらした.この連載では,付加価値貿易論のABC から進んだ応用にいたるまで順次平易に説明する.付加価値貿易論は,専門家の間でも十分に確立した領域ではないので,解説とはいえ,筆者のレンズを通してみた見取図提供の試論であることをあらかじめお断りしておきたい.

投稿論文(査読論文)
依頼論文
  • 産業連関表作成の現場から(8)
    森 永壽
    2017 年 24 巻 1 号 p. 49-59
    発行日: 2017/03/16
    公開日: 2017/03/18
    ジャーナル フリー

    本稿では,平成23年(2011年)島根県産業連関表の作成及び作成をめぐる課題について,平成23年表固有の問題と自治体固有の問題の2つに分けて報告する.前者には,産業分類の大幅な変更,基礎データの変更などが,後者には,人員不足・時間不足,知識や作業ノウハウの不足・検証や検討方法の課題などが含まれる.

    作表をめぐる環境は年々厳しくなっており,課題の解決には,国・県などの境を超えた連関表担当者の連携や,各自治体が共通して使用できるマニュアルの改善などがいっそう求められると考えられる.

    今回の報告は,本県におけるこれら課題への対応及びその反省であり,今後の地域産業連関表作成の効率化,精度の向上につながることを期待している.

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