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多賀谷 英幸
セッションID: 2I21
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
会議録・要旨集
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無機層状化合物をホストとし、有機分子をゲストとする有機-無機複合材料は分子レベルの複合体として、吸着剤や電子材料などとしての応用がなされている。当研究室では、水酸化亜鉛などの金属水酸化物と有機化合物との自己組織化反応によって、二次元分子複合体の創製が可能である事を見出し、創製条件の検討を行なってきた。本法は温和な条件で複合材料を創製するものであり、かさ高い化合物を含む多数の有機化合物が適用可能で、無機層組成にも柔軟な多様性が期待できる創製法である。
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池上 隆康
セッションID: 2I22
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
会議録・要旨集
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安価な無機塩を出発原料とし、それらの水溶液における沈殿反応のパラメータを高度に制御することにより、安価で易焼結の酸化物粉末が合成可能であることを、様々な系で実証した。上記のプロセスによりこれまで行った一連の易焼結性酸化物の研究を概説し、水溶液プロセスの高度化に関する研究の可能性と課題を示す。
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松岡 圭一, 津村 朋樹, 豊田 昌宏
セッションID: 2I24
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
会議録・要旨集
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水熱処理により生成した強誘電体MTiO
3 (M = Ba, Sr, Pb, La)粒子は結晶内部に多数の空孔及び水が含まれ,誘電特性の低下が生じると報告されている.本研究では高濃度KOH水溶液中の水熱処理によって高結晶性のMTiO
3を調製した.得られたMTiO
3粉末はXRD,FE-SEM,TG-DTA,FT-IRで評価した.50 mol dm
-3 KOH中,150 ℃で生成したBaTiO
3粒子は直径約50 nmであった.この粒子の形態は反応時間とともに球形から立方体へと変化し,格子定数a
cは0.4052 nmから0.4016 nmへと変化した.そしてこれらの変化は,結晶内部の欠陥が反応時間とともに減少していることに対応していると考えられた.
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牛田 健, 稲舘 充彦, 大門 啓志, 太田 敏孝
セッションID: 2I25
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
会議録・要旨集
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100℃以下の水熱法による、高純度なチタン酸バリウム超微粒子の合成について調べた。
硫酸チタニルから作成したTiO
2(anatase)超微粒子にBa(OH)
2・8H
2Oを、水熱条件下(97℃、3時間)で反応させてBaTiO3超微粒子の合成実験を行った。
熟成時間1 – 24時間、スラリー濃度0.25 - 1.25mol/lの範囲において、BaTiO3の生成が認められた。スラリーの濃度に関わりなく、得られたBaTiO3結晶の格子定数は、XRDによれば4.03Åであった。BaTiO3の室温での安定相は正方晶である。本実験での合成法で得られた粉末は立方晶であるが、合成した粉末を1100℃で5時間加熱することで正方晶が得られた。
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今泉 晴貴, 柴田 充, 板倉 剛, 笹井 亮, 伊藤 秀章
セッションID: 2I26
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
会議録・要旨集
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廃水中に含まれるCr,Mo,Wなどの希少元素は枯渇性・偏在性が高く,元素戦略の観点から資源回収することが望まれている.一般的に廃水中のCrは還元沈殿法によって除去されているが,回収物中に不純物を多く含むため再利用できない.そこで,我々がこれまでに廃水中のB,F,P,As,Sbなどのオキソ酸の資源回収に有効であることを示してきた水熱鉱化法による,Crの資源回収について検討した.その結果,クロム酸含有モデル廃水に対して鉱化剤として塩化カルシウムを用いた水熱処理を施すことにより,Crを天然に産するクロム酸カルシウムとして沈殿回収できることが明らかになった.
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斉藤 秀俊
セッションID: 2J01
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
会議録・要旨集
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光と電子の振る舞いを操作するセラミックスの開発を行っています。大気開放型CVD法を利用したセラミックス薄膜およびウイスカー合成手法を開発し、それらのルミネセンス特性と電界放射特性を評価しています。さらにそれらを組み合わせた電界放射発光素子の試作を行っています。この電界放射発光素子は次世代表示素子の候補になっています。また,プラズマCVD法を利用した炭素系膜の合成手法を開発し、それらの対水素反応と仕事関数を評価しています。さらにまた,EDTA金属錯体を原料とした新規蛍光材料の開発を行っています。
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兼平 真悟, 三浦 清貴, 平尾 一之, 柴田 直哉, 幾原 雄一
セッションID: 2J03
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
会議録・要旨集
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フェムト秒レーザーを用いて、各種単結晶内部において転位に起因するパターンを形成することに成功した。パターンは、レーザーの照射条件を変化させることで制御することができる。転位部分の詳細な構造について、TEMを用いて分析を行った結果、方向が揃った転位線が高密度に凝集していることが明らかになった。
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栄田 壮亮, 兼平 真悟, 三浦 清貴, 平尾 一之
セッションID: 2J04
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
会議録・要旨集
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FeSi
2粉末をターゲット、基板温度を室温としたRFスパッタ蒸着法により、石英基板上にFe-Si薄膜を作製した。as-deposited膜は、アモルファス状で半導体的性質を示した。得られた膜の相転移を誘起するため、熱処理またはフェムト秒レーザーの照射を行った。熱処理を行うと、結晶性が向上し単相のβ-FeSi
2が得られた。一方、フェムト秒レーザーを照射した場合は、α-FeSi
2とε-FeSiの混合相が誘起された。そのため、レーザー照射後の膜の電気伝導度は、as-deposited膜と比較して向上した。
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中尾 厚夫, 下間 靖彦, 西 正之, 三浦 清貴, 平尾 一之
セッションID: 2J05
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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我々は銅のマイクロプレートを懸濁したエタノール溶液にフェムト秒レーザーを集光照射することで、金属状態が保持された銅ナノワイヤが形成されることを見出した。フェムト秒レーザー照射後の試料を経時的にSEMで観察したところ、銅ナノ粒子が一軸方向に成長し、核生成・成長機構で銅ナノワイヤが形成されたと考えられる。またTEMによる評価結果から、形成した銅ナノワイヤは多結晶体で表面から数nmはCu
2Oの酸化膜に覆われていることが分かった。さらに照射光パルス数・エージング温度・分散溶媒等の諸条件により、形態制御が可能であることを見出したので報告する。
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町田 憲一, 逄 茂林, 斉藤 誠, 半沢 弘昌, 野尻 能弘, 棚瀬 繁雄
セッションID: 2J06
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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Li2O-Al2O3-GeO2-TiO2-P2O5系ガラスにSm2O3とNiOとを共添加し、これにYb:YAGレーザ光を照射し、LiGe2(PO4)3結晶相からなる幅数十nmのイオン伝導路を形成させた。得られたレーザーパターニングの性状を評価すると共に、これらを用いて濃度の異なる溶液について電位差を測定し、これらがイオン電路路として機能することを明らかにした。
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桐原 聡秀, 宮本 欽生
セッションID: 2J07
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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フォトニック結晶は誘電体の周期配列を有し、ブラッグ回折により電磁波を完全反射する。これまでに、CAD/CAMプロセスのマイクロ光造形法を用いて、格子定数が数百ミ クロンのアルミナ製ダイヤモンド格子を形成し、テラヘルツ領域において、あらゆる方向からの電磁波伝播を禁止する完全バンドギャップの形成に成功している。本研究では、三次元格子に鏡面対照型の双晶構造を持たせて面欠陥を導入し、バンドギャップ中に局在モードを形成させて電磁波制御を試みた。面欠陥と電場振動方向の 関係に応じて、テラヘルツ波伝播に方向特性が現れる結果が得られている。電磁気シミュレーションによる解析なども合わせて紹介する。
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金井 俊光, 澤田 勉, 下村 政嗣, 北村 健二
セッションID: 2J08
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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シリカやポリスチレンなどからなる単分散性の高いコロイド微粒子を周期的に配列させた構造体はコロイド結晶と呼ばれており、近年フォトニック結晶としての応用から注目を集めている。現在、実用化の観点から大面積で単結晶性の高い結晶組織を作製する方法が切望されている。我々は、単分散微粒子が水に分散したコロイド分散液を平板状のキャピラリーセル内で勢いよく流動させることで、cmサイズで単一ドメインとなることを見出し、さらに高分子ゲルでその結晶組織を膜状に固定化することに成功している。本発表では、得られたコロイドフォトニック結晶ゲルの透過スペクトル特性の入射角度依存性について報告する。
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日比野 貴則, 桐原 聡秀, 宮本 欽生
セッションID: 2J09
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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CAD/CAMプロセスのマイクロ光造形装置を用いて、誘電体が自己相似的に配列するフォトニックフラクタルを作製し、テラヘルツ領域の電磁波制御を目指している。寸法1mm角のアルミナ製立方体にマイクロメーターオーダーの角孔が多数貫通するメンジャースポンジ構造を精密成型し、テラヘルツ領域での機能発現を確認した。本研究では、多数個のサンプルを平面上で周期配列させることで、共振構造の集積化による新しい電磁波機能の発現を狙った。サンプルの設計・製造プロセスでは、光造形・脱脂・焼結条件の最適化による寸法精度の向上を行い、テラヘルツ波特性の評価プロセスでは、電磁気シミュレーションとの比較検討も行った。
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長田 実
セッションID: 2J13
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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酸化物高温超伝導体を例に、光のペンで望みの特性の材料を作ったり、望みの回路や機能特性を書き込む新しいアプローチについて紹介する。高温超伝導体の典型例として知られるYBCO系では、可視光による電子励起が引き金となって、構造と特性が変化する光誘起構造変化が発現する。この光誘起構造変化により実現する光ドーピング、絶縁体―超伝導転移などの光相制御技術を利用することで、望みの伝導特性の材料を作ったり、絶縁体膜中の望みの場所にナノドット、ナノ細線、ナノ接合などの超伝導回路を書き込むことができる。本講演では、近接場光学顕微鏡を利用したナノスケールの光相制御技術と共に、ナノ光書き込みで実現したナノパターン超伝導素子の特性について紹介する。
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増田 佳丈, 加藤 一実
セッションID: 2J15
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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酸化物においては、結晶方位や結晶面によって特性が大きく異なることから、異方性酸化物粒子の合成や、結晶膜の配向性制御が注目を集めている。本研究では、ZnOに関して、六角柱状粒子、長楕円体粒子、ウィスカー、多針体粒子、表面にナノサイズのひだ構造を有する多針体粒子、ZnOナノシート集積膜を形成した。また、積層セラミックスコンデンサの薄層化、高容量化の観点からは、異方性BaTiO3粒子が求められている。BaTiO3および前駆体物質に関して、板状BaTiOF4粒子、多針体BaTiOF4粒子、多面体BaTiOF4粒子、針状BaC2O4 • 0.5H2O(BaTiO3前駆体)粒子、針状BaTiO3を合成した。
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杉本 雅樹, 吉川 正人, 関 修平, 田川 精一
セッションID: 2J16
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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イオンビーム照射により、前駆体高分子からセラミックナノワイヤーを合成する新規合成法を開発した。ポリカルボシラン薄膜にイオンビームを照射すると、その飛跡に沿ってナノオーダーの架橋体が形成される。未架橋部を溶媒で除去し焼成することで、架橋部をセラミックナノワイヤーに転換できる。ナノワイヤーの直径は、イオンビームのLET及び分子量、架橋効率で、長さは膜厚により制御可能である。また、多層膜をターゲットに用いることで形態制御を可能とした。
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曽根 良明, 大垣 武, 岸 哲生, 西尾 圭史, 松本 睦良, 安盛 敦雄
セッションID: 2J17
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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これまでの研究により、分相-選択溶解法で作製した多孔質チタニアワイヤを用いて、化学安定性の高いポリイミド薄膜表面を常温・大気圧下で光触媒分解できることを報告している。また、同様に多孔質チタニアワイヤの光触媒反応を用いて、シリコンウェハ表面に担持させた自己組織化膜(オクタデシルトリクロロシラン;OTS)が酸化分解加工できることを確認している。そこで本研究では、基板表面の精密な微細加工の実現を目的とし、炭素質基板表面の光触媒加工のメカニズムを調査した。その結果、加工速度に湿度の影響が認められるとともに、光照射面が選択的に分解されることから、本加工プロセスでも光励起された酸素活性種による酸化分解が進行することが示唆された。
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花尾 昌昭, 林 秀考, 岸本 昭
セッションID: 2J18
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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本研究室では超塑性発泡法を利用したセラミックス発泡体の作製に成功している。超塑性発泡法は、超塑性能を有する母体粉末に焼結温度付近でガス発生する発泡剤を入れて焼結させることによって、焼結体内に閉気孔を導入する方法である。得られる発泡体は一度完全に焼結させてから気孔の導入を行うため緻密な気孔壁を有し、そのため高強度・高気密・高断熱性が期待できる。この方法を利用して、試料内に閉気孔が無数に分散したジルコニアセラミックス多孔体を作製した。試料内には閉気孔が選択的に導入されるため、従来のジルコニアセラミックス多孔体とは異なる特性を示すと考えられる。今回の研究では、超塑性発泡法を応用したジルコニアセラミックス多孔体の作製とその諸特性の評価を行った。
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阿部 浩也, 近藤 光, 佐藤 和好, 内藤 牧男, 明渡 純
セッションID: 2J19
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
会議録・要旨集
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セラミックスナノ粒子の液中分散化(サスペンション)とこのサスペンションの流動性に影響を与える微視的特性を制御することにより、セラミックスサスペンションの自由成形を可能にした。
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石川 理一登, 桐原 聡秀, 宮本 欽生, 荘村 泰治
セッションID: 2J20
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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CAD/CAMプロセスの光造形法を用いて、セラミック製の人工歯冠サンプルを3次元成形した。平均粒径170nmのアルミナ製ナノ粒子を40vol.%分散させた光硬化性アクリル樹脂を原材料として用いており、このスラリーを平板上に30μm厚で塗布し、紫外線レーザーの走査を繰り返して硬化層を積み重ね、複雑な3次元構造体を得る。脱脂・焼結処理によるフルセラミックス化にも成功している。焼結体の表面観察や密度の計測を行い、本手法による人工歯冠の高速自動成型の有用性を検討した。さらに、曲げ試験片の作製と機械的特性の評価も行った。試験片表面へのガラス浸透処理による曲げ強度の向上についても検討を加えた。
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園原 揚介, 奥谷 昌之, 柴山 義浩
セッションID: 2J21
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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近年、低融点材料の表面に製膜する需要が増えている。この状況の中で、薄膜作成法として、スパッタ法のような物理的手法や、スプレー熱分解法のような化学的手法が実用化されているが、それぞれ一長一短がある。本研究では沿面放電に着目し、大気中でプラズマを発生させることにより製膜を試みた。まず最初に、原料となる有機金属化合物を分解するのに充分なエネルギーが得られるパターン化された電極を作成した。次に、これを使って常温・大気圧中でガラス基板上の原料化合物を分解することにより酸化スズ透明導電膜の作製を試みた。その結果、ジ-n-ブチルスズジアセテートから酸化スズ結晶相を得ることに成功した。
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原田 陽平, 上川 直文, 小島 隆, 掛川 一幸
セッションID: 2J22
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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いくつかの共晶酸化物が,高温強度などの点で非常に優れた材料として注目されている.近年,共晶酸化物は様々な方法で作製されており,それらは共晶組成の融液を冷却する方法である.共晶の特性はその組織サイズに依存していると考えられる.また,従来法では,均一な共晶組織は一つの共晶系において一つの組成(共晶組成)でしか作製できない.共晶組成から離れた組成を持つ融液を冷却すると,リッチ成分の粗大な初晶が晶出してしまう.そこで本研究では,融液の代わりに非晶体を用いることで,共晶組織の形成時に結晶周囲での対流や拡散を抑えることに着目した.その結果,共晶組成および共晶から離れた組成においても,微細で均一な共晶組織のみを持つ材料を作製できた.
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平尾 喜代司, 福島 学, 山田 修, 丸尾 淳平
セッションID: 2J23
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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高温過熱水蒸気は、有害物質の高温分解やバイオマスの水蒸気改質によるガス化等幅広い分野での応用が期待されている。高温過熱水蒸気を発生させる小型の装置としては高周波加熱を用いる方法が一般的であるが、金属製ヒータの腐食のため使用温度は800 ℃ 程度以下に制限されていた。そこで、マイクロ波吸収効率が高くかつ耐食性に優れたセラミックスをヒータとして、かつマイクロ波透過性の高い材料を水蒸気の流路管として用いることにより、800 ℃を超える高温過熱水蒸気の発生を可能とする装置の開発を試みた。
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安岡 正喜, 白井 孝, 長岡 孝明, 渡利 広司
セッションID: 2J24
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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本研究ではマイクロ波の吸収能の異なる成分が含まれている系に関してマイクロ波を照射して加熱したときに加熱時の焼成体の緻密化挙動や微構造変化について検討を行った。対象とした材料はチタン酸バリウム/ホウ酸バリウム系を用い、照射方法や液相添加量を変えてマイクロ波の効果について検討を行った。
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佐藤 圭, 小林 伸行, 近藤 浩一, 七瀧 努
セッションID: 2J25
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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AD法で常温形成した強誘電体膜のPr特性は熱処理によって向上する。より低い熱処理で特性を向上させるにために、添加剤を検討している。PZT系の強誘電体粉末にBi2O3-ZnOを添加・仮焼した系で、原料粉末の粒径が大きくなると、熱処理によって粒成長が促進され、結晶性ならびにPr特性は向上した。特に、700℃熱処理では焼結膜の90%まで到達した。粒径が大きくなるとPr特性が向上する要因は、成膜時に歪の少ない領域や微結晶粒が比較的大きい領域が膜内に形成され、熱処理時に核として粒成長するためと推定した。また、膜の粒径とPr特性、膜の結晶性とPr特性に相関があることがわかった。
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佐藤 圭, 小林 伸行, 近藤 浩一, 七瀧 努
セッションID: 2J26
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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AD法で常温形成した強誘電体膜のPr特性は熱処理によって向上する。より低い熱処理で特性を向上させるために、添加剤を検討している。これまでに、PZT系粉末にZnO-Bi2O3(BZ)を加えた仮焼粉を用いることでPr特性が向上したことを報告している。今回は、BZ助剤より低融点である、鉛硼珪酸ガラスを添加剤として検討した。仮焼温度が800~900℃でガラスが十分に拡散し緻密膜が得られ、Pr特性の向上が図られた。一方、仮焼温度が700℃以下と1200℃では、緻密膜が得られなかった。仮焼温度が低い領域ではガラスが十分に拡散しておらず、高い領域ではガラス成分の析出が確認された。このガラス状態の存在が、成膜時に塑性変形・微結晶化を阻害していると推定した。仮焼温度を800℃で粒径を大きくすることで、Pr=25.4uC/cm2と焼結膜の63%を達成した。
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今井 祐介, 寺原 淳, 松井 啓太郎, 伯田 幸也, 林 拓道, 上野 信彦
セッションID: 2K01
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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高屈折率無機ナノ粒子とポリカーボネート(PC)からなる透明ハイブリッドを合成した。流通式超臨界水熱反応により合成した平均粒径5nmのジルコニアナノ粒子および平均粒径7nmのチタニアナノ粒子を高屈折率無機ナノ粒子として用いた。PCとナノ粒子との相溶性を高めるため、PC主鎖へのスルホン酸基の導入を行なった。また、ナノ粒子の表面処理剤として、2-エチルヘキシルりん酸を用いた。粒子比率を50wt%まで増しても、高い透明性を有するハイブリッド材料が得られた。粒子比率の増加に伴い、得られたハイブリッドの屈折率が増加した。
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下嶋 敦, 大久保 達也, 黒田 一幸
セッションID: 2K03
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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両親媒性アルキルシロキサンオリゴマーの自己組織化過程に疎水性の有機分子を添加し、得られるハイブリッドのメソ構造に与える影響について調査した。有機分子を添加しない場合、二次元ヘキサゴナル構造のメソ構造体が得られるが、直鎖アルカンや1,3,5-トリアルキルベンゼン等を添加した結果、生成物のX線回折パターンにおける最低角ピークのd値が大幅に増加した。このことは、有機分子が疎水性のアルキル鎖部分に可溶化したことを示唆している。焼成後試料の窒素吸着測定の結果、有機分子添加によって細孔径が増大したことが確認された。
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黒田 一幸
セッションID: 2K04
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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ハイブリッド材料合成において、分子レベルでの結合や相互作用のみならず、その上位階層であるメソスケールでの組成・構造制御が重要かつ興味深い。種々構造設計が可能なメソ構造体は、それ自体の機能にも着目する必要があるが、現状ではメソ多孔体の前駆物質としての展開が中心である。本講演では演者らの最近の研究成果を中心に、出発分子の設計を活用したハイブリッドメソ構造体構築の成果について紹介する。
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諸 培新, 金 仁華
セッションID: 2K06
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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近年、バイオシリカの研究では、蛋白質(silicatein)、ペプチッド(silaffin) または長鎖ポリイミンがシリカ構造と形状の形成に深く関わることが明らかとなった。本研究では強い結晶性を持つ線状ポリエチレンイミン(PEI)を用いて、その結晶体を反応場としたシリカ合成を試みた。 PEI と金属イオンとの錯化性質を利用し、金属イオンの存在下でのPEI 結晶を発現させた。PEI 結晶成長は、金属イオンの価数に大きく依存し、一価、二価、三価の価数変化より、PEI 結晶体が粒子、円盤、球状に変化することが確認され、その形をシリカへ転写することで、複雑な構造を有するタービン状、ウニ状シリカの簡便な合成法を見出した。
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田中 祐介, 徳田 陽明, 高橋 雅英, 横尾 俊信
セッションID: 2K07
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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当研究室では、リン酸と有機修飾塩化シランとの無水酸塩基反応を用いて低温軟化特性を有する有機-無機ハイブリッドガラスに関する研究を行ってきた。特にオルトリン酸とジメチルジクロロシランおよびジフェニルジクロロシランを出発原料に用いて作製したガラスについて詳細な研究を行ってきたが、耐水性が低く実用レベルに達していない。そこで今回、我々は耐水性の向上を目的に研究を行った。その結果、量子化学計算によりガラスの加水分解機構が明らかになり、さらに計算の結果をもとに従来より耐水性の高いガラスの開発に成功した。
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藤原 正浩, 蔵岡 孝治, 佐藤 正昭
セッションID: 2K08
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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高い耐熱性と気体透過性能を持っている無機膜(多孔質ガラス膜)の細孔内に、酸素親和性を有する有機金属錯体を担持させることによって多孔質ガラス膜の低い酸素選択性を補い、高性能の新規酸素分離膜の開発を目指した。有機金属錯体としては種々の中心金属を持つフタロシアニンを用い、化学気相成長法によって多孔質ガラス膜の細孔内に合成した。得られた膜については、紫外可視分光光度計による金属フタロシアニンの確認、示差熱/熱重量測定装置による耐熱性の評価、気体透過率測定装置による窒素、酸素、二酸化炭素、ヘリウムの気体透過特性評価を行った。気体透過特性評価の結果、作製した膜は酸素選択性を示すことが分かった。
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蔵岡 孝治, 根引 啓滋, 上野 淳, 佐藤 正昭
セッションID: 2K09
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
会議録・要旨集
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粘土表面に重合性を有する官能基を導入し、重合させることにより有機-無機ハイブリッドガスバリア膜を作製した。作製した膜について、ガスバリア膜としての性能を評価するために、気体透過性、硬度などを測定した。得られたハイブリッド膜自身の酸素の透過係数は基材に用いたポリプロピレンの500分の1であり、ガスバリア性を有する緻密な膜が形成されていることがわかった。
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佐藤 良夫
セッションID: 2L01
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
会議録・要旨集
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近年、携帯電話用RFフィルタとして、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタと圧電薄膜を用いたFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)フィルタが主に用いられている。両者はともに圧電材料をベースに、電気機械変換とその逆変換を通して、固体の機械的共振を励振、受信して周波数の安定したフィルタとしている。両者ともに半導体と同様な微細加工によりウエハ上に形成できるため、小型で大量生産が可能である。ともに類似した特性ももっているが、それぞれ異なる点があり、それが特徴となっている。両者の構造上の特徴、特性や応用上の違い、等を述べるとともに、両者の将来動向についても述べる。
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森戸 健太郎, 鈴木 利昌, 水野 洋一, 坂口 勲, 大橋 直樹, 羽田 肇
セッションID: 2L03
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
会議録・要旨集
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近年の携帯端末の高機能化に伴う電気回路の高周波化や小型低背化に向け薄膜キャパシタの研究開発が進められている。この薄膜キャパシタの信頼性には薄膜キャパシタ中に存在する欠陥が少なからず影響を及ぼしているため、その信頼性向上のためにはキャパシタ中の欠陥の振る舞いが薄膜キャパシタの電気誘電特性に及ぼす影響について理解することが不可欠である。本発表では、BST誘電体薄膜中における欠陥の振る舞いと薄膜キャパシタの特性との関係について述べる。
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中曽根 文, 小林 圭介, 鈴木 利昌, 水野 洋一, 茶園 広一, 今井 宏明
セッションID: 2L04
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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ゾルゲル法を用い、平均粒径5~10nmのチタン酸バリウム粒子を合成した。
その粒子をアルコール中に分散させ、単分散スラリーを作製した。スピンコート法により、スラリーをPt/TiOx/SiO2/Si基板上に塗布・乾燥し、熱処理するというプロセスを数回繰り返し、厚さ約200nmの膜を作製した。TEMを用いて膜の断面観察を行ったところ、100~200nm程度の柱状結晶粒子からなる緻密な構造体であることが分かった。さらに、この膜は誘電率500、誘電損失1%以下と、優れた電気的特性を示した。
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保科 拓也, 和田 智志, 黒岩 芳弘, 掛本 博文, 鶴見 敬章
セッションID: 2L05
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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我々はこれまでチタン酸バリウム微粒子が低誘電率層である表面立方晶層、高誘電率層である正方歪み傾斜層、単結晶と同じ誘電特性を持つ内部正方晶層という強誘電体粒子特有の複合粒子構造を有することを見いだし、微粒子の誘電特性はこの複合粒子構造によって支配されることを示してきた。本研究では、このようなナノ構造がペロブスカイト型強誘電体微粒子に一般的に存在し、サイズ効果と大きく関わっていることを示す。
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安藤 知栄, 鈴木 利昌, 水野 洋一, 中山 三佑里, 仙名 保
セッションID: 2L06
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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積層セラミックコンデンサの更なる小型・大容量化に向け,誘電体材料であるBaTiO
3(BT)には,粒度が均一で,微細かつ高結晶性が要求される.本研究では,固相法にて,低温合成に着目しプロセスを検討した.また,合成過程における,BT核生成段階からの粒成長,結晶成長を観察し,高結晶ナノBT合成実現に向けた指針を探索した.
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小林 圭介, 安藤 知栄, 岩崎 誉志紀, 鈴木 利昌, 水野 洋一
セッションID: 2L07
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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BaTiO3粒子の合成法の一つである固相合成法の反応機構を原子レベルで解明する事を目的とした。出発材料であるBaCO3とTiO2を熱処理した試料について、HR-TEM法によりBaCO3/TiO2接触界面に注目した局所結晶構造解析を行った。その結果、従来から組成分布やXRD評価により予想されていた、TiO2中へのBaの拡散により中間相を経てBaTiO3が合成されるという反応モデルを裏付ける結果が得られると共に、固相合成BaTiO3の合成反応過程はトポタキシャル的であると予想される結果が得られた。講演では、この結果に加えて、薄膜系モデル試料の解析結果からの、より詳細な固相反応機構の議論を行う。
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打越 哲郎
セッションID: 2L08
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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一般に、材料の特性の向上や改善を考える場合、その材料に替わる新しい物質系の探索や、添加元素の検討は、これまでの常套手段であった。他方で、新奇な系や組成を闇雲に検討するのではなく、既知の実用材料の組織微構造を結晶粒単位で最適化することで特性を最大限に引き出すことも重要なファクターである。その方法として、磁場や電場などの外場が及ぼす作用を利用した組織制御は有効であると考えられる。本講演では、反磁性または常磁性セラミックスのコロイドサスペンションに強磁場と電場を印加し、個々の粒子を配向させた状態で電極基板上に堆積固化させる成形プロセス-強磁場電気泳動法-について、粒子配向・堆積のメカニズムや、プロセスパラメータの制御でどの程度の配向配列制御が可能かについて考察する。
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Jinqing WANG, Makoto KUWABARA
セッションID: 2L09
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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In this work, a synergetic combination of photolithography and electrophoretic deposition (EPD) was employed for fabricating micropatterns of barium titanate (BaTiO3) colloidal nanoparticles on an indium tin oxide (ITO) coated glass slide, which heralded a simple, feasible, and inexpensive fabrication route for micropatterns of a colloidal assembly on a conducting substrate surface.
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任 暁兵
セッションID: 2L13
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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圧電材料は電圧を加えると伸縮し、逆に力を加えると電圧が発生するという効果を持っているため、アクチュエーターやセンサーなどに広く応用されている。しかし、従来の圧電効果は微弱なもので、応用範囲が制限されていて、また、これまで使われた材料は有毒な鉛が含有するため、代替材料の開発は緊迫的に求められている。本研究では、「時効による可逆的なドメイン変換」という新しい原理に基づき、鉛フリーのBaTiO3系材料を用いて、従来の圧電効果より約40倍大きい圧電効果を発見した。この新しい効果は、従来小さい圧電効果が応用できなかった分野を開拓できると共に、環境に優しい高性能圧電材料を創製する可能性も秘めている。
X. Ren, Nature Materials, 2004;
L.X. Zhang, W. Chen and Ren, APL 2004;
L.X. Zhang and Ren, PRB 2005;
L.X. Zhang and Ren,PRB 2006.
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符 徳勝, 伊藤 満, 腰原 慎也
セッションID: 2L15
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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BaTiO
3は優れた誘電性、強誘電性、圧電性、非線形光学特性を有するため、コンデンサーなどの基盤材料として広く応用されている。しかし、応用上に室温付近に存在する正方晶から斜方晶への構造相転移に伴う物性の不安定性及び融点以下にある六方晶から正方晶の構造変化に伴う結晶製造の困難等の課題を解決しなければならない。われわれは広い組成範囲内で優れた特性を有し、結晶構造が正方晶の(Ba,Ca)TiO3単結晶を生産性よく容易に成長させることができることを見出した。特に、固溶体の単結晶が0.7%の巨大な電気誘起歪み及び390ケルビンから極低温まで安定した優れた物性を示す。本講演で、これらの結果を報告する。
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岳 新艶, 塗 溶, 後藤 孝
セッションID: 2L16
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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b軸配向したBaTi
2O
5多結晶体をアーク溶解法により作製し、BaTi
2O
5の誘電特性に及ぼすCaO添加の影響を調べた。 0~10mol%Caを添加したBaTi
2O
5多結晶体は、いずれも(020)に強く配向した。 3 mol%CaOの添加により、誘電率は約5000に大きく増大した。CaO添加量の増加につれてキュリー温度が752 Kから684 Kに連続的に変化した。
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中田 悟史, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 田崎 智子, 目黒 竹司
セッションID: 2L17
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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近年構造部材としての機能性セラミックスの寿命と信頼性の改善が求められている。我々の既往の研究ではAl2O3やSi3N4などの構造用セラミックスに対し、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いて3次元的な破壊形態の観察(ナノフラクトグラフィー)を行ってきた。本研究では、ナノフラクトグラフィーを強誘電性セラミックスに拡張し、BaTiO3セラミックスに対して、走査型プローブ顕微鏡の一つのモードである圧電応答顕微鏡(PRM)と非線形誘電率顕微鏡(SNDM)を用いて破壊形態の3次元情報と共に電気的特性の同時観察(ハイブリッドナノフラクトグラフィー)を行うことを目的とした。
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重川 秀実
セッションID: 2L18
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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走査プローブ顕微鏡を利用したナノスケールでの構造制御や物性に関する研究を、セラミックスへの応用を念頭に紹介する。
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符 徳勝, 伊藤 満
セッションID: 2L20
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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結晶粒子のサイズや粒子の界面は誘電体や強誘電体の酸化物の特性に大きな影響を与える。微視的にサイズ効果や粒界効果などへの理解は材料の設計や機能の創製に極めて重要である。近年原子間力顕微鏡技術の進展によりナノスケールで微視的な物性を究明することが可能となる。われわれはこの技術を利用し、ナノサイズの強誘電性測定、誘電体結晶内の欠陥界面及び多結晶体内における界面の電気応答の解明に成功してる。本講演ではこれらの研究結果を紹介する。
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桑原 誠
セッションID: 2L21
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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高濃度アルコキシド前駆体溶液を用いた水熱合成法により、20-50 nmのBaTiO3あるいはCaTiO3ナノ結晶が結晶の方位を揃えて結合したエピタキシャル凝集体の合成に成功しているが、本講演ではこのナノクリスタルプロセス技術を発展させ、従来の材料にはない超機能を有するスーパーセラミックスの創製の可能性について述べる。
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森分 博紀, 平山 司
セッションID: 2L22
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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CaTiO
3の強誘電性に関する第一原理計算
これまでの我々の理論計算により,CaTiO
3がその構造に分極モードのソフトモードフォノンを有しており,負圧下において強誘電体に相転移する可能性があることを指摘した.CaTiO
3を格子定数の大きな構造に固溶させた場合格子定数のミスマッチによりCaTiO
3は大きな負の圧力を感じることとなる.その場合CaTiO
3の強誘電体相が安定化されている可能性があり(Ba
1-xCa
x)TiO
3固溶体において実現している可能性がある.
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本橋 孝朗, 木村 敏夫
セッションID: 2L23
発行日: 2007年
公開日: 2008/10/02
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テンプレート粒成長法を用いると、圧電セラミックスに結晶配向を付与することができる。しかし、テンプレートとして形状異方性の粉体粒子を要するため、ペロブスカイト構造を有する化合物への適用には制限がある。その制限を回避する方法が反応性テンプレート粒成長法であり、形状異方性を有する前駆体を反応性テンプレートとして用いる。Bi
0.5Na
0.5TiO
3(BNT)については板状Bi
4Ti
3O
12(BiT)を反応性テンプレートとして用い、これとNa
2CO
3を成形体中で反応させてテンプレートとなるBNT粒子を形成する。本研究では、BNTにおいて結晶配向の形成が出発物の化学組成の影響を受け、Na
2CO
3を過剰にすると容易に配向が形成されることを見出した。また、その原因がテンプレート粒子の形成過程にあることを明らかにし、高配向度のBNTセラミックスを得るための条件を検討した。
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