日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第24回秋季シンポジウム
選択された号の論文の850件中451~500を表示しています
  • 伊東 正浩, 町田 憲一
    セッションID: 2I16
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    近年、電磁波両立性への関心の高まりから、種々の電波吸収体が開発されている。市場に流通している電波吸収体は、その背面に金属反射板を配置したインピーダンス整合型のものが主流であるが、その吸収周波数帯域は狭く、今後普及が見込まれる高速無線通信(UWB、WiMAX等)への対応は困難と考えられる。本研究で、樹脂成形体中の磁性粉濃度を電波の侵入方向に対して傾斜化したところ、吸収体表面では誘電率の低い樹脂濃度が高くなり、インピーダンス整合が改善されることで、表面での不要反射が抑制されること、また、吸収体内部に侵入した電波は、反射板近傍で濃縮された磁性粉の損失により効率良く熱エネルギーに変換されることで、広帯域での電波吸収が可能となることを見い出した。
  • 園田 寛行, 永田 謙二, 堀田 裕司, 佐藤 公泰, 樋口 真弘, 木下 隆利
    セッションID: 2I17
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    新しいタイプの熱伝導コンポジットの作製を目的として、マトリックスとしてポリマーブレンド(ポリスチレン/ナイロン6)を用い、熱伝導フィラーとして高熱伝導率を有する窒化アルミニウム(AlN)を用いた。ポリマーブレンドが形成する相分離構造を利用し、ポリマー一成分相へAlNを分散させることに成功した。AlNを一成分相へ局在化させることにより熱伝導経路が効果的に形成され、熱伝導率向上につながった。さらに、ポリマー成分が従来のコンポジットより増加しているため、柔軟性が向上した。
  • 高井 千加, 渡辺 秀夫, 白井 孝, 藤 正督
    セッションID: 2I18
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    無機粒子テンプレート法を用いナノシリカ中空粒子を合成した。粒子表面をポリマーライクに改質し、ポリマーマトリックスと混練して中空粒子塗料を得た。改質したことにより塗料中への分散性は向上した。塗料は、SUS基板上に塗布し、厚さの異なる薄膜を得た。熱伝導率測定装置を用いてSUS基板上薄膜の全熱抵抗率を測定し、薄膜厚と全熱抵抗率の関係から薄膜の熱伝導率を算出した。中空粒子ポリマーハイブリッド薄膜は、ポリマー薄膜と比較して約1/10の熱伝導率を示し、超断熱性を有することがわかった。本研究でハイブリッド薄膜を得る際、光拡散性をあわせ持つ透明薄膜を得たので、当日詳細を報告する。
  • 河尻 史和, 高井 千加, 白井 孝, 藤 正督
    セッションID: 2I19
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    中空粒子は内部に空孔を有することから,低密度,高比表面積,物質内包能といった中実粒子とは異なる性質を示す。この優れた特性を活かし幅広い分野で応用するためには目的に応じた機能化が必要である。機能化の方法としてシェルと機能性物質の複合化が挙げられる。そこで当研究室では導電性付与を目的とし,シリカシェルと酸化スズを検討してきた。しかし,これまでシェル表面での選択的な酸化スズの析出に至っておらず,合成条件の最適化が必要であった。そこで本研究では,シリカ表面への選択的な酸化スズ析出を狙いアセチルアセトナート塩化スズ溶液を用いた含浸法によって複合化を試みた。合成された複合粒子の形態や粉体層電気抵抗率に対する複合化手法の影響について報告する。
  • 飯田 隆寛, 高井 千加, 白井 孝, 藤 正督
    セッションID: 2I20
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    中空粒子は中空部分とシェル部分から構成されている材料であり、中空構造および内包された空気により低密度、高比表面積、物質内包性等の特性を有する。この優れた特性を活かし幅広い分野で応用するためには目的に応じた機能化が必要であり、その方法の1つとしてシェルと機能性物質の複合化が挙げられる。
    本研究ではポリスチレン(PS)粒子をテンプレートとする方法により、チタニアとシリカの複合シェルを有する中空粒子を合成することを試みた。本研究での合成法により得られた複合粒子について、結晶性チタニアの存在を確認するためにXRD分析、複合粒子の形態観察のためにSEM、TEM観察による評価を行った。
  • 武藤 浩行, 楠 慎也, 羽切 教雄, 河村 剛, 松田 厚範
    セッションID: 2I21
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    静電吸着複合法により、ポリマー鋳型粒子表面にセラミック粒子が均一に吸着した複合修理を作製した。この構造を変化させることで、焼結後の多孔体の微構造を任意に制御することができることが示された。
  • 羽切 教雄, 河村 剛, 松田 厚範, 武藤 浩行
    セッションID: 2I23
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    カーボンナノチューブ(CNT)は電気的・熱的・機械的特性に優れており、種々の特性向上のための複合材料の添加剤として非常に魅力的な材料である。しかし、CNTは非常に強い凝集性を示すことから、従来の複合化手法では、CNTを高分散させた状態でマトリックス中に導入することは困難であった。本研究では、静電相互作用を利用した新規ナノ複合化プロセスにより、アルミナマトリックス中にCNTナノネットワークを形成させた複合材料を創製した。また、この新規複合材料の種々の特性を系統的に評価した。
  • 細川 純平, 羽切 教雄, 河村 剛, 松田 厚範, 武藤 浩行
    セッションID: 2I24
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    本研究では、提案する新規複合法である静電吸着複合法を用いて、同量の原料にも関わらず、複合材料の微構造を任意に変化させるというアプローチから、複合材料の種々の特性を制御するための新たな手法の確立を目指した。 母材には粒径の異なる3種類のアルミナ造粒粒子を、添加物にはナノダイヤモンドをそれぞれ使用した。新規複合法によって、母材に対して一定の添加量にも関わらず、微構造の異なる複合材料の作製に成功した。 作製した複合材料の熱的特性、力学特性、電気的特性を評価することで微構造と材料物性の関係を調査した。
  • Chunxi Hai, Takashi Shirai, Masayoshi Fuji, Feng Wang, Minoru Takahash ...
    セッションID: 2I25
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    Corresponding Author:fuji@nitech.ac.jp Due to the unique bone structure of electrically conductive porous alumina (CPA), increased interests have been attracted to develop a series of potential applications in many fields. Determined from the nano-carbon networks (NCN) with graphitic crystal structure in CPA, it is believed that CPA could be suitable for electrode materials. NCN can supply increased electronic double layer charges by comparing with other commonly utilized electrode. Moreover, by surface modifications with uniformly dispersed Pt and Ni nanoparticles, enhanced performances could be arrived, which was attributed to the co-function of CPA and deposited functional particles.
  • 白井 孝, 小島 好晴, 加藤 丈明, 高井 千加, 藤 正督
    セッションID: 2I26
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    本研究では、有機モノマー水溶液にセラミックスを分散、重合反応を進行させたセラミックス粒子を含んだ湿潤ポリマーゲル状の成型体を得た後、アルゴン雰囲気中で焼成を行うことで、ポリマーゲルが炭化しカーボンネットワークへと変化した、アルミナ粒子の周囲に均質な三次元ネットワーク構造を持ち、等方性、少量で高い導電性を示す複合材料の作製を行った。またレーザーを用いてアルミナ-カーボン複合材料への局所加熱を行い、カーボンネットワークの酸化状態の観察を行った。
  • 獅子原 大介, 中西 正典, 水谷 秀俊, 伊藤 正也, 長尾 元寛, 林 晃敏, 辰巳砂 昌弘
    セッションID: 2J01
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    全固体リチウム二次電池は、安全や高寿命、高容量が期待されているが、固体電解質と電極との界面抵抗が大きく、抵抗低減の為に様々な検討が行われている。 本発表では、酸化物系固体電解質と電極との界面抵抗を低減させる為、硫化物系固体電解質を電極合材層に利用した全固体電池について報告する。酸化物系固体電解質としてLAGP(Li1.5Al0.5Ge1.5(PO4)3)焼結体、硫化物系固体電解質として80Li2S-20P2S5ガラスを作製した。正極と負極それぞれに硫化物系固体電解質を添加して電極合材層とし、LAGP固体電解質層と組み合わせた全固体電池を作製し評価を行った。
  • ランディ ハレム, 青山 高弘, 中山 将伸, 野上 正行
    セッションID: 2J02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    リチウムイオン導電性材料としてオリビン型LiMXO4材料は高いイオン導電性が期待される。そこで本研究ではLiMXO4材料について 13+14族(M3+=Al,Ga,In)(X2+=Si,Ge)などの組成の組み合わせについて網羅的に第一原理計算を行い、リチウムイオンホッピングの活性化エネルギーを算出した。
  • 阿部 将, 斉藤 美和, 山村 博
    セッションID: 2J03
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    現在、携帯電話やHEVなどに使用されているリチウムイオン二次電池は主に有機溶媒と支持塩を溶解させた電解質が用いられている。有機溶媒は低温でもイオン伝導性が高いが、発火性・信頼性に問題がある。これらの問題を解決する為、本研究では代替材料として固体電解質の開発を誘電測定とイオン伝導度の観点から行うことを目的とする。リチウムを豊富に含むLi2TiO3のLi+サイトにM2+(Mg,Ca)を置換固溶し欠陥を導入した系Li2-2xMxxTiO3を考案した。誘電率の周波数依存性は添加イオンと陽イオン欠陥の会合ペアに起因するデバイ型分極とLiイオン伝導による充電電流成分によって説明できることが判明した。伝導度は既存の電解質に比べ低くその伝導メカニズムを検討中である。
  • 小畑 千明, 高橋 雅也, 町田 信也, 重松 利彦, 谷 淳一, 木戸 博康
    セッションID: 2J04
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    リチウムイオン二次電池の安全性、信頼性の向上、長寿命化・大容量化のニーズは非常に高く、全無機化、全固体化、薄膜化はその実現のための有力な手段の一つと考えられる。全無機化、全固体化のためには、負極活物質、および正極活物質としてLi4Ti5O12やLiCoO2が期待されている。本研究では、厚膜化の容易なスプレー熱分解法によりLi4Ti5O12およびLiCoO2電極活物質薄膜を無機系固体電解質シート板状に製膜し、全無機・全固体のリチウムイオン二次電池を作製したので報告する。
  • 大曽根 遼, 棟方 裕一, 金村 聖志
    セッションID: 2J05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    全固体リチウム二次電池の高性能化には電池構造の三次元化が必要である。我々は固体電解質の構造化に基づく電池構造の三次元化について検討を進め、これまでに3DOM多孔層 / 緻密層 / 3DOM多孔層の3層構造を有する固体電解質Li0.35La0.55TiO3 (LLT)の作製に成功している。本発表では3層構造を有するLLTの各多孔層へ電極活物質を充填して作製した全固体リチウム二次電池の特性について報告する。
  • 西岡 輝明, 棟方 裕一, 桐原 聡秀, 金村 聖志
    セッションID: 2J06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    全固体リチウム二次電池は有機電解液を用いないことから、安全性の高い二次電池として開発が進められている。しかし、二次元的にセルを構成すると、高電流密度を得るためには薄膜化が必要となり、高容量化が難しい。したがって、高速かつ高容量な全固体電池を実現するためには三次元的なセルの構築が要求される。 固体電解質をハニカム型に構築するとイオン伝導経路の短縮と電極活物質の増量が可能であるが、通常の固相法では壁厚や孔径の微細化に限界がある。そこで本研究では、より精密な構造制御が可能な光造形法に着目し、リチウムイオン伝導性酸化物の作製に適用した。発表では、光造形法によって作製した酸化物構造体の固体電解質としての利用可能性について報告する。
  • 田中 登志文, 平野 敦, 今西 誠之, 武田 保雄
    セッションID: 2J07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    近年、エネルギー問題や環境問題の観点からも高容量の二次電池、特にリチウムイオン二次電池に対する需要が高まっている。現在、一般的に正極材料としてLiCoO2が使用されている。だが、従来の正極材料では今後の需要に答えて行くのが難しく、新規材料の発見が望まれている。 Li-Fe-S系化合物材料の中でLi2FeS2は良く知られた化合物である。LiCoO2に比べ電位が低いものの2倍近い理論容量有している。しかし、合成方法に不明点が多いため純物質の合成が難しく、また電気化学的特性もはっきりしておらず焼成温度や仕込み比を変える事で様々な合成を試みた。 今回、出来上がった物質のXRD測定や充放電測定を行い物性を調べた。
  • 野井 浩祐, 林 晃敏, 辰巳砂 昌弘
    セッションID: 2J08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    メカノケミカル法により、ナトリウムイオン伝導性のxNa2S・(100-x)P2S5 (mol%)ガラスを作製し、ガラスの熱処理によって、ガラスセラミック固体電解質を得た。ガラスセラミックスはx=75の組成において、10-4 S/cmを超える高い室温導電率を示した。このガラスセラミックス中には、立方晶Na3PS4結晶がほぼ単相で析出していた。また、このガラスセラミック固体電解質は5 Vの電位窓を有することが分かった。
  • 林 晃敏, 長尾 元寛, 辰巳砂 昌弘
    セッションID: 2J09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    硫化リチウムはリチウムを含有する高容量正極活物質として期待されている。この正極活物質と室温で高いリチウムイオン伝導性を示すLi2S-P2S5系硫化物固体電解質を組み合わせた全固体電池を作製し、様々な条件で充放電測定を行った。全固体電池の可逆容量は、電極-電解質界面の接合状態や構造に大きく影響されるため、本発表では、電極-電解質界面の微細構造観察を行った結果についても報告する。
  • 秋本 順二, 新部 裕佳子, 間宮 幹人
    セッションID: 2J16
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    イオン交換合成法により、新規リチウムルテニウム酸化物の合成に成功した。合成した材料の結晶構造と電気化学的リチウム挿入脱離挙動について調べたので、報告する。
  • 矢野 雅人, 鈴木 真也, 宮山 勝
    セッションID: 2J17
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    リチウムイオン電池用電極として注目される(Ni, Co, Mn)酸化物の電気化学キャパシタ用電 極特性を調べた。低電流密度50mA/g時には、リチウムイオン電池用電極として評価した場 合のLi(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O2とほぼ同程度の158mAh/gという大きな容量を示した。高電流 密度2000mA/g時にも93mAh/gという大きな容量を示し、比較的良好なレート特性を示し た。また、粒子の微粒子化等の微細構造制御により更なるレート特性の向上も可能である ことが示唆された。(Ni, Co, Mn)酸化物が優れた電気化学キャパシタ用電極として有望な材 料であることがわかった。
  • 玉井 七奈, 鈴木 真也, 宮山 勝
    セッションID: 2J18
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    電気化学キャパシタは、電極上に形成される電気二重層容量に加え、電極でのレドックス反応を利用してエネルギーを貯蔵することが可能であるため、エネルギー密度の向上が期待されている。このため、高容量、高出力の両者の特性を発揮しうる電池として注目されているが、厚さ数nm程の極薄膜の特性は未だ解明されていない。本研究では、電気化学キャパシタ用電極材料として有望視されている材料であるルテニウム酸化物の、酸化物層1層からなるナノシート極薄膜を作製し、その電気化学的挙動を評価した。極薄膜化することにより、物質表面のみが関与するレドックス反応やその反応の詳細が明らかになったので報告する。
  • 中村 馨, 樋口 貞雄, 大沼 敏治
    セッションID: 2J19
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    LiNbO3中のLiサイトの1/6をアルカリ金属元素で置換した際の、圧電定数、弾性定数、誘電率を第一原理計算を用いて導出し、センサーの感度を左右する電気機械結合係数を予測した。イオン半径の増加に伴い圧電定数の向上を通して電気機械結合係数が増加することが予測されたものの、Cs置換時には結晶が機械的に不安定となり合成できないことが示唆された。また、圧電定数の向上は、置換元素とカチオン間の斥力の増大に起因した、分極方向に沿った弾性変位の生じやすさによることが示唆された。
  • 伊原 学
    セッションID: 2J20
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    高効率エネルギー変換技術として、グリーンイノベーション技術として重要な、固体酸化物形燃料電池(SOFC)の新たな技術として、炭素等を直接燃料に利用可能で、燃料の多様化を実現する機能性セラミックス電極技術等を活用する新規構造の燃料電池開発に関する研究での取り組みを紹介する。
  • 長田 憲和, 深澤 孝幸, 亀田 常治, 山田 正彦
    セッションID: 2J22
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    固体酸化物燃料電池(SOFC)用の新規燃料極としてこれまでに提案している複合酸化物を触媒前駆体に用いた電極の高温水蒸気電解セル(SOEC)用水素極特性について検討を行った。粒子状および膜状に形成したNiAl2O4複合酸化物と高温還元雰囲気で良好な電子・イオン混合導電性を示すサマリアドープセリア(SDC)を用いた電極は、SOFC燃料極としてだけではなく、SOEC水素極としても高い特性を示した。したがって、粒子状および膜状に形成した複合酸化物から還元析出させた数十nmのNi微粒子はSOEC作動条件下でも高活性であることが分かった。
  • 森 昌史, 鈴木 俊男, 藤代 芳伸, 荒木 拓人
    セッションID: 2J23
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    電気化学反応を利用した固体酸化物形電解セルは、エネルギー-物質間の高効率変換が可能であり、燃料電池(SOFC)、環境浄化、水素製造(SOEC)分野への応用が期待できる。本研究では、ジルコニア電解質を用いたセルを電解に用いたときの効率の原理・理論を紹介し、実際の電解結果および水蒸気電解を用いた水素製造システムを報告する。
  • 山西 智士, 大幸 裕介, 嶺重 温, 矢澤 哲夫
    セッションID: 2J24
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    燃料電池用固体電解質の中温(200~600℃)領域作動が求められるが、実用的な材料開発には至っていない。中温領域でプロトン伝導性を示す物質としてあげられるSnP2O7は200℃で10-2 Scm-1程度の非常に高いプロトン伝導性を示す。しかしながらこの物質は難焼結性であるため、ガスリークの問題からそのまま燃料電池用電解質として用いることは難しい。そこで我々はガラスの熱的・化学的耐久性および成形性の良さに注目した。本研究ではガラスの結晶化法を利用してSnP2O7をガラス中に単相析出させることで、高い成形性を有する新規プロトン伝導材料の作製と伝導性の組成依存について検討したのでここに報告する。
  • 沖田 直人, 東出 彩花, 斉藤 美和, 山村 博
    セッションID: 2J25
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    LaYO3は1400℃焼成で斜方晶ペロブスカイト型構造、1600℃焼成で単斜晶希土類B型構造を示した。そこでABO3化合物でBサイトのイオン半径効果を調べるために、Yより大きいイオン半径(Ln=Dy, Ho)、または小さいイオン半径(Ln=Er, Yb)を用いてLaLnO3系の相関係を研究した。その結果、大きいイオン半径の場合は1400℃、1600℃と焼成温度に関わらず単斜晶希土類B型構造を示し、一方小さいイオン半径では焼成温度に関わらず斜方晶ペロブスカイト構造を示した。したがってLaLnO3系の結晶構造はLnのイオン半径の大きさに強く依存していることがいえる。そこでLnのイオン半径効果を詳細に検討するため、La(Ln,Ln’)O3の固溶体系で調査した結果、LaHoxYb1-xO3系もまた焼成温度に依存し様々な結晶構造を示した。
  • 橋本 裕也, 明石 孝也
    セッションID: 2J26
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    円盤状のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)焼結体両面の中心部にPtペーストとPt線を電極として取り付け,片面のPt電極の周りにAlを蒸着させた。YSZ焼結体のAlを蒸着した部分にステンレス合金管(SUS430、一端閉管)の開管側を密着させ,1073 K,2hの条件で熱処理し,YSZ焼結体とステンレス合金管を接合した。883~1073 Kの範囲の一定温度で,YSZ焼結体の両端に0.9 V の電圧を印加し,電流値の経時変化を測定した。定常状態における電流値の値から酸素ガスリーク速度を計算した。従来の1273 Kで接合したものよりも酸素ガスリーク速度が小さく,酸素ガスシール性が向上した。
  • 松田 悠弥, 勝山 陽介, 清野 肇, 島田 敏宏
    セッションID: 2J27
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    燃料電池に用いられる電解質融液は腐食性を持つ。燃料電池の寿命を向上させるために電解質による腐食に耐える構成材料の開発が必要である。本研究ではSi3N4系セラミックスが溶融炭酸塩型燃料電池の電解質に対して濡れが悪いことを見出した。このことは、Si3N4系セラミックス、またはそのコーティングを腐食性電解質からのシール材として応用できることを示している。組成や表面形状の異なるSi3N4系セラミックスと種々の電解質融液との接触角を測定し、濡れ性を評価した結果を報告する。
  • 堀田 裕司, 桑山 知也, 檜垣 達彦, 末次 寧, 坂根 正孝, 落合 直之
    セッションID: 2K01
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    人工骨は生体内に埋入後にできるだけ速やかに周辺骨と癒合することが望ましいと考える。我々は配向した連通気孔構造が生体組織の侵入に適した構造と考え、フリーズキャスティング法により配向連通気孔構造を有する人工骨を開発した。開発品はその構造的特徴に由来する優れた液体・細胞浸透性を発現した。さらに動物の骨内に埋植した結果、良好な骨伝導性を示し、同時に新生骨が材料内部に形成されることによる圧縮強度の増加が認められた。また生体骨はその構成成分であるコラーゲンやハイドロキシアパタイトが配向した構造を呈しているが、開発品はこのような微細構造を含めた骨の質的な再生にも効果的に働くことを示唆する結果も得られている。
  • 池田  潤二, 中西  健文
    セッションID: 2K02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    高純度アルミナやジルコニア等のセラミックスは、優れた生体適合性と耐スクラッチ特性から、人工関節の摺動部材として広く使用されている。高純度アルミナは優れた長期臨床実績を持つ反面、機械的強度の面でデザインの自由度の制限があり、ジルコニアは極めて高い曲げ強度を有するが、水熱条件下での自発的な相転移とセラミックス同士の摺動に不向きである等の課題を有している。今回新たに開発したジルコニア強化アルミナ(AZ209)では、これらの課題を払拭し、優れた機械的特性と安定性及び耐摩耗特性を両立することができた。これらの特性は、化学組成の最適化と併せて、結晶粒径の微細化などの製造工程のコントロールによって実現することができた。
  • 松本 智勇, 坂本 美知子
    セッションID: 2K03
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    生体骨組織は体の支持や造血をはじめ生命活動に影響する様々な機能を持ちながら、常に代謝サイクルを受けるダイナミックな組織である。従来のセラミックス人工骨は、骨組織の欠損部位に充填して周囲と骨癒合・一体化させることを目的としたが、近年は欠損部位の機能再生・同化が可能で、更に治療目的によって埋植部位に残留または吸収置換が可能な人工骨が求められている。要求事項を実現するための人工骨設計は、安全で骨癒合可能な素材、高気孔率化、気孔構造の制御、及び製造技術を開発することにあり、三重気孔構造を持つ超高気孔率セラミックス人工骨が開発された。さらに、開発された人工骨を速やかに提供するため薬事対応は重要であり、これらを視野に入れた開発を行なう必要がある。
  • 伊藤 奈津子, 上高原 理暢, 井奥 洪二
    セッションID: 2K04
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    リン酸八カルシウム(OCP)は生体内における水酸アパタイト(HA)の前駆体であると考えられている。OCPは生体材料としても盛んに研究されており、生体内に埋入したOCPがHAに転化し骨再生を促進したという報告もある。したがってOCPからのHAの転化挙動の解明は、骨形成機構の解明や骨部位に使用する生体材料の開発に重要である。本研究ではOCPを精製水に浸漬した。結晶相および粒子形態の経時変化を観察し、OCPからHAへの転化過程を考察しモデルを提案した。OCPからHAへの転化はトポタクティック反応であると考えられる。また、格子歪および組成ゆらぎにより粒子が割れたと推察される。
  • 上高原 理暢, 高橋 尋子, 井奥 洪二
    セッションID: 2K05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    α型リン酸三カルシウム(α-TCP)とアナターゼナノ粒子を混合し、それを成形したものを水熱条件下において水蒸気と反応させると、水酸アパタイト(HA)のチューブ状粒子が生成した。アナターゼ混合比を変えたところ、ある特定の混合比の場合に、HAチューブが多く生成した。これは、HAチューブの生成には適当な量のアナターゼ粉末の添加が重要であることを示す。さらに、HAチューブの生成過程を調べたところ、アナターゼがHAの結晶成長に影響を及ぼしてHAチューブが生成することが明らかとなった。
  • 長森 拓也, 朴 運炅, 上高原 理暢, 井奥 洪二
    セッションID: 2K06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    社会の高齢化が進行する中、骨欠損の症例に対する治療技術の発展が求められており、患者の生活の質(QOL)の観点から、高機能な人工骨材料の開発が求められている。近年、炭酸含有水酸アパタイト(CHA)は組成が天然骨に近く、高い骨再生能力をもつ可能性から、従来用いられる水酸アパタイト(HA)に代わる材料として注目されている。本研究では、異なる結晶構造をもつカルサイトとアラゴナイトからCHAを水熱合成し、その物性に与える影響を調査した。得られたCHAの炭酸含有量の定量や結晶性の評価を通じ、CHAの人工骨材料への応用を見据えた基礎知見の充実を目指した。
  • 山本 貴之, 横井 太史, 金 日龍, 菊田 浩一, 大槻 主税
    セッションID: 2K07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    α-リン酸三カルシウム(α-TCP)はリン酸カルシウムペースト(CPC)の主成分として用いられている。本研究ではCPCの液体成分に含まれているコハク酸の分子構造に着目し、類似した分子構造を持つグルタミン酸、フマル酸およびマレイン酸を共存させ、カルボン酸の分子構造および濃度がα-TCPの転化反応に及ぼす影響を調べた。その結果、転化反応速度はカルボン酸の種類に依存せず10mMまでは上昇し、それ以上では低下することが分かった。この原因は10mMまではカルボン酸がカルシウムイオンをキレートし、α-TCPの溶解を促進したためであると考えられる。一方、それ以上ではキレートによってHApの析出に有効なカルシウム濃度が低下したためであると考えられる。
  • 小笹 弘貴, 小幡 亜希子, 春日 敏宏
    セッションID: 2K08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    当研究室では、生分解性ポリマーであるポリ乳酸(PLLA)とシロキサン含有バテライト(SiV)との複合体(SiPVH)を開発した。この材料は骨再生に有効とされるケイ酸イオン及びカルシウムイオンを同時に溶出することができる。SiPVHを用い、エレクトロスピニング法により綿状材料の作製を行った。この材料は、繊維径10 μm以上を有しており、高い細胞進入性も期待される。また繊維表面のアパタイトコーティングが可能であった。三次元構造及び柔軟性を有する骨充填剤または、組織工学用スキャホールドとして応用が期待される。
  • 藤倉 喜恵, 小幡 亜希子, Jones Julian, 春日 敏宏
    セッションID: 2K09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究室では骨形成を促進する材料として、シロキサン含有バテライト/ポリ乳酸複合体(Si-PVH)を開発し、エレクトロスピニング法により不織布状の膜に成形することに成功している。Si-PVHファイバーマットは材料中のSi-Vaterite (Si-V)含有量が増加するほど、SBF浸漬によるアパタイトコーティングも迅速に行うことが可能となるが、繊維および膜全体が脆弱になり強度が低下するという問題点がある。本実験においては、アパタイト生成能と最適強度を併せ持つファイバーマットの作製を目的として、様々なSi-V含有量のSi-PVHファイバーマットの強度を評価した。SBF浸漬1日においてSiV含有量30 wt%以上のファイバーマットからアパタイト形成が確認され、特にSiV含有量20及び30 wt%において最大強度を示すという結果が得られた。
  • 梅本 奨大, 上高原 理暢, 井奥 洪二
    セッションID: 2K16
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    生体吸収性を持つα型リン酸三カルシウム(α-TCP)に種々の量のケイ酸を添加して,ケイ酸含有量の異なるケイ酸含有リン酸三カルシウムを湿式法で作製し,材料科学的に評価した. 試料はX線回折によりα-TCPと同定され,格子定数の算出から,結晶構造内にケイ酸が含有されていることが示唆された.骨との結合性を評価するために,擬似体液中に浸漬した.浸漬後の試料の表面観察を行うとともに,浸漬後の擬似体液の組成を調べた.その結果,ケイ酸含有量の多い試料は,材料表面に骨の無機主成分である水酸アパタイトが多く析出しており,ケイ酸含有の効果が示唆された.また,ケイ酸含有量の多い試料では擬似体液中にケイ酸の溶出が見られた.
  • 城崎 由紀, 早川 聡, 尾坂 明義
    セッションID: 2K17
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    病気や怪我等で自己治癒が不可能な骨欠損が生じた場合,患者本人の腸骨などの一部を採取して移植する「自家骨移植」が行われている。しかし,自家骨移植では採取できる骨の大きさに限界があり,健康な部分にメスを入れため患者の肉体的な負担が非常に大きい。そのため,自家骨に代わる生体吸収性の骨欠損部充填用材料が多種開発されている。発表者らは,新規ヒドロゲルを用いた骨充填用セラミックス粒子注入システムの構築を目的として研究を進めている。本研究では,キトサンとエポキシ基を有するγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)を分子レベルで複合化させて作製したヒドロゲルの細胞適合性について報告する。
  • 小幡 亜希子, 春日 敏宏
    セッションID: 2K18
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    シリコン種イオンによる骨形成性細胞の活性化効果が注目されており、様々なタイプのシリコン含有・徐放バイオマテリアルが研究されている。当研究室においても、種々のシリコン源を導入した「シロキサン含有バテライト」をすでに作製しており、生分解性ポリマーと複合化することで、新しいシリコン徐放材料を開発してきた。本研究では、シリコン源の違い、さらに供給システムを変化させたときの、マウス由来骨芽細胞様細胞の増殖とALP活性の変化を観察した。
  • 安藤 大志, 中村 美穂, 堀内 尚紘, 永井 亜希子, 遠山 岳史, 山下 仁大
    セッションID: 2K19
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    水酸アパタイト(HA)は骨や歯の主成分に近く生体親和性に優れているため,現在すでに幅広く臨床応用されている.一方,我々の研究グループはHAに分極という電気化学的な処理を施すことによって材料表面の濡れ性や骨伝導能が促進されることを報告している.しかしながら,どのような過程で濡れ性や骨伝導能が促進されるのかについては明らかでない.そこで,本研究では分極条件の異なるHA上での接触角測定および骨細胞の接着の様子を観察し,分極HAが材料表面特性と骨細胞に与える効果について検討を行った.実験の結果より,分極時の温度が材料表面の濡れ性や骨細胞の接着能に影響を与えていることが示唆された.
  • 王 文斯, 緒明 佑哉, 今井 宏明
    セッションID: 2K20
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    水酸アパタイト(HAp)は骨や歯を構成する無機成分であり、生体親和性が高く、また組織と直接結合するという点から、生体材料として重要である。骨や歯においては、HApのナノ結晶が結晶方位を揃えて配向した構造を構築しているが、人工的に同様の構造を合成することが困難である。また、HApのナノ形態の骨芽細胞に対する親和性の知見は少ない。本研究では、c面を露出した基板結晶の上で、HApナノロッドを成長させ、歯のエナメル質に類似した高度に配向したHApナノ構造体の作製に成功した。HApの成長条件とナノ構造との関係を明らかにするとともに、配向したHApナノ構造体の骨芽細胞との親和性を検討した。
  • 三浦 舞子, 深澤 潤, 安冨 由美子, 前橋 はるか, 松浦 知和, 相澤 守
    セッションID: 2K21
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    我々はアパタイト単結晶ファイバーとカーボンビーズを用いて三次元連通気孔を持つアパタイトファイバースキャフォルド (AFS) の開発に成功している。さらに、我々はAFSをラジアルフロー型バイオリアクター (RFB) に装填し、ラット骨髄由来間葉系幹細胞 (RBMC) を三次元培養することにより再生培養骨を構築した。本研究では、AFSとRBMCを用いて再構築した再生培養骨内の骨芽細胞の分化におけるRFB内の培地の流速の影響を調査した。流速を1.3 cm3∙min-1に設定した再生培養骨を “bone#1” 、6.3 cm3∙min-1に設定したものを “bone#2” と定義した。bone#2 の培養条件で構築した再生培養骨の単位DNAあたりのALP活性およびOC量は、bone#1のものよりも高かった。この結果は、より速い流速が骨芽細胞の分化を促進することを示している。
  • 飯田 俊二, 原田 尚樹, 横山 敦郎, 赤澤 敏之, 柏崎 晴彦, 村田 勝, 伊東 学, 中島 武彦
    セッションID: 2K22
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    水酸アパタイト(HAp)の表面改質と細胞機能設計を目的として、超音波溶解処理によりHApを部分溶解後、骨芽細胞様細胞を静置培養し、その微細構造と細胞接着特性の関係を検討した。HApセラミックスを硝酸水溶液に完全溶解後、同種試料を浸漬し、超音波溶解、洗浄、乾燥により部分溶解HAp(PD-HAp)セラミックスを作製した。 PD-HApでは、キャビテーションに由来するクレーター状ミクロ細孔と微小亀裂が観察された。それらをディッシュに入れ、メディウムにMG-63細胞を播種、3日間静置培養し、細胞数を計測後、細胞を固定、接着界面を観察した。播種3日後では、超音波溶解20min群の細胞数は未処理群に比べ有意に増加し、その細胞形態はPD-HAp上で多層膜状に接着することが分かった。
  • 村田 勝
    セッションID: 2K23
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    2009年韓国で象牙質マテリアルのメディカルサービスが事業化し,2011年ソウル国立大学病院に象牙質移植のためのプロセッシングセンターが開設された.2003年私達が自家象牙質移植の世界初症例(臨床研究)を公表したことと医療ニーズに基づいた歯の自動粉砕装置を産学官連携で開発(経産省事業)した点に日本の優位性がある.本技術は,抜去歯を加工処理して骨再生に使用するという独創的な歯科医師提案型医療システムである. 象牙質と骨は化学的成分が類似しており骨誘導能がある.酸処理象牙質は未処理象牙質より早期に骨を誘導することが知られている.成長因子を中心とした象牙質マテリアルのサイエンスや象牙質移植部の組織像,新技術のアジアへの拡大について紹介する.
  • 伊東 学
    セッションID: 2K25
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    高齢化社会の到来を迎え,高齢個人の高いQOL維持が重要な臨床課題となる.硬組織である骨は体幹荷重を支え,人の歩行や運動に最も寄与している重要臓器である.転倒による四肢骨や脊椎骨の骨折は,高齢者が介護になる3大原因のうち,脳卒中,老衰に続き第3位であり,女性が寝たきりになる第1の原因である.従来,骨粗鬆症は骨量が減少し骨折しやすい状態と定義されていたが,近年では骨量より骨質が骨強度に大きな役割を演じていることが明らかになった.演者は高齢者の骨粗鬆症性脊椎骨折の治療に永年携わり,生体材料を用いた脊椎手術を数多く行ってきた.その臨床経験から,脊柱再建術の歴史を振り返り,バイオマテリアルの現状と将来必要とされるマテリアルへの期待について講演する.
  • 石田 兼基, 片桐 清文, 河本 邦仁, 冨田 恒之
    セッションID: 2L01
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    バイオイメージングの蛍光マーカーには有機系蛍光色素や量子ドットが一般的に良く用いられている。しかしながら、これらの励起光が生体透過性が低くかつ人体に対して有害である紫外光であるなど課題が多い。そこで本研究では、励起光源が生体に対して高い透過性を持ち、無害な近赤外光であるアップコンバージョン(UPC)蛍光体に着目した。ナノ粒子として合成が可能なオレイン酸被覆UPC蛍光ナノ粒子として、NaYF4を選択し、これを液相プロセスによって合成した。ドープする希土類の種類を変えることで緑や青など様々な色の発光を試みた。また得られた粒子を脂質膜で修飾することによって、水系溶媒に対して完全に分散し、UPC蛍光を維持するハイブリッドナノ粒子の合成にも成功した。
  • 新居 沙桜里, 伊丹 伸, 小西 智也, 西脇 永敏
    セッションID: 2L02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    現在、希土類添加ナノ蛍光体を用いたバイオイメージングが提案されている。本研究では、その蛍光プローブに有望なEr3+添加LaOClに着目をした。蛍光プローブへの応用のためには、粒子の表面を生体機能性分子で修飾させる必要がある。本研究では、まず初めに、簡単な分子構造である、無水酢酸を用いて粒子の表面の修飾を試みた。拡散反射FT-IRスペクトルを測定した結果、C=Oに関連した吸収が観測され、粒子の表面が修飾されたことが確認できた。また、修飾後の粉末に励起光として980 nmの近赤外光を照射し、蛍光スペクトルを測定した結果、550 nm付近で緑色のアップコンバージョン発光を確認することができた。
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