日本顎口腔機能学会雑誌
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10 巻, 2 号
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  • 田中 栄二
    2004 年 10 巻 2 号 p. 127-133
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    顎関節円板は下顎頭と下顎窩との間に介在する線維軟骨性組織である.その主な構成成分はコラーゲン線維とその線維の間隙を満たすプロテオグリカンであり, これらの構成成分が顎関節円板の持つ粘弾性特性に関連している.結果として顎関節円板は機能時に応力緩衝帯としての重要な役割を果たしている.円板の有する粘弾性特性は負荷の方向, 大きさ, 速度および様式によって大きく異なる.加えて, この特性は加齢, 外傷, 疾患のように一生のうちに生じる内因性あるいは外因性の因子によって変化するものである.このように多様な顎関節円板の力学特性に関する情報は顎関節円板に対する再生医学の進歩には必要不可欠である.本稿では, 顎関節円板の様々な力学的環境における生体力学的性状を紹介するとともに, 最適な顎関節置換物の開発や顎関節円板の再生医学の可能性について考察する.
  • 馬渕 清資, 大田 未知
    2004 年 10 巻 2 号 p. 135-139
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    関節のトライボロジの観点からの研究の歴史的な経過を解説し, 関節の潤滑機構に関する筆者の現在の考え方を, いくつかの研究結果とともに示す.20世紀初頭以来, 関節の優れた潤滑機構を説明するために提唱されたいくつかの考え方は, 1980年代に流体潤滑と境界潤滑の複合した多モード潤滑機構に統一された.しかし, 近年筆者が, ロボットアームを主要な測定装置として動物関節の摩擦測定を行った詳細な研究によると, 境界潤滑の効果は, ほとんど認められず, もっぱら流体潤滑が主たる関節潤滑のメカニズムであると考えられることが示された.
  • 澄川 拓也, 岡 久雄, 川添 堯彬
    2004 年 10 巻 2 号 p. 141-150
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    インプラントの埋入深さとインプラントの動揺度との関係について皮質骨支持のある条件とない条件問で比較検討した.
    真鍮製の直径4mmの擬似インプラントを用いて, 海綿骨のみによる支持を想定した一購造インプラント植立模型および, 皮質骨と海綿骨による支持を想定した二層構造インプラント植立模型を製作した.インプラントの表面は, 平均粒子径75μmのガラスビーズを用いてサンドブラスト処理を行った.皮質骨部の厚さは2mmに設定し, エポキシ棚旨を用いて製作した.海網部は, ポリエステル棚旨を用いて製作した.埋入深さは, 7, 9, 11, 13, 15および17mmの6水準とした.
    Implant movement score (IM値) の測定は, Implant movement checker (IMチェッカ) を用いて水平方向から行った.埋入深さおよび植立ブロックの構造が異なる12種類のインプラント植立模型のIM値について二元配置分散分析を行い, 平均値間の検定を行った.分散分析の結果, 有意差が認められた場合は, Tukey-Kramerの多重比較検定を行った.統計学的有意水準は1%に設定した.
    インプラントの埋入深さの増加にともないIM値は減少傾向を示した.一層構造模型では, 埋入深さ7mmと13mm問においてIM値に有意差力.一認められた (P<0.01) .しかし, 埋入深さ13, 15および17mmにおけるIM値は, ほぼ同じで有意差は認められなかった.二騰造模型では, 埋入深さ7mmと11mmにおいてIM値に有意差が認められた (p<0.01) .しかし, 埋入深さ11, 13, 15および17mmにおけるIM値は, ほぼ同じで有意差は認められなかった.また, それぞれの埋入深さにおいて, 二層構造模型のIM値は一層構造模型より有意に小さい値を示した (P<0.01) .
    IMチェッカは, 埋入深さの異なるインプラントの動揺を客観的に評価することが可能であり, 皮質骨はインプラントの動揺度減少に寄与していること, またインプラントの埋入深さを増加させた場合, それ以上深くしてもインプラントの動揺度に差のない埋入深さが存在することがわかった.
  • 本間 済, 河野 正司, 武川 友紀, 小林 博, 櫻井 直樹
    2004 年 10 巻 2 号 p. 151-160
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    咀嚼能力を評価するには, 粉砕から食塊形成および嚥下までの全過程を観察する必要がある.しかし, これまで種々行われてきた咀嚼能力の評価方法は, その大半が粉砕能力評価を主体とした評価法であった.そこで, 食塊形成能力を含めた咀嚼能力を簡易に評価できる方法を考案し, 有効性の検討を行うことを目的として以下の実験を行った.
    食塊形成能力の指標を唾液分泌能力と舌側移送能力の2つと考え, 吸水量の異なる煎餅における嚥下までの咀嚼回数が, それら食塊形成能力と, どのような関係にあるかの検討を行った.
    被験者は, 健常有歯顎者 (男性14名, 女性7名) とした.舌側貯留率と粉砕度は, ピーナッツを一定回数咀嚼させ計測した.また, 唾液分泌量と煎餅の嚥下までに要した咀嚼回数を計測し, それぞれの相関を求めた.
    結果: 1.唾液分泌量と煎餅の初回嚥下までの咀嚼回数との問に負の相関が認められ, 唾液分泌能力の高い者は嚥下までの咀嚼回数が少ない事が認められた.
    2.ピーナッツの舌側貯留率と煎餅の初回嚥下までの咀嚼回数との間に負の相関が認められ, 舌側移送能力の高い者は嚥下までの咀嚼回数が少ない事が認められた.
    3.上記の関係は, 吸水性の高い煎餅で顕著であった.以上の事より, 吸水性の高い煎餅の初回嚥下までの咀嚼回数を計測するこの評価法は, 食塊形成に密接な関係がある唾液分泌能力および舌側移送能力を予想する事ができた.この方法によりチェアサイドで食塊形成能力を含めた咀嚼能力を簡便に評価できることが分かった.
  • 豊里 晃, 野村 修一
    2004 年 10 巻 2 号 p. 162-163
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
  • ―睡眠階段―
    志賀 博, 小林 義典, 荒川 一郎, 横山 正起, 庄内 康晴, 雲野 美香
    2004 年 10 巻 2 号 p. 164-165
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
  • 小川 匠, 重田 優子, 安藤 栄里子, 平井 真也, 須摩 真由美, 福島 俊士
    2004 年 10 巻 2 号 p. 166-168
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
  • 藤村 哲也, 坂東 永一, 重本 修伺
    2004 年 10 巻 2 号 p. 170-171
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
  • 大田 未知, 田倉 明子, 馬渕 清資, 柴田 考典
    2004 年 10 巻 2 号 p. 172-173
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
  • 山田 好秋, 川原 祐三, 斎藤 米蔵, 平野 秀利
    2004 年 10 巻 2 号 p. 174-175
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
  • ―マウスを用いた機能分析―
    山田 正彦, 古賀 義之, 岡安 一郎, 大井 久美子, 山田 好秋, 吉田 教明
    2004 年 10 巻 2 号 p. 176-177
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
  • ―安静時の再現性と温罨法前後の変化―
    岡田 和樹, 山口 泰彦, 小松 孝雪, 松樹 隆光, 後藤田 章人, 三好 貴之
    2004 年 10 巻 2 号 p. 178-179
    発行日: 2004/04/30
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
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