日本神経回路学会誌
Online ISSN : 1883-0455
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21 巻, 1 号
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巻頭言
解説
  • 吉田 正俊
    2014 年 21 巻 1 号 p. 3-12
    発行日: 2014/03/05
    公開日: 2014/05/16
    ジャーナル フリー
    サリエンシーとは視覚刺激が空間的配置によってボトムアップ性注意を誘引する特性のことを指す.サリエンシー·マップとは計算論的な概念で,視覚の基本的な特徴,たとえば輝度や方位によるサリエンシーが平行して計算された後に足しあわされて作られた単一のマップのことを指す.本解説ではサリエンシー·マップとその視覚探索解析への応用について記す.とくに,著者が以前行った,盲視モデル動物としての第一次視覚野損傷サルへの応用について詳述する.
  • 南 哲人
    2014 年 21 巻 1 号 p. 13-19
    発行日: 2014/03/05
    公開日: 2014/05/16
    ジャーナル フリー
    ヒトにとって,顔は,一般的な視覚刺激であり,重要な社会刺激である.われわれは,顔からは,個人,性別,年齢,感情状態などのさまざまな情報を得ることができる.これまで,行動実験やfMRIや脳波などの脳イメージング研究から,顔認知処理に関して,さまざまな研究が行われてきた.その研究のほとんどが,顔の輪郭や顔のパーツ配置など,顔の構造情報に関係するものであった.しかしながら,近年,顔色などの,顔の表面情報も顔認知に重要なことが示されてきた.そこで,われわれは,これまで,顔の色情報が顔認知処理にどのような影響を与えるのかを調べるために,通常の顔色から逸脱した顔色の視覚刺激を見たときの,脳波成分について調べてきた.その結果,顔に関係するN170成分の振幅が大きくなった.N170は顔の初期検出の指標ではないかといわれていることから,本研究におけるN170振幅の増大は,顔色を顔の初期検出の際に使用している可能性を示唆している.
  • 和久井 秀樹, 平田 豊
    2014 年 21 巻 1 号 p. 20-31
    発行日: 2014/03/05
    公開日: 2014/05/16
    ジャーナル フリー
    日常生活においては,覚醒度の変化が,事故につながることや健康状態を把握するための指標になることがある.そのため,安全·安心な社会を実現するための取り組みとして,ヒトの覚醒度を把握する方法が検討されている.近年では,映像·画像処理技術の進歩により,瞳孔·眼球運動に覚醒度低下状態が感度良く反映されることが明らかになってきた.しかも,本人がまだ眠気を自覚する前からそのような変化は現れる.本稿では,覚醒状態と瞳孔運動および各種眼球運動(サッカード運動,前庭動眼反射,輻輳性眼球運動)との関係についてまとめ,それらに関与する神経機構について考察する.
報告
会報
編集後記
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