日本神経回路学会誌
Online ISSN : 1883-0455
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22 巻, 4 号
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巻頭言
解説
  • 秋間 学尚, 佐藤 茂雄
    2015 年 22 巻 4 号 p. 152-161
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2016/02/05
    ジャーナル フリー
    物の動きや空間的位置関係を把握する空間認識は,視覚系の主要な役割の一つである.空間認識には奥行き手がかりが必要であり,単眼で得られる運動視差を利用した手法として運動立体視(運動視)がある.我々は,川上らによって提案された運動視による空間認識を行う神経回路網モデルをハードウェアに実装し,自動運転車や自走型ロボットなどに応用することを目指している.その第一歩として,V1野とMT野の神経回路網モデルに基づき局所運動を検出するLSIのプロトタイプを設計した.本稿では,LSI化に向けたモデルの簡略化,設計したLSIの構成とRTLシミュレーションによる動作検証,及び性能評価の結果について紹介する.
  • 浅井 哲也
    2015 年 22 巻 4 号 p. 162-169
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2016/02/05
    ジャーナル フリー
    精巧な神経ネットワークモデルを集積回路上に再構築してそこから逆に脳機能を解明しようとするサイエンス指向の「ニューロモルフィック工学」と,抽象度の高い脳モデルを専用集積回路や計算機·演算アクセラレータ上に実装して利活用を目指す応用指向の「脳型機械学習ハードウェア」.両者の変遷と最近の動向についてまとめ,今後それらの研究が何を目的にどこへ進むかについて考察する.
  • 安藤 博士
    2015 年 22 巻 4 号 p. 170-180
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2016/02/05
    ジャーナル フリー
    脳神経活動による情報処理の仕組み解明やブレイン・マシン・インタフェースの実現には,神経活動を大規模にリアルタイムで同時計測・解析する仕掛けが必須である.そのためには,神経電極・信号増幅集積回路・無線データ伝送回路・無線給電回路・電子機器封止技術・生体適合素材・ビッグデータ解析技術・ロボット工学など,様々な分野の技術応用が不可欠である.本解説では,神経信号データを取得し伝送するまでの技術であるマルチチャネル神経信号計測システムのハードウェア開発に焦点を当て,構成要素・テクノロジー・研究事例について解説を行う.
  • —多点電極アレイを用いた計測を中心に—
    田中 宏喜
    2015 年 22 巻 4 号 p. 181-188
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2016/02/05
    ジャーナル フリー
    大脳皮質神経回路の動作様式を理解するために,多点電極アレイを使ったin vivo神経細胞集団のスパイク活動計測が数多く行われている.今回そのような研究の1例として,第一次視覚野(V1野)における神経活動同期に関する研究を紹介する.V1野では,細胞同士が数ミリ秒の精度で同期して発火する正確な同期と数十ミリ秒オーダーの緩やかな同期がみられる.近年,多点電極アレイを用いて,これらの同期を示す細胞集団の空間構造や応答特性などが詳細に調べられ,その機能やメカニズムを考える上での新たな知見が得られた.本稿では初期の研究を振り返るとともに,多点電極アレイによる研究成果を述べる.
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会報
編集後記
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