日本神経回路学会誌
Online ISSN : 1883-0455
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22 巻, 1 号
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巻頭言
解説
  • 松嶋 藻乃
    2015 年 22 巻 1 号 p. 3-15
    発行日: 2015/03/05
    公開日: 2015/05/15
    ジャーナル フリー
    私たちは,脳の処理能力をはるかに超える感覚入力の中から,重要度に応じて情報をふるい分け,日々意思決定を行っている.本稿では,①認知能力を制限し,②情報を取捨選択するメカニズムについて,サルを用いて研究してきた成果を紹介する.第一に,複数の物体に対して注意·記憶する際,それらの相対位置によって前頭前野ニューロン活動が異なり,それによって相対位置による認知容量の違いを説明できることを示した.第二に,前頭前野には,重要な情報を強調する信号に加えて,不要な情報を無視する信号が存在することを明らかにした.これらは,前頭前野の活動が,認知能力の限界を定めつつ,それの効率的な配分に寄与していることを示唆する.
  • 横井 惇, 平島 雅也, 野崎 大地
    2015 年 22 巻 1 号 p. 16-29
    発行日: 2015/03/05
    公開日: 2015/05/15
    ジャーナル フリー
    左右差は自然科学·人文科学を問わず様々に人々の興味をかき立てる魅力的な研究対象であり,生物の行動を神経回路-細胞-分子などの複数の階層から理解しようとするシステム神経科学の立場からも,ひとつの興味深い系であるといえる.本稿では,筆者らの最近の研究であるヒトの両腕動作における情報表現の左右差の紹介を交えながら,運動系における左右差について紹介する.
  • 赤石 黎
    2015 年 22 巻 1 号 p. 30-36
    発行日: 2015/03/05
    公開日: 2015/05/15
    ジャーナル フリー
    Neuroeconomicsと呼ばれる研究分野は神経科学と経済学や動物行動学などの行動科学との融合から目覚ましい発展を遂げてきた.この基礎にあるのは,脳が果たす機能を「行動選択に影響を及ぼす変数(value)を設定し,その期待値を,選択を通して最大化する」ことだと捉えるという考えであった.さらに学習理論などから,このvalueは行動の結果により更新されていくと考えられてきた.しかし最近,この単純なvalueの概念について見直しを迫るような研究が相次いで発表されてきている.今回は筆者自身の研究を中心に,行動の選択とvalueの更新の関係性に焦点をあて解説してみたい.
  • 石川 理子
    2015 年 22 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 2015/03/05
    公開日: 2015/05/15
    ジャーナル フリー
    Visual cortical neurons selectively respond to particular features of visual stimuli and response selectivity emerges from specific neuronal connections. Previously, it is demonstrated that multiple fine-scale networks of precisely interconnected layer 2/3 (L2/3) pyramidal neurons are embedded in rat visual cortex. We investigated the effects of early visual experience on the development of individual synaptic connections and fine-scale networks in rat visual cortical slices. We demonstrated that patterned vision is required for the emergence of the fine-scale network, whereas diffuse light stimulation is sufficient for the maturation of individual synapses, suggesting that early visual experience is critical for the normal development of visual cortex.
報告
会報
編集後記
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