本研究の目的は,機能性尿失禁リハビリテーションプログラム開発の基礎的資料を得るために,従来の看護計画の構造とその問題点を明らかにすることである.対象は,脳損傷後に機能性尿失禁をきたしリハビリテーション実施中の患者146名に実施された延べ783件の看護計画である.Mayringに従って説明的内容分析,要約的内容分析,構造化内容分析を行った.また,実施困難だった看護計画の問題を抽出し,原因別に分類した.
その結果,従来の看護計画は,「脳損傷後の自主的な排尿行動が行えるための精神的,身体的環境の調整介入」,「脳損傷後の新しい排尿動作スキル獲得のための介入」,「脳損傷後の特異的な障害から起こる排尿の問題に対する代替的な介入」の3領域からなり,それぞれ4,1,4の計9カテゴリーによって構成されていた.一方,看護計画を困難にする問題点は5カテゴリーに分類された.以上の結果を取り入れることにより,看護計画をより効果的にできる可能性が示唆された.
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