器質性脳障害が無く, 中心-中側頭部領域に局在性てんかん発射を有するてんかん小児74名の臨床経過を, その発作像により, I群: 部分発作のみ (19例), II群: 部分発作十二次性全般化発作 (35例), III群: 二次性全般化発作のみ (20例) の3群に分けて比較検討した。熱性痙攣の家族歴はIII, III群でI群より有意に多くみられ, 熱性痙攣の既往歴も同様の傾向が認められた。発作は, I群においては覚醒時に, III群においては睡眠時に多くみられた。また, 治療開始から発作消失までの期間は, III群で最も短く, 1群で最も長かった。中心-中側頭部にてんかん波を有する症例のうち, 部分発作に終始するものと, 全般発作のみを認める群の間には異なる臨床特性が認められた。
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