抗てんかん薬 (antiepileptic drugs: AED) の催奇性の機序解明の一環として、胎児毒性との関連が指摘されているepoxide体の加水分解酵素epoxide hydrolase (EH) および抱合酵素glutathione S-transferase (GST) の両酵素活性に与えるcarbarnazepine (CBZ) 、phenobarbital (PB) 、phenytoin (PHT) 、valproic acid (VPA) 、zonisamide (ZNS) の影響を検討した。ラット肝マイクロゾームを用いて両酵素の活性を各AEDの影響下で対照群と比較検討したところ、VPAはEHおよびGST (2-2、4-4、7-7) 活性を治療濃度 (50~100μg/ml) より濃度依存性に抑制し、CBZ (10μg/m
l) およびPB (40μg/m
l) は治療濃度よりGST7-7活性を有意に抑制した。一方、PHTおよびZNSはEH、GSTの両酵素活性に対し治療濃度では影響を与えなかった。以上の結果から、VPA、CBZおよびPBを含む多剤併用時の奇形発現の増加の一因として、これらの薬剤によるepoxide解毒機構の低下が関与する可能性が示唆された。
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