要旨:Dravet症候群に対するfenfluramine(FFA)療法の有効性と安全性を評価した。対象は2022年11月から2023年8月の間に当センターでFFAを投与したDravet症候群5例とした。全例で焦点起始両側強直間代発作(focal to bilateral tonic clonic seizure:FBTCS)が主体の発作型であり、FFA療法前のFBTCS頻度は中央値4(2~12)回/月であった。FFA開始年齢の中央値は7.6(2.4~10.9)歳、FFA維持投与量は0.31(0.13~0.38)mg/kg/日であった。FFA投与後、6カ月時点のFBTCSの平均発作頻度は中央値0(0~3)回/月に減少し、FBTCSの最長発作抑制期間は中央値51(30~180)日に改善した。Dravet症候群のてんかん発作に対してFFAは有用であり、治療抵抗性を示す場合には治療選択順位を上げることが望ましい。
2017年に国際抗てんかん連盟(ILAE)の用語・分類委員会は、てんかん発作とてんかん分類に関する新たな提言を行った。ILAEは、発作の症状、脳波、画像、発達の様子など、症状や経過の特徴に共通項をまとめ、これらが共通するグループを新たに2022てんかん症候群として提言した。てんかん症候群は、臨床症状や脳波所見の特徴的な集合体であり、しばしば特定の病因(構造的、素因性、感染性、代謝性、免疫性)により裏付けられるものと定義した。その診断意義についてしばしば予後や治療に関する示唆を与えるとし、特性について多くは特定の年齢帯で発症し、年齢依存的な臨床像とさまざまな特有の併存症を示すと説明している。症候群が判明すれば、経過や予後を知ることができ、有効な治療方法や併存症を含めた対応が可能となり、治療終了後の再発率などをある程度推測することができる。
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