小児てんかんのうち10歳以後に発症するてんかん (遅発群) の特徴を明らかにするために, 遅発群109例と, 10歳未満発症の対照群207例について比較検討を行い, 以下の結果を得た。
1) 局在関連性てんかんでは特発性, 症侯性ともにみられるが, 全般てんかんでは特発性が多く, 症候性は稀である。
2) てんかん波は焦点性皮質性発射が50.4%にみられ, その焦点部位は前頭医, 側頭医に多く, 中心・頭頂部にはむしろ少ない。
3) 推定原因として, 素因性および原因不明が多くみられ, 両者が68.7%を占めていた。
4) 治療予後では, 予後良好例が多い (75.9%) が, 一方, 難治例 (11.5%) は乳児期に次いで比較的高率であった。
5) 成人てんかんとは臨床的脳波学的に共通する点が多くみられた。
6) 初診時に遅発群の予後を予測するチェックポイソトを提示した。
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