日本食品工学会誌
Online ISSN : 1884-5924
Print ISSN : 1345-7942
12 巻 , 3 号
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原著論文
  • 阪田 治, 鈴木 裕, 松田 兼一, 佐竹 隆顕
    2011 年 12 巻 3 号 p. 81-89
    発行日: 2011/09/15
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    食品デザインの場に生体情報に基づく食品評価技術を導入することにより,付加価値の高い食品開発が可能になるはずである.我々は消化器官の中でもとくに小腸に注目し,小腸の消化活動の活性度が個人の体質や健康状態と摂取した食品との相性によって変化すると考え,小腸の蠕動運動活性度を指標とした個人の体質・体調に適した食品のデザインに利用できる基礎技術を提案する.国内医療機関では超音波診断装置が広く普及し,消化管の状態や運動を観察する技術が確立されているが,その技術体系は主に臓器の異常を発見するためのものであり,正常に働く臓器を詳細に観察するために構築された技術ではない.しかし我々の目的は,健常者から重症患者までの様々な状態にある人間を対象とした,消化活動モニタリング技術の開発である.そこで,超音波動画像処理によって小腸が消化物を移動させていく蠕動運動の様子を1つの物差しで定量的に表現する方法を考案した.
  • 七崎 裕介, 萩原 知明, 﨑山 高明
    2011 年 12 巻 3 号 p. 91-98
    発行日: 2011/09/15
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    食品製造機器表面に芽胞が残存した場合,栄養細胞よりも熱や薬剤の殺菌処理に耐性が強いため,対処が困難になる危険性が高い.本研究では,食品の例として牛乳に懸濁した状態でステンレス鋼平板およびポリプロピレン平板上で乾燥された芽胞に対して水による攪拌洗浄実験を行い,その付着性の強さについて検討した.乳脂肪分含量のみが異なる乳製品と共存した場合,洗浄後の芽胞残存率は乳脂肪含量に関わらず低レベルであった.希釈した牛乳に芽胞を懸濁して同様に付着・洗浄実験を行ったところ,共存する牛乳の濃度が減少すると洗浄後の芽胞残存率が増加した.したがって,両素材平板に対する芽胞の付着力は本来強いが,脂肪以外の乳成分が共存すると芽胞の付着力を弱めて脱離性が高まることが示された.そこで,脱離性に及ぼす乳成分の影響を検討するために,ホエイパウダーおよび乳糖の水溶液に芽胞を懸濁して同様の実験を行った.その結果,共存するホエイの固形分濃度が増加すると洗浄後の残存率は減少したが,乳糖の場合には濃度に関わらず芽胞残存率は高いレベルのまま一定であった.以上の結果,ホエイ中のタンパク質は芽胞の付着力を弱めるのに対して,乳糖は付着力に影響を与えないことが示された.
技術論文
  • 三輪 章志, 中村 恵美, 小林 昭一
    2011 年 12 巻 3 号 p. 99-105
    発行日: 2011/09/15
    公開日: 2015/06/18
    ジャーナル フリー
    加工食品は,加熱工程や保存中に酸敗を受けやすいので抗酸化剤が使用される.しかし,天然物由来の抗酸化剤であっても利便性や安全性を完全に満足していない.そこで,加工原料として広く利用されている糖質系食品素材に酒石酸を添加して加熱処理だけで簡便に抗酸化能を付与できる技術を開発し,ANOX糖と命名した.ANOX糖を製造すると糖質系食品素材の抗酸化能が向上すると同時に,素材の褐変や酸味など食品素材として不適な特徴も付与される.本研究では,これらの加工原料として不適な特徴をできるだけ押さえて抗酸化能を向上させるANOX糖製造条件を検討した.その結果,特性として抗酸化能が10 μmol trolox/g以上,素材色調が明度60以上,酸味度が10.7以下のANOX糖が得られる製造条件として,①200℃,180分酒石酸1 g,②200℃,180分酒石酸0.5 g,③190℃,180分酒石酸1 gの3条件を見出した.
 
注目しています.その技術!
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