水資源・環境研究
Online ISSN : 1883-9398
Print ISSN : 0913-8277
ISSN-L : 0913-8277
1990 巻 , 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 在間 正史
    1990 年 1990 巻 4 号 p. 1-14
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    長良川は木曽川水系に属し、本流にダムのない河川である。木曽川水系水資源開発基本計画の一つとして、長良川河口堰が計画されて20年が経過した。
    しかし、その間に、水供給地域の愛知県、名古屋凧三重県では、工業用水は需要が低下し、水道用水も需要が横ばい又はその伸びが鈍化しており、2000年になっても長良川河口堰の用途は見込まれない。地盤沈下代替用水としても長良川河口堰は不要である。1986年木曽川渇水は、河川維持用水量の削減等により、これを乗り切ることができ、災害的渇水時の対応のあり方と河川維持用水量の再検討の必要性を示した。
    長良川河口堰は計画の見直し=中止の検討がなされるべきである。それがなされていないのは、水資源開発計画が計画行政でありながら、定期に計画の見直しを行う制度と手続がないためである。
  • 木村 一夫
    1990 年 1990 巻 4 号 p. 15-23
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2009/04/30
    ジャーナル フリー
    1957年12月10日,揖斐川上流域が電源開発株式会社の調査区域に指定された。
    調査対象となった岐阜県揖斐郡藤橋村および徳山村の両住民とも相ついで「村民大会」「村議会」などで「ダム反対」の決議をした。これに対し建設省は,その後,発電計画だけでなく,洪水調整など公共の福祉につながる「多目的ダム」とした。水没予定者の間では,「反対派」と「条件付賛成派」の2派に分裂した。
    藤橋村の「横山ダム」が完成してから約12年以上経過し,「徳山ダム」建設事業は,建設省から水資源開発公団に継承された。徳山村では,村民は3派に分裂した。“日本―のダムならば日本―の補償”という幻想は,山の人達を“金しばり”とした。
    二つの「多目的ダム」開発によって“揖斐谷”住民の生活は,どのように変転したか。過疎問題をふまえて,小論は15年間の追跡調査を総括する。
  • 松川 康夫
    1990 年 1990 巻 4 号 p. 24-27
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    内湾の自然は人間にとって大きな価値を持っている。この価値ある自然は、内湾特有の地形と適度な栄養供給によって支えられていたが、大規模な埋立て、窒素・燐流入負荷の増大、ごみ投棄などによって損なわれた。損なわれたとは言え、内湾の自然はなお生きており、なお利用され続けている。これに様々な改善策を施すならば、市民の憩いの場としては勿論、漁場としてもその利用を拡大出来る。
  • 雄倉 幸昭
    1990 年 1990 巻 4 号 p. 28-35
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    最近、河川や港湾など水系の開発については、治水・利水のほかに親水を加えることが常となった。しかしこの親水は、治水や利水のように計算された構造物として解答が出るわけではなく、こうありたいと言う個々人の願望の集積が答である。従ってそれは測り難く、また立場、地域あるいは時代によって大きな幅がある。
    この調査はSD法を用いて、今の淀川に関する沿川住民のまだ集約―いわゆる住民運動のような形で―されていない第一の声を聞く目的で行った。
    その結果は、意外とも言えるものであった。「自然」願望といえども、人々は決して「危険も伴うあるがままの自然」ではなく、整備され、利用しやすいように設備された、安全で人工的な「自然」、すなわちオープンスペースとしての機能のみを求めていた。もちろん都市河川淀川についての調査であるから、四万十川や尾瀬と同一とは言えないまでも、一つの言葉に集約されて、「自然を残せ」と言ううねりになったとき、その意味を読み誤るかも知れないことを気づかせる結果であった。
  • 鷲見 一夫
    1990 年 1990 巻 4 号 p. 36-51
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    現在、地球的規模での環境破壊が深刻な状況にあるが、その原因の一つに開発途上国における大規模な開発行為が挙げられ、ダムの建設もその例にもれない。この場合、多くは、世銀などの国際融資機関と先進援助国の開発プランナーによる地元を無視した開発プランが独走し、環境破壊のみならず数万人単位の生活破壊が発生する。従って、巨額の資金援助を中止し、現地の実情に即した援助方法を再検討すべきである。
  • 土屋 正春
    1990 年 1990 巻 4 号 p. 52-59
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    環境問題の深刻化と広域化とが進行している中で、それに対応する政策の内容は、その策定がいかなる方法によるのかという問題と不可分の関係にある。議会のあり方が改め問われるべきで、問題への対応の早さで知られるアメリカの議会では、圧倒的に議会の政策策定能力が高く、行政をリードしている。その背景には、スピードと密度とを支え、しかも国民意識との接点も維持されているシステムがあることに注目すべきである。
feedback
Top