Fusarium,Trichoderma,Trichothecium,Myrotheciumなど数属の不完全菌からトリコテセン系マイコトキシンが産生されている.それぞれのトキシンによって毒性発現量は異っているが作用は類似している.細胞毒性が強く,分裂の盛んな組織,骨髄,胸腺,腸管上皮細胞,精巣等に障害が著しい.動物に連続投与した場合,白血球,血小板の減少がおこることも報告されており動物に対する生理活性に関する報告は多いが,生体内動態については上野らの[
3H]標識フザレノンーXに関する報告の他に殆んどない.今回,理研辰野博士らにより合成された13-[
14C]-トリコテセンを用い,全身オートラジオグラフィー法を主体として,マウス体内での分布を経時的に調べた.
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