マイコトキシン
Online ISSN : 1881-0128
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72 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
Part I (Papers in English)
Letter
パート II(日本語論文)
原著
プロシーディング
  • 北本 勝ひこ
    2022 年 72 巻 1 号 p. 23-38
    発行日: 2022/01/31
    公開日: 2022/03/25
    ジャーナル フリー

     麹菌(Aspergillus oryzae)は,古くから日本酒や味噌の製造に使われてきた産業上重要な糸状菌である.酒造りでは,「一麹,二酒母,三造り」と言われるように,麹が一番重要であり,応用的な観点から麹菌育種などの研究が多くなされてきた.しかしながら,遺伝学的研究や細胞生物学的な研究は,酵母と比べ格段に遅れていた.筆者らは,ゲノム情報を利用することにより麹菌細胞内のオルガネラの詳細な観察を行ない,糸状菌特異的な細胞構造を明らかにした.本稿では,オルガネラに焦点を当て,麹菌の生命活動について紹介する.

ミニレビュー
  • 佐野 元昭
    2022 年 72 巻 1 号 p. 39-42
    発行日: 2022/01/31
    公開日: 2022/03/25
    ジャーナル フリー

     コウジ酸は,日本酒醸造の過程で使われる麹に肌に何か良い成分があると考えられ,発見された麹菌(Aspergillus oryzae)の二次代謝産物である.このコウジ酸の生産制御に関わると推測されるLaeAと5つのベルベット遺伝子(veAvelBvelCvelDvosA)について,遺伝子破壊株を作製してコウジ酸生産の影響について解析を行った.その結果,各遺伝子によりコウジ酸生産制御への関わりが異なっているという結果が得られたので紹介する.

  • 八丈野 孝
    2022 年 72 巻 1 号 p. 43-48
    発行日: 2022/01/31
    公開日: 2022/03/25
    ジャーナル フリー

     ムギ類赤かび病に感染すると,収量・品質の低下だけでなく,デオキシニバレノール(DON)等による汚染が引き起こされる.DONに汚染されたムギ類を食すと,嘔吐・下痢などの症状を呈する.赤かび病の感染対策が求められるが,強い抵抗性を示す有効な品種はなく,さらには薬剤耐性菌の出現が報告されている.そのような中,プラントアクティベーターとしてニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)に赤かび病抵抗性を誘導する効果があることが見出されている.しかしながら,NMN処理が赤かび病菌の侵入行動にどのように影響を及ぼすのかは不明である.そこで本研究では,赤かび病菌の侵入行動をリアルタイムバイオイメージング系で解析する手法を確立し,NMN処理が赤かび病菌の侵入行動に及ぼす影響を調べた.NMN処理区では菌糸が真っ直ぐに伸びておらず,宿主細胞への侵入に失敗して他の侵入場所を探すために方向転換を繰り返しているような挙動を示すことが明らかになった.本稿では,赤かび病菌のリアルタイムバイオイメージング系確立の取り組みと感染初期の侵入に対するNMNの作用を紹介する.

ウェビナー招待講演報告
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