台湾から乳用牛の飼料として輸入された稲わらにおける,マイコフローラとAfの検索および稲わらを用いて,Af汚染の可能性について検討した結果1. マイコフローラの検索では, A. candidus, A. flavus, A. niger, A. teyyeus, Cladosporaum sp. E. chevaliera, E. montevidensis, P. oxalicum, Mucoralesを分離し,特にA. niger, A. terreus, Mucoralesの分離頻度の高いことを認めた.2. 分離したA. flavusはAf生産性を認めたが,供試稲わらからはAf汚染は認められなかった.3. しかし,稲わらでAfの汚染も考えられるため,AfB系,G系生産の明らかなA. parasiticusを稲わらに接種,Af生産性を調べた.その結果,稲わらでは米培養に比べかなり低い生産量にとどまったが,Af汚染の起り得ることを知った. わが国では濃厚飼料はもとより,粗飼料においても種々多様なものが輸入されている.このことから,これらカビ汚染,あるいは,マイコトキシン汚染の実態を見極める必要があるように思われる.
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