安全工学
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特集号: 安全工学
35 巻 , 6 号
安全工学_1996_6
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
巻頭言
環境評価特集
  • 後藤 典弘
    1996 年 35 巻 6 号 p. 386-391
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    環境分野では,テクノロジー・アセスメントや環境影響評価を初めとし,最近ではライフサイクル・アセスメントといった各種の評価が,制度的にもインフォーマルにも行われてきている.本稿では,こうした環境配慮,環境影響,環境負荷などを評価するアセスメントについて,その意義や歴史的な変遷をレビューした.特に,アセスメントが健全な意思決定・行動のための道具であること,手法としてはどのような問題や限界があるのかについて述べた.

  • 乙間 末広
    1996 年 35 巻 6 号 p. 392-398
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    国際標準化機構(ISO)は製品とサービスのためのライフサイクルアセスメント(LCA〉手法の標準化 を環境管理規格(ISO14000シリーズ)の一環として着手している.その1部であるLCA全般に適用 される原則と手法の枠組みに関しては,規格内容がすでに国際的な合意に達しており,来春には発効する見込みである.本稿は現在までに明らかになっているISOのLCAに対する考え方,規格化の方針,進捗状況について報告する.また,LCAが日本で普及するための課題についても若干言及する.

  • 寺園 淳
    1996 年 35 巻 6 号 p. 399-409
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    ライフサイクルアセスメント(LCA)において,海外ではさまざまなインパクトアセスメント手法が提案されている.この中でも統合評価といわれる,環境影響を統合した指標化について,既存手法のレビューを行った.統合評価手法で用いられる異種の環境負荷や環境影響の重みづけ方法は数種に分類され,目標値を用いる方法(DtT法)やパネル法が注目されている.DtT法およびパネル法遂行上の課題としては,目標値の設定,環境影響や被害発生メカニズムの解明,環境問題の選択方法などが挙げられる.

  • 内藤 克彦
    1996 年 35 巻 6 号 p. 410-416
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    平成8年2月にOECDよりその導入について加盟各国に勧告されたPRTR制度について,その勧告の概要を紹介するとともに,OECDの作成した政府手引きマニュアルに沿って,PRTR制度の概要について解説し,あわせて環境庁の今後の取り組み方向について報告する.

  • 浦野 紘平
    1996 年 35 巻 6 号 p. 417-424
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    1992年に開かれた国連環境開発会議(地球サミット)のアジェンダ21をもとに,化学物質の環境安全管理制度が国際的に大きく動き出している.特に,OECDの環境汚染物質排出・移動登録(1)RTR)およびISOの環境管理や環境監査では,事業者が多数の有害化学物質の環境安全管理を自主的に行い,その状況を第3者が評価する制度を求めている.日本が国際社会の中で信頼を得るためには,これらの制度を適切に導入し,定着させることが不可欠である.また,先進的な自治体や企業では,すでに多数の有害化学物質の自主的な管理を進めている.本稿では,これらの動きを整理して紹介し,今後の方向を示した.

  • 藤富 正晴
    1996 年 35 巻 6 号 p. 425-434
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    ベンゼンなど有害大気汚染物質による低濃度,長期暴露による健康影響については,知見の蓄積,モニタリング結果の集積により,近年クローズアップされてきた.現在,情報,データが十分に整備されているわけではなく,今後一層の充実を図る必要があるが,健康影響を未然防止するため,欧米の動向も参考にし,日本では企業の自主的取組み,排出抑制基準などにより排出抑制を図る.

  • 内山 巌雄
    1996 年 35 巻 6 号 p. 435-442
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    有害大気汚染物質は環境基準が定められたこれまでの大気汚染物質とは異なり,発がん性あるいは発がんの恐れのある物質を含んでいる.発がん物質はその影響に「いき値」がないと考えられることから,その規制には新たな概念が求められる.そこで考えられたのがリスクの概念であり,健康影響評価としてのリスクアセスメントの手法である.従来の耐容一日摂取量に変わる実質安全用量を求めるリスクアセスメントの手順を解説するとともに,より科学的なものとするための最近の動向を示した.

  • 宮田 秀明
    1996 年 35 巻 6 号 p. 443-451
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    ダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾp一ジオキシン,ポリ塩化ジベンゾフラン,コプラナーPCB)は地球規模の環境汚染を引き起こしている.これからの化合物はきわめて毒性が強く,環境汚染レベルで人体に影響を及ぼす可能性があるため,現在,西欧諸国で汚染軽減対策が行われている.わが国では本年6月に耐容一日摂取量が設定され,現在,厚生省および環境庁において汚染軽減対策の法規性が検討されている.上記の事実を踏まえ,本論文はわが国におけるダイオキシン類汚染の現状と問題点に焦点を当てて解説したものである.その内容は1)自治体固形廃棄物焼却施設の現状と発生状況,2)大気および海洋汚染,3)自治体固形廃棄物焼却施設の従業者における汚染実態,4)産業廃材および阪神大震災倒壊家屋廃材の焼却による汚染,5)耐容一日摂取量および6)摂取量と影響評価から構成されている.

  • 斎藤 直
    1996 年 35 巻 6 号 p. 452-459
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    フロンは成層圏オゾン層を破壊するため,生産と消費が国際的に規制された.フロンの仲間で,よりオゾン層破壊効果の大きい高性能消火剤のハロン消火剤の全廃について解説した.ハロン消火剤の消火機構,生産・消費の全廃とわが国の対応,代替の新消火剤の開発・利用の現状,新消火剤の消火性能と毒性について説明し,当面,ハロンのリサイクルと新消火剤を適材適所に用いて対応すべきであるとした.そのためには,新消火剤に関する消火性能,毒性などの情報が,利用者に正しく提供される必要がある.

  • 岩本 文哉
    1996 年 35 巻 6 号 p. 460-464
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    平成7年1月17日,兵庫県南部に発生した大地震により多くの貴重な人命と資産を失った.震災発生直後は,多くの人々が瓦礫の中に埋もれ,その救助が最優先されており,環境対策は遥か彼方に置き去りにされていた.少しの時間が経ち,まだ行政が環境対策に着手できないでいる中,各方面から環境問題に対する危惧が指摘され,徐々に環境部局が,本来の環境保全対策に動き出していった。しかし,まだ行政全般では,それを受け入れる状況には至っていなかった.そのような反目を受けながら,環境部局は,環境保全に対する指導を進めていった, ここでは,環境部局が,環境保全という立場で可能な限り実施した公害防止対策と環境監視について,そのあらましを述べる.

  • 原 智朗
    1996 年 35 巻 6 号 p. 465-473
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    市街地の土壌・地下水汚染は近年各国において問題化しており,関連法の整備により,汚染を発生させた企業に対する第三者賠償責任および環境浄化責任も厳酪化している.損害保険業界は,このような賠償措置の確保のため環境汚染賠償責任保険(EIL保険)を開発しているが,同保険の引受けには特有の難しさがあり,いっそうの研究を要する.環境汚染による損害を担保する保険に関する技術的な問題点を検討するとともに,この種の保険において先行した歴史をもっ欧米諸国の保険市場の経験を,特にスーパーファンド法に基づく浄化費用の請求により巨額の保険金支払いに見舞われ,大混乱に陥った1980年代の米国市場の事例を中心に解説する.なお,賠償責任保険の内容は賠償法制の内容に密接に関連することから,各国の主要な環境法制の動向にっいても適宜触れる.

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