労働科学
Online ISSN : 2187-2570
Print ISSN : 0022-443X
88 巻, 2 号
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原著
  • 富永 知美, 三木 明子
    2012 年 88 巻 2 号 p. 39-48
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/11/25
    ジャーナル フリー
    科学技術研究機関職員における職業性ストレスとコーピング特性が抑うつに及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。A科学技術研究機関職員の男性473名(研究・技術職87.6%,事務職12.4%)に自記式質問紙調査を実施した。抑うつを従属変数とした重回帰分析の結果,職業性ストレスの「将来の見通し」「量的負荷」「同僚の支援」,コーピング特性の「積極的問題解決」「回避と抑制」が抑うつに有意に影響した。科学技術研究機関職員のうつ病対策には,将来の見通しを持ちながら業務遂行できるキャリア支援,仕事量の調整,同僚と互いに支援し合える環境作り,コーピングに焦点を当てた個人面接や集団教育が重要と考えられた。(表5)
資料
  • ―長距離および中・短距離輸送の添乗調査―
    小山 秀紀, 鈴木 一弥, 茂木 伸之, 酒井 一博
    2012 年 88 巻 2 号 p. 49-70
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/11/25
    ジャーナル フリー
    中小運送会社の異なるパターンの運行5事例(4泊5日運行,3泊4日運行,1泊2運行,日勤)と大手運送会社の2泊3日運行3事例について,調査者がトラック助手席に添乗して,疲労や眠気の主観評定,ビデオ画像,活動量および生理反応(心拍数,眼電図)の記録を実施した。中小の長距離輸送では,長時間運転,短時間睡眠,眠気が強くなるまで少しでも走り続けて睡眠を分割して取得するパターンが多かった。大手では,夜間走行-昼間睡眠という同一のパターンでの定期的な運行であった。全事例で車内のベッドやシートで睡眠が取得されていた。運送事業主と荷主との協力関係,休息期間を確保できる運行計画,長時間運転と休憩不足の回避,トラックキャビンでの睡眠への配慮,高速道路や付随する休憩・宿泊施設の充実などの多方面における改善が必要とされていることが示された。(表3,図12)
  • ―海難審判庁裁決録を基に―
    渕 真輝, 臼井 伸之介, 藤本 昌志
    2012 年 88 巻 2 号 p. 71-80
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/11/25
    ジャーナル フリー
    護衛艦「あたご」事件のように重大な船舶衝突事故が発生すると,両船の海上交通ルール履行の有無が注目される。海上交通ルールでは両船の位置関係が重要で,小さい船舶の方が衝突を回避しやすいものの,船舶の大きさ(船型)は関係がない。本研究では,1977年から2008年までの海難審判庁裁決録から,基本的な海上交通ルールが適用された衝突事件を抽出し,両船の船型を調査した。その結果,「横切り船の航法」が適用される状況において異船型間の衝突が多いことが示唆された。このことから衝突回避には,海上交通ルールの知識に加えて操船経験や判断時機等を考慮する必要があり,操船者のヒューマンファクター研究の必要性を指摘した。(表8,図2)
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