労働科学
Online ISSN : 2187-2570
Print ISSN : 0022-443X
93 巻, 5 号
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原著
  • 松元 俊
    2017 年 93 巻 5 号 p. 139-147
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/12/10
    ジャーナル フリー

    公立病院の8時間3交代制に就く22名の看護師に対して深夜勤前の日勤を半日勤に試行的に変更した。その結果,深夜勤務前の日中にとられる仮眠は日勤条件に比して勤務間隔の延長をともなう半日勤条件で長く(p<0.01),また半日勤条件における仮眠は分割してとるほうが一括でとるよりも睡眠時間が長かった(p<0.01)。半日勤条件では日勤条件に比して,日勤終了時もしくは半日勤終了時から深夜勤終了時までの疲労感は抑制された(p<0.001)。しかし,勤務条件および仮眠のとり方(一括もしくは分割)による睡眠時間の長さにかかわらず,深夜勤時の疲労感は開始時から終了時に向かい増加し,改善されなかった。(図3 表1)

  • 三上 ゆみ, 中村 孝文, 田内 雅規
    2017 年 93 巻 5 号 p. 148-159
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/12/10
    ジャーナル フリー

    健常者に身体動作制限を施して下り坂走行をした場合の影響について,生理,心理,行動面から明らかにすることを目的とした。健常成人19名を被験者とし,下り坂の制動を繰り返しながら走行する際のトルク,筋電図,足底圧,制動効果に対する不安感を計測した。脊髄損傷を想定し,体幹の固定と足底を浮かせることによる動作制限を加えた。動作制限がない場合は,フットレストを踏むことで生じる足底への反力を利用して体幹姿勢を固定し制動していた。一方,制限が有る場合は,制動時の肘の屈曲やハンドリム把持力を強めていた。下肢では各筋群の等尺性収縮が観察され,体幹では腹直筋の活動が高まった。これらは制限を代償するための反応と解釈された。心理計測では,制限により,制動中の十分な制動力の発揮及び完全な停止と停止状態の維持への不安が増加した。身体動作制限により代償動作が生じたが,制動効果に対する不安感は有意に増加した。今回の制限方法に関する知見は、技法開発の基礎資料になり得ると考えられた。(図6)

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