免疫性血小板減少性紫斑病(immune thrombo-cytopenia, ITP)は,抗血小板自己抗体を介した血小板の破壊の亢進と,血小板産生の減少による血小板減少によって特徴付けられる.確定的な検査方法を欠くことが診断を難しくしており,診断はその他の血小板減少疾患の除外によって成される.今回我々は,ITPを含む血小板減少症の患者でautophagosome形成血小板比率(autophagosome rich platelets%, ARPs%)を測定し,ITP診断における有用性を検討した.
血小板減少症患者86名の末梢血血小板をCytoID®で染色しフローサイトメトリーでCytoID®陽性血小板割合を測定しARPs%とした.ITP患者では他疾患と比較して,ARPs%は有意に高値を示した(p ‹ 0.01).ITP患者において,ARPs%と網状血小板比率(reticulated platelets%, RPs%)は正の相関があった(r = 0.58).また,RPs%は血小板数と強い負の相関を示し(r = -0.71),ARPs%は平均血小板容積と正の相関示した(r = 0.55).
血小板減少症患者におけるautophagyの亢進はITP患者で特徴的であり,autophagosome形成血小板比率の測定が血小板減少症の鑑別の一助となる可能性が示唆された.
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