腹腔鏡下大腸癌手術の習得過程で,経験の浅い外科医は適切な症例選択が必要である.しかし,その手術難易度を予測する指標はほとんどない.当院で施行した腹腔鏡下大腸癌手術1390例を検討し,手術難易度を予測するスコアリングシステムを構築した.手術難易度の指標を手術時間とし,難易度に関連する因子を多変量解析で同定し,線形回帰分析を用いてスコア化した.
性別,body mass index 〉 25 kg/m
2,腫瘍占拠部位により手術難易度が決定され,これを3群に分類した.高難易度群では低・中難易度群に比べて手術時間や入院期間が長く,出血量が多く,合併症が多かった.構築したスコアリングシステムの整合性はten-fold cross-validationにより確認した.
構築したスコアリングシステムは腹腔鏡下大腸癌手術の手術難易度を予測することが可能であり,適切な手術症例の選択に有用であると思われる.
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